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170、ノーブラ

「エエッ、マタ請求書ノ山ガ届キマスヨ! アロエサン過労死シチャイマスヨ!」


 脳みそのごんたくれ野郎が湯水のように個人情報を垂れ流しやがる。マジでやめれ。


「多分そんなことにはならないから安心しろキーック!」


「ウギャアアアアアアアアアアアアア!」


 我が華麗なるかかと落としを頭頂葉付近にくらい、彼の小気味よい悲鳴がスピーカーから機内に拡散された。もっともちゃんと死なない程度に加減はしてあるので安心だ。


「そのふてぶてしいほど自信あふれる態度の根拠はいずこにありますの?断っておきますが、妾がまたしても巻き添えになるのはごめんあそばせですわよ」


 ルーランは予防線を張ることに余念がない。


「みみっちいことばっかほざくなルーラン! もしなんかあった場合はそこのあこぎな商売でガッポガッポ儲けている有名動画配信者様がケツ持ってくれるから太平洋のような広い心でドンと構えろドントウォーリー!」


「……威勢の良いところ申し訳ないですが、何故私が?」


 サラジェンが不快感を滲ませた質問を投げかけてくる。まあ、当然と言えば当然だが。


「そいつはノーブラオブルージュの伝言とかいうやつだ! とにかく文句はいいから早いとこ壁を木っ端みじんこにしろ! 多分結構頑丈だぞこいつ!」


「だから結局何一つ理由がわかりませんですわよ! それでは人は動きませんわよセンナさん! あと、付け加えるならばノーブラオブルージュの伝言ではなくてノーブルオブリュージュですわ!」


 クソっ、こいつら私の私の言葉による誘導に引っかからずに正攻法で攻めてきやがる。まったくもって厄介だ。


「言ってる場合か! 可及的速やかに実行すべし! でないとここにいる我々全員メマリーの二の舞だぞ!」


「「……!」」


 そのキラーフレーズ一つで一同何故か静まり返り、空気は瞬時に変わった。それほどさっきの映像は皆に衝撃を植え付けたのだろう。

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