93、⑧推理(文芸)「鎮魂探偵、伊武受雷」
犯人はっ!
不可解な難事件が起きた。
密室での社長令嬢の不可解な死。
ウェディングドレスを身に纏い、眠るように死んでいた・・・そうな。
私は亡き者の心の声が聞ける鎮魂探偵、伊武受雷だ。
いつの世もそうだと思うが、キラキラネームなんぞつけられると子は不憫だ。
そんなことはいい。
俺は両手を合わせ、何言わぬ彼女の額にそっと手をかざす。
「うん、よしっ!」
俺はダイブをし、生者と死者の会話をする。
こうして、声を聞き事件を解決するのだ。
・・・今回は。
「こんなんでましたけどっ!」
「おおっ、それで真犯人は」
いつも俺の事件解決にあやかり、出世を遂げている浜警部が早速尋ねる。
「いつも、まるっと真実ひとつ、事件は円満解決っ!警部の顔はホクホク」
「・・・その決め台詞どうにかならんかね」
(甘い蜜を吸う・・・お前が言うのかよ。まあいい署長になるまで言い続けてやる)
「事件は解決しました。真相はこうです・・・あたしぃ~まだ彼氏いないけど、お母様のウェディングドレス着てみようかしら・・・」
「その真似いる?」
俺は警部のツッコミを無視する。
「うふふ。メイドの芽唯に頼んで、着せてもらったわ・・・どれどれ鏡で・・・私っ、うつくす・・・!」
「・・・・・・で」
「彼女は自分の美貌に酔いしれてのショック死です」
「撤収っ!」
複雑怪奇な事件でちた。




