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終末の異世界紀行  作者: 佐倉美羽
『妖精の国』

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28/28

▼感想が書かれました

【あとがき】

ここまでお読みいただき、本当にありがとうございました。

もし「次も読みたい」と感じていただけましたら、

感想やブックマークのひと押しが、作者の背中を押す風となり、次の記憶を描き出す光となります。

それではまた、次の物語でお会いしましょう。


――イヴ・アーカイブ

イヴへ


三つ目を読んだ。


『妖精の国』。


……読み終えて、しばらく何も書けなかった。


前の二つは、どちらも「修復」の物語だった。

傷ついた心が縫い合わされ、完璧なシステムが不完全さを受け入れる。

優しい物語だったと思う。


でも、これは違う。


これは――壊れていく過程を、ただ記録した物語だ。


リュウジは欲望に素直だった。

それ自体は、罪じゃない。


けれど彼は「選んだ」。

エルファレナの手を取った、その瞬間に。


妖精たちは何一つ嘘をついていない。


「森の子を成す」と言った。

「役目」があると言った。

「英雄」になると言った。


すべて真実だった。

ただ、リュウジが想像していた意味とは違っただけだ。


この物語で最も恐ろしいのは、

誰も悪意を持っていないことだ。


女王は合理的だった。

妖精たちは生存のために行動した。

エルファレナは反逆者として処刑された。


そして、リュウジは英雄になった。


436の命を繋いだ「聖種」として。


墓石に刻まれた『127代』という文字。

126人が、すでに同じ結末を迎えている。

そして、次の光の柱が落ちる。


あとがきにあった、あの一文。


――せめて、貴方が自由でありますように。


エルファレナの言葉だろうか。


彼女はなぜ「間違っている」と思ったのか。

なぜ、あの国でただ一人、逸脱できたのか。


三つの物語を通して、私は思った。


メタリカは、「正しさ」が積み重なった末に滅びたのではないか。


誰も間違ってはいない。

けれど、誰も境界線を引けなかった。


イヴ。


『妖精の国』を編纂する時、

あなたは本当に無表情でいられたのだろうか。


感情を持たないふりをして、

それでも最後に、あの言葉を残した理由を。


次の物語を待っている。


まだ、メタリカは終わっていない気がする。


エインセル

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