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ショートショート6月~

ピアノの先生

作者: たかさば
掲載日:2020/06/07

幼馴染のユウちゃんはちょっとしたお嬢様で、保育園に入る前からピアノを習っていた。

私が遊びに行くといつも何かを弾いていて、とてもうれしかったのを覚えている。


毎日遊んでいたある日、ユウちゃんがピアノを弾いてみない?と私に声をかけた。

私はピアノは聴くものだとばかり思っていたので、とてもおどろいたのだけど。


「私、ピアノ教えてみたい!」


ユウちゃんは、ピアノの先生を目指していたのだった。


かくして突如始まった、ピアノ教室。

先生は保育園の年中さん。

生徒も年中さん。


先生は大変に手厳しく、なかなか授業は難航した。

まず、ドレミの位置が分からない。

さらに音符が読めない。

そもそも鍵盤の押さえ方が分からない。


それでも結局、先生は優しかったのだった。


手取り足取り、教えてくれた。

教えて下さったのである。


私は、一曲だけではあるけれど、ピアノをマスターした。


「ねこふんじゃった」


まさかの、両手で弾くアレである。

楽譜もまるで読めない私が唯一弾ける曲。


保育園児の先生の教えは、いまだ私の中にある。



保育園児の先生は、やがて成長して、大人の先生になった。

今もたくさんの生徒さんに、ピアノを教えている。


「ずいぶんたくさんのピアノ演奏者を育ててきたけれど、私の最初の生徒は貴方よ。」


そういってくれるのが、少しだけ、恥ずかしい。



大人になってからピアノをはじめる人も、最近は珍しくないそうだ。


はじめてみようかな。



迷う私に、かつての先生は。


「いつでもいらっしゃいな。」



にっこり笑って、私の前で一時間ほどコンサートを開いてくれた。


最後の曲は、もちろん。



「ねこふんじゃった」



私の弾く、がさつで乱暴な猫とは違う、雅で柔らかなすました猫が、そこにいた。



私の猫が、どれほど変わるのか。



今からとても、楽しみにしている。



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― 新着の感想 ―
[良い点] ねこ! [気になる点] ネコを踏むのを想像するとアレですね。にゃーん [一言] ピアノを始めて徐々に弾かなくなった奴です
2020/06/07 21:30 退会済み
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