今年の学祭のクラスの出し物は和VS洋の菓子や飲み物の喫茶店で行くことになったぜ
さて、あっという間に10月も終わった。
11月になると学校では学祭の準備に入り、パラディーゾもぼちぼち忙しくなって、クリスマスや忘年会の予約などが入りはじめる。
そして学祭だが去年は和洋中の揚げ物食堂だったが、今年は製菓製パンなので当然正統派パティスリーだろうか。
まあパティスリー・ベーカリーショップ・カフェのどれかだとは思うんだけど。
「じゃあ今年の学園祭における、我がクラスの出し物について決めよう」
クラスの委員長がそう言ってくるので俺は取り合えす意見を述べておく。
「うちのクラスは製菓製パンだからパティスリーでいいんじゃないの?」
しかし女生徒から別の意見が出てきた。
「ちょっとまってください、製菓製パンだから洋菓子というのは安易すぎるとおもいます。
ここはひとつ和風の甘味処というのはどうでしょう?」
なるほど、白玉とか抹茶をつかったケーキとかも確かにありだな。
「でも甘味処ってなんとなく地味な感じがしますし、やはり洋菓子のほうが売れるのでは?」
別の女生徒がそういう意見を出すとそれにうなずく女生徒も少なからずいる。
「じゃあ、和風の甘味処と洋風パティスリーで区切ってクラスの中で競争するのはどうかしら?」
和風甘味処を推す女生徒も少なからずいるのだが両方をやるのか……去年と似たようなことになってきたな。
製菓学校だと洋菓子クラスと和菓子クラスがきっちり別れてるところもあるけど、うちは両方の実習があったりする。
一年のときは和洋中の料理もやるし、かなり広く浅く学ぶんだよな。
それはそれで役に立つと思うんだが、和菓子の専門クラスだと、それこそ芸術的な和菓子作りなどもできるらしい。
まあ俺は和菓子屋になるつもりはないけど。
「では、和風甘味処と洋風パティスリーを併設して売上で競争するということで良いでしょうか?」
「はい、良いと思います」
「ええ、それで良いと思います」
というわけで、今年は和風甘味処VS洋風パティスリー対決に決まったようだ。
俺は当然洋菓子なわけだが、石倉は和菓子に参加するらしい。
「ふふふ、和菓子をなめてもらっては困るんだよな。
だいたい季節の贈答品に洋菓子を送りあう人間はあんまりいないだろ」
「確かに水ようかんとかのほうが多いよな。
でも、若い人には洋菓子のほうが人気があると思うぜ」
「ちちち、それがそうでもないんだよな。
まあ、確かにパティスリーのほうがおしゃれってイメージはあるけど、だからこそ入りづらいってやつもいるわけだ。
その点甘味処はそんな入りづらさとは無縁だぞ」
「むむ、そんなことはないと思うぞ」
「まあ、実際にやってみればわかるさ」
「まあたしかにな」
確かに和菓子は日本ではすっと昔からあったから洋菓子が一般的になった期間よりはずっと長く根付いてるのは確かだろうけど、ケーキなどの洋菓子だって十分浸透してるはずだ。




