【悲報】打ち切り
漫画もないです。
■すみません完結設定にします。
悲報。打ち切り。
突然驚かせてすみません。蜘蛛が全滅して描けなくなった……というわけではなく。安心してください。元気です。元気どころか、増えてます。(※1:後述)
単純に、僕の生活環境が変わってしまったため、漫画が必須となるこの連載を続けることが困難になりました。蜘蛛ではなく、作者の問題です。
連載のままで放置するのはお待ちいただいている方に申し訳なく感じたので、完結にします。と、お知らせさせていただきます。いわゆる作者都合による打ち切りです。すみません。
蜘蛛くん達は絶賛元気です。タランチュラを飼育しはじめて約1年。飼育にも慣れてきました。
蜘蛛くんたちとの暮らしのなか、日々の小さなおもしろい出来事はありつつ、それを漫画に起こす時間の捻出が難しく、更新できない日々にもどかしさを感じ……。
■小ネタ
可愛くて面白い話はほんとうにたくさんあるんです。
赤くんが気合いれて土を彫りすぎて水入れを土に埋めてしまった話とか、トンネルが崩れたときにゾンビみたいに土から「ボコォ」と顔をだした話とか、最近水をやると黒ちゃんが威嚇するんですが前に走りながら威嚇するせいでむしろ水を浴びにきてるみたいに見えてかわいいとか(そもそもタランチュラは基本的に前にしか歩かないから当たり前なのですけど)、マヨネーズの入れ物が有能すぎるとか、その他もろもろ。
■最後なのでご質問に回答
以前の活動報告で、「なんでこんなに色鮮かなんでしょうね?(意訳)」的なご質問? をいただいて、そのときはわからなかったので「調べておきます」的な回答をしたのですが。
生物学的な? 正しい正解っていうのはおそらくまだ研究機関でもわかっていないのですけど、ある程度実験などでわかっている理由としては
・擬態
・餌の誘引
・警告
の3つが有力です。(というのを本で読みました)
「あんなに派手な色で?」と思われるかもしれないのですが、まず昆虫や鳥、人間では眼の構造上、見えている波長が違います。
人間には非常に目立つ色に見えても、鳥(外的)や昆虫(餌)からすると花などにまぎれて見えにくいとか、逆に目立つことによって「毒があります」と訴えかけてたり、それぞれの生息地や環境によって適切な色になっている……らしい。
その他、♂の性的アピールとして派手な色を持っている蜘蛛もいたり、とにかく種類によって理由は様々ですが、何らかの生存のための戦略があって、人間の眼とは違うものが見えているから。らしいです。
■沼が深すぎるし吸引力が高すぎる
ところでうちの子は今8匹になっております。
買う前はあんなに何年も「どうしようかなあ」と悩んでいたのに。1匹買ってからも「増えても大丈夫かなあ?」と不安をいだいていたのに。今ではもう「あ、入荷ですか。わかりました4匹ください(即ポチ)」みたいなことになっています。
息をするように増やしてゆく。入荷お願いもまだ出してるのでまだ増える予定なんですけどなんなら予定外の購入とかありそうで怖いです。いや、怖くない。楽しい。
温室も1つでは足りなくなったので2つめの作成を検討中です。押入れのなかは飼育用具で埋まりましたありがとうございます幸せです。
タランチュラ本当に良い生き物です。お世話が楽だし可愛いし。おうちの掃除も月に2回くらいでいいし餌も週に2~3回でいいし温室つくってヒーターとサーモいれとけば温度管理も自動だし1匹あたり30センチ四方くらいのケースがあれば飼えて省スペースだし(増えたら場所はとりますが段のある温室なら縦に積めるから実質、縦は無限ですよね)とにかく可愛いし。沼です。
※1:せっかくなので新しくお迎えした子の紹介を軽く。
・カーリーヘアー(もふもふかわいいタランチュラのなかでもひときわもふもふな毛むくじゃらの子)
・ブラジリアンブルー(青くん2世。今度は大人にしてあげたい)
・メキシカンレッドニー(とても綺麗なオレンジと黒のしましまの足。美脚)
・メキシカンファイアーレッグ(レッドニーよりも赤みの範囲が広い。綺麗)
・ブラジリアンブラック(2匹めの黒ちゃん。↑の4匹を注文したら間違えて送られてきてしまい、そのまま引き取り飼育することに)
それぞれ赤ちゃんをお迎えしました。
もちろんもともと居た黒ちゃん、赤くん、ピンクちゃんも元気です。
■あとがきもご覧ください
というわけで見切り発車ではじめたはよいものの、漫画コストが高いことに気づいてしまったのでエッセイはここで完結にするのですが、今後も彼らと暮らしていくので、近況は活動報告にでも書くこともあるかもしれません。ちなみに先日は赤くんの雌雄判別をしようとして失敗して抜け殻を破ってしまいました。でもどうにも♂の香りがする。
さいごに、もしこのエッセイをご覧になって、タランチュラやその他の蜘蛛にご興味を持たれた方は、あとがきに参考文献やおすすめ書籍なんかを書いておきますのでぜひどうぞ沼にいらっしゃいませ。
■タランチュラに興味がある方は
・節足動物ビジュアルガイド タランチュラ&サソリ(誠文堂新光社)
おすすめです。2007年の本なので少し古いのですが、150種類くらいのタランチュラが写真と解説つきで載っているので、見た目で飼いたい子を探すのに良いです。カタログ的な。タランチュラの基本的な飼い方(※2:後述)や繁殖方法も載っているので、タランチュラに興味があれば買ってまったく損は無いです。しいてデメリットを言うなら絶版になってしまっているので、現在は中古しか入手できないことと、プレミアがついてしまっているので安く見積もっても定価の7倍することでしょうか。でも、本当に興味があれば持っていて損はしません。あとサソリも載ってるので節足動物好きさんには尚お得。
・タランチュラの世界(エムピージェー)
上記の本よりも更に古く1996年の本です。内容のおすすめ度では圧倒的に「節足動物ビジュアルガイド タランチュラ&サソリ」のほうなのですが、こちらの本は電子版が出ているので今でも入手が安易です。また、後述の「クモ学」によると、この本が日本で一番最初に出たタランチュラの専門書(学問的なものではないですが)らしいので、歴史を感じたい人にはおすすめです。古い本ゆえに、載っていることが現在の通説と違う部分も多かったり、載っている種類も少なかったりしますが、そこが逆に、現在との差を考えるとロマンがあるなあと思います。この本が出てから今日までのあいだに、こんなに研究がすすんで新しい種類が見つかったり、同じだと思ってたものが違うものだったりするんだなあと。
・虫の森(webサイトです。気になる方は検索してください)
※2 飼育方法については、「節足動物ビジュアルガイド タランチュラ&サソリ」と合わせて、こちらのwebサイトもおすすめします。なぜならものすごくわかりやすいからです。
ここは現在、タランチュラ等の生体を販売されているwebサイトさんなのですが、代表者さんが自らたくさんの種類を育成しておられて知識が豊富なうえ、初心者向けに飼育や種類紹介のブログ記事を書いてらっしゃって、さらにyoutubeで解説動画なんかもあげておられて、とにかく活動がリアルタイム。質問しても答えてくださる。神。
■蜘蛛に興味がある方は
・クモの奇妙な世界 その姿・行動・能力のすべて(家の光協会)
2019年の本です。すごく優しい言葉で、クモを知らない人でもクモに興味が持てるような書かれ方で、雑学や豆知識のようにクモについてのことを知ることができます。読んでいるあいだは本当に一般の雑学本みたいな感じで、専門的な印象は一切ないのに、読み終わったらいつのまにか、今よりクモについて詳しくなっている、みたいな魔法の本だと思います。本のデザインもすごくオシャレで、クモ入門としてすごく手に取りやすいです。
クモについてすでにある程度知識がある方だと知っていることが多いかなと思うのですが、情報が比較的新しいので、もしかして脳内情報の上書きができるかもしれません。クモに興味があってまだよく知らない方や、日常生活での雑学がほしい方などにもおすすめです。
・クモ学 摩訶不思議な八本足の世界(東海大学出版会)
2002年の本です。20年くらい前ですね。(2000年代がもう20年前ということに驚きが隠せません)こちらは例によって古い本なので情報については今では違う部分もあるかもしれないのですが、この本もまたクモ「学」って難しそうなタイトルのわりに、中身がエッセイ風? の語り口で比較的読みやすいです。作者さんの体験談を挟みつつ、クモの体の構造や生態、起源(研究途中のため作者さんの推測です)なども書いてあり、楽しくクモについての基礎知識を得られます。上記の「クモの奇妙な世界」より少しだけ専門的? な印象なので、作者さんのエッセイ(体験談)+少し専門知識が読める本というイメージでお手にとってみてください。
・世界のクモ 分類と自然史からみたクモ学入門(グラフィック社)
こちらは2020年の本です。そして上記のクモ学の作者さんが監修されてます。この本はとてもおすすめです。なんといってもフルカラーでたくさんの種類のクモの写真が見られて、その上、全種類に生息地や特徴など最新に近い解説がついてるんです。情報量と値段が釣り合ってなさすぎます。3倍くらい出しても全然いいくらいです。タランチュラだけじゃなく、クモ全般に興味がある方は迷わず買ってください。絶対に楽しめることを保証します。
・日本のクモ 増補改訂版(文一総合出版)
2017年の本です。図鑑です。600種近い種類の蜘蛛の写真と少し解説が載っている、本当にTHE・図鑑。という感じの図鑑です。これはもうおすすめかどうかは関係ないですね。「これをこの値段出して買う」という言う人はおすすめするまでもなくとっくに買っていると思います。万が一まだの方がおられましたらどうぞ。
■可愛い蜘蛛が好きな人、別に飼育とか学問はどうでもよくて可愛い写真が見たい人は
・ちいさなハンター ハエトリグモ (ふしぎいっぱい写真絵本)(ポプラ社)
可愛いクモ代表(だと僕は思います)のハエトリグモの絵本です。写真の絵本。とても綺麗で可愛い写真とやさしい文章でハエトリグモのことがわかります。とにかく生き生きとしたクモちゃん達の姿が、本当にかわいい。虫に興味があるお子さんがおられる方はぜひ。将来の博士を育てませんか。2019年の本です。
・世にも美しい瞳 ハエトリグモ(ナツメ社)
2016年の本です。ハエトリグモの特徴のひとつは、その大きくて丸くて綺麗な眼です。いろんな種類のハエトリグモの「眼」に注目した写真集です。残念ながらこちらも絶版ですが現在はそんなに値段高騰はしていないです。
・ハエトリグモ ハンドブック(文一総合出版)
ハエトリグモの沼に落ちた方は、こちらを常備しませう。2017年の本です。いろんなハエトリグモの写真と生息地、レア度が載っています。写真はまさかの実寸サイズでも載っているというこだわりっぷり。おうちでハエトリちゃんを見かけたら「あの子は何の種類かな」と調べてみたくなります。ちなみに僕の推しはアダンソンハエトリの♂です。ちいさくて可愛くて黒と白のコントラストが愛らしい。
■本文よりあとがきのほうが長くなった。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
可愛い小さな生き物達の魅力が少しでも多くの方に伝わりますように。(蜘蛛が一番だけど、他の虫も好きです。虫以外も好きです。どうぶつかわいい)




