季節は巡り、あの時と同じ桜の花びらが舞う
4月、始業式。
幼馴染みから、彼氏と彼女になった。
それは、ちょうど1年前の事。
「そう言えば、返事、貰ってないよな」
「へ?」
返事?そうだったかな~?――言ってない…かも…。
「生まれた時から、ずっと好きだから」
「わ、わたしもっ!」
「100年後も変わらない」
「~~~~~~っ!!!」
100年?!そ、それは、ちょっと凄いと言うか…、嬉しいと言うか…。
「でも、透!100年後なんて、わたし、生きてないよ!」
「俺は生きてるつもりだけど」
透は笑う。その微笑みは、何度見ても最上級の笑みだ。
「じゃあ、わたしも頑張って長生きするっ!!」
「世界で一番長生きな“――”になろう」
突然、春の風が強く吹き抜け、ピンクの花びらを舞い上げる。
……聞こえなかった。透、今なんて言ったの?
今は、分からなくてもいい。
それは100年後のお楽しみ。
「――帰ろうか?五十鈴」
「うん」
少し先を歩く、あいつ。
振り向いて左手を差し出している。
わたしの右手はその手を繋いで放さない。
そこに言葉は無くても、伝わる想いはある。
きっと、これからも、この先も、このままで――。
あいつとわたし。
END
最後まで、読んで頂きありがとうございます。
お気に入り登録や拍手、とても感謝しています。
以前、携帯HPにて公開していたものを
閉鎖に伴い、こちらにお引越しと言うことで
更新してきました。
日付を確認すると、最終輪は2007/4/11となっていて
そんな昔に書いたものなんだと。
とりあえず、作業完了と言う事で……END?




