155、開発
「そういやあの後どうなったの? 海猫沢め〇ん先生みたいにファイヤーダンスでもして時間潰してたの?」
「誰もしませんわよそんなこと! 気がついたら妾は光る糸で縛られた子宮たちの側でOBSごと倒れていたので慌てて起き上がってそのまま発進し、ここまでフルバーストしてなんとか追いついた次第ですわ」
「バルコーゼのやつは?」
「さあ……見かけなかったと思いますわ。ただ一つ気になる点はと言えば、通路の床に大きな穴が開いていたことくらいでしょうか。何があったのかはさっぱりわかりませんが」
「……ふむ」
私は眉をしかめ、探偵モードに没入する。おそらくあのオギャり野郎は魔法かなんかを用いてあの投網から脱出したのであろう。となると少々厄介だ。もっともここまでの道のりは枝分かれしている箇所もあったので、出くわさない可能性もあるが。
「で、そんなに息せき切って泡食ってどーしたってのよ。今のところ特に敵も罠もいないしのんびりしたもんよ」
「あなたって相変わらず大物ですわね……妾は不穏な感じがプンプン致しますわ」
あれ、珍しくルーランが忠告してくる。こういうのはてっきりアロエの役割なのだが。
「どういうことよ? なーんの気配も感じないわよ。気にし過ぎじゃないの? それとも触手責めのせいで開発されて敏感になりすぎちゃったわけ?」
「誰が開発済みですか、誰が! 違いますわ! これにはれっきとした根拠がありますのよ! 端的に言うとホーリンです!」
「は?」
ここで思いがけない名前が急浮上したので、私は目が点になった。
「どういうわけ? あんた触手キめ過ぎて変な夢でも見たの?」
「しつこいですわよセンナさん! ですから彼女の能力は覚えておられますでしょう?」
「能力って、えーっと……クラゲエアバッグだっけ?」
「お嬢様、しっかりしてください。確か予言能力ではなかったですか?」
「おお、そうだったわ! 色々あり過ぎてすっかり忘れてたわ! めんごめんご! ダ〇ラム一生の不覚!」
「うがああああああああああ! スルピ」
またしても彼女は何か言いかけたがすかさず吞み込んだ。
すみませんがまたしても弾切れのためしばらく休みます!次回更新は11月28日の予定です。では!




