171、協力
「仕方ないですわね……もう。今回だけですわよ! 壁破壊とやらを手助けいたしますわ」
一番最初に折れたのは、案の定というべきか、やはり赤毛のお嬢様のルーランだった。本当にチョロインだなこいつ。しかし、やけに素直過ぎないか?
「あーら、どういった風の吹きまわしで?」
一旦私の口調も元に戻る。さすがに気になったのを隠せなかったから。
「まあ、確かに貴方がおっしゃる通り現在緊急事態であるのは間違いありませんし、貴方は人を人とも思わぬ人非人で冷酷非情の悪役令嬢であることもこれまた事実ですが、今まで様々な難関を潜り抜けてきたのをこの目で見ておりますし、その一点においてのみ、信頼に値すると妾は判断しております……以前も申し上げたような気がしますが」
「……」
なんかこき下ろしたかと思えば上げてくるので万夫不当の私といえども返答に窮してしまった。まあ、言うことを聞いてくれるんだから、ここは良しとしてやるとするか。
「それに、そもそも我が友ホーリンが、『緑の壁に気をつけろ』と言い出したことが発端でもありますし、破壊するのは彼女の遺志を尊重することにもなるかと思います……もっともくれぐれも妾に被害が及ばないようにはご考慮をお願いするのが条件ですが」
お、そういう考え方も出来るか。なんなら最初からそう言って説得すれば良かったな。
「よーし、わかった! ならば早速仕事を手伝ってもらうぞ! 時間もあまりないことだし、テキパキとな!」
「……私も、微力だけど協力する」
「ええっ!?」
なんと、今まで傍観していたサラジェンまでもが態度を軟化させてきた。本当にどうなってんのこれ?
「急にどうしたんだ!? なんか変な物でも食ったのか!?」
「……夕食すらまだなんですけど。とにかく自分も先ほど子宮から助けてもらったのは事実だし、不本意ですがあなたの実力は認めざるを得ません。それに今となっては運命共同体なので、生き残るのが多い方にベットします」
相変わらず淡々としているが、その声には意志の力が込められていた。




