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165/178

165、メマリーの追憶

 光と炎と噴煙を最後に唐突に画面がブラックアウトした。おそらくゴッサムちゃん改も一緒に爆死したのだろう。


「「「「「……」」」」」


 その場の誰一人しわぶき一つせず、時が止まったように感じられた。周囲は水を打ったように静まり返り、私の中は重苦しいもので溢れかえり、息をするのもやっとだった。心も身体も、直前まで会話していた人間が死んだという事実がまったく受け入れられないのだろう。それほど強烈な体験だったのだ。


「ハァッ、ハァッ、ハァッ」


 荒く呼吸をしながら、なんとか自分を落ち着けようと努力した。昨晩ホーリンが瀕死に陥った時は、まだ死亡した瞬間に居合わせたわけではないのでダメージは今ほどではなかったが(まあ死亡したとわかってからはドーンときたが)、今回はドローン越しとはいえ直に見てしまたため、衝撃度が桁違いだった。


(メマリー……全然好きじゃなくて、むしろ嫌いだったけど、こんな虫けらみたいな死に方はあんまり過ぎるわ……遺体だって原形をとどめているかどうか……ああ嗚呼)


 様々な彼女とのやり取りの瞬間が酸欠気味の脳裏をよぎる。良い思い出は何一つないが、竹を割ったような男らしい性格は中々個性的で、彼女なりの信念を感じた。自分の道を究めようとする者は、本質的にはすごいと思う。出会い方があんな最悪じゃなければ、ひょっとしたら良い友達になれたのかもしれない。


「……メマリーさんが……亡くなったですって!?」


 遂に口火を切ったのはルーランだった。私同様信じられないのか、声がいつもより震えている。まあ、無理もないだろう。


「残念ながらそのようです。とにかくこの場はなんとかしなければいけません。そうですね、お嬢様」


 こんな非常事態でもアロエは堂々として、落ち着いたものである。ただし私に振らないでほしい。まだそこまで精神力は回復していないのだから。


「……」


 私は重大な局面を迎えた棋士のように長考した。

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