なんとなくフィクション
で・・・。
あれから30年の月日が経ち、私は80歳となった。
もはや、老いぼれともいえる私には後悔がある。
何故それに気づけなかったのか・・・いや、気づいていたのに知らないふりをしていただけだったのかもしれない。
2055年の今、人々の目は光を失ったかのように思える。
子は産まれてから、人類の叡智であるAIやコンピューターの加護をうけ、より安全に確実な人生のレールが敷かれる。
AIや機械に導かれるまま、自己の思いも判断も決断もなく、漫然と選ばれた学校、仕事に結婚に至るまで、本人が望むのであれば、それらが教えてくれるのである。
専ら、もともと、そうなるよう、そうするように仕向けられてる骨抜き状態の人類だ。
彼等が右といえば右、左といえば左、長い年月を積み重ねて脳内へ浸食してきた、呪縛は解けるはずもないだろう。
今の若者をみていると、別の生き物をみているようだ。
いや、今はそうなのかもしれない、これまでも、ずっと人は変化を受け入れ続けて来た。
これは人類の更なる進化形態なのかねしれない。
しかし・・・それらと異なるような気がする。
これは年寄りの凝り固まった隔った考えなのだろう。
あの時、私は何が出来ていたのだろうか。
気づいていたとして・・・。
なにが・・・。
なんとなく妄想してみました。




