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目覚め

ちっとも展開が先に進まない症候群に陥っております。

 カーテンの間から差し込む日の光に目が覚めた。


 眩しい。


 ……遮光カーテンでも買うか。


 俺は朝日とともに起き出すよりは昼まで惰眠を貪りたいのだ……。


 しかも今日も学校は休みだ。


 寝ていても誰にも文句は言われない日なのだし。


 ではここはひとつ、まったりと二度寝でも……。


 ぼんやりする頭でそう思っていると、腕の辺りに何かの塊の感触を感じた。


 ん?


 視線を動かすと、そこには見覚えのない少年がぐっすりと眠り込んでいた。


 ……いやいや、見覚えはなくはないか。


 これは御加賀見恭弥。


 詳しいことは知らんが、御加賀見の弟だとわかってるわけだしな。


 俺はまじまじと観察してみた。


 まつ毛がすげえ長いな。


 んー、やはり美形だ。


 御加賀見の弟だけのことはある。


 姉ほどの華やかさはないが、確かに似ている。


 生粋の和系の美形姉弟だな。


 つくづく御加賀見家の遺伝子の力は強そうだ。


「…………あの?」


「あ?」


「……おはようございます」


「ああ」


 いつの間にか恭弥も目が覚めていたらしい。


 最初の印象では生意気な子供だったが、意外に礼儀正しい。


「えと、……僕の顔になにかついてますか?」


「いや? 御加賀見とよく似た顔だと思って見てただけだ」


「姉様と……」


 恭弥はそう呟くと、布団を顔まで上げ、ぐずぐず泣き出した。


 おお?


 これはどうすれば……。



 あー、経験からこの対処を……無理だ。


 祐史は気がついたら極太神経の持ち主になっていて俺の前で泣いたことなどない、はずだ。 


 よって泣いてる弟を慰めたことなどない、はず。


 困った俺は、とりあえず布団越しにぽんぽんと軽く叩いてあやしてみる。


 



 そうやってあやしているうちに、恭弥はまた眠ってしまったようで、すーすーと寝息が聞こえてきた。


 俺はと言えば、すっかり目が覚めてしまって二度寝どころじゃねえ。


 別の意味で祐史もそうだが、弟って面倒くせえ生き物だな。


 つか、そもそもこれ俺の弟じゃねえよな。


 まったく面倒くせえな。


 御加賀見、責任もってさっさと引き取りにこい。







 俺は布団越しに恭弥を抱えたまま、疲れたように溜め息をついた。

ここはゆっきー召喚か。

でもここでいきなりゆっきー召喚は話的に辻褄が……(悩)。

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