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89、④ローファンタジー(ファンタジー)「ボクの恋人は手乗り妖精」
手乗り妖精。
去年・・・ボクの恋人が死んだ。
次の日・・・ボクの目の前に、羽根の生えた手乗りの恋人が現れた。
ボクは気が触れ、錯乱したのかもしれない。
でも、いい。
どんな形であれ、二度と会えない彼女と再会したのだから・・・。
そんな事は、些細なことに過ぎない。
自分の頭でこしらえたものだとしても、こんなに嬉しい事はないのだから。
ボクと彼女はいつでも一緒。
胸ポッケに彼女を忍ばせ、学校へ。
授業をうわの空で聞きながら、ボクと彼女は見つめあう。
いつまでも・・・。
・・・いつまでも。
やがて、ボクは年をとり、その時を迎える。
ボクの顔の前で小さな彼女が泣いている。
そっか・・・。
これは現実・・・。
良かった。
ほんとうに。
・・・ありがとう。
ローファンって、こんな感じ?。




