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87、➁現実世界(恋愛)「愛してるって言ってよ」
なんだか。
「愛している」
「嘘っ」
「愛しているんだ」
「嘘ばっかり」
「本当に愛・・・」
「嘘、嘘、嘘っ!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
ヒロシお願い、もう一言だけ愛していると言って、そうしたら私は・・・。
「そうか、分った。信じてもらえないんだな」
(違うっ!)
「もう君を苦しめるのはよそう」
(違うの)
「でも、最後に一言だけ、ありがとう」
(愛している・・・後一言で101回になるの・・・ねぇ言って、言って欲しいの)
「じゃ」
「ゔゔゔ~」
思わず唸る私。
「何?」
「言って」
「何を?」
ヤバいヒロシがニヤリとしている。
あいつ、そういえばSっ気があったんだった。
「・・・・・・」
「だから、何て言って欲しいの?」
「・・・・・・」
「ねぇ」
「・・・」
「ねぇ」
「・・・」
「ねえって?」
彼の言葉と同時に、私は脳天に空手チョップをお見舞いした。
そう、私は女子プロレスラー、ジャッカル智代。
彼が目を覚ましたら「愛している」と言ってもらおう。
私は固く心に誓う。
でも・・・彼、目覚めるかしら?
恋愛というより(汗)。




