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交代

 妹と座敷童子に体をいいようにされた後、僕の体は元通りになった。

 どういう原理なのかは分からなかったが、感度が倍以上になったままバイトに行くわけにはいかない。

 だから、仕方なく僕は我慢した。

 あんなこと二度とごめんだ。

 僕がそんなことを考えていると、小さな事件が起きた。


「おい、姉ちゃん。俺の代わりにコーラ持ってきてくれよ」


「あ、あの……あちらにドリンクバーがございますので……その……ご自分で」


 その時、容姿がハイエナの男性客がウェイトレスにコップに入っていた水をかけた。


「俺は客だぞ? つべこべ言わず、とっとと持ってこいよ!」


 店内に嫌な空気が流れる。

 やめてくれ、今日はもう厄介事に巻き込まれたくないんだ。


「は、はい、分かりました」


「おい! 床に飛び散った水をなんとかする方が先だろ! ちゃんと仕事しろよ! 無能が!!」


 あー、もう、どうにでもなれ!


山羊やぎさん、ここは僕に任せてください。あとはなんとかしますから」


「え? でも……」


 僕が首を横に振ると、山羊やぎさんは厨房ちゅうぼうの方に向かった。


「おい! てめえ! 俺はあの姉ちゃんに用があるんだよ! とっとと呼び戻せ!」


「お客様はコーラをご所望でしたね」


 僕はここに来る前、ドリンクバーに行っていた。

 その時、コップの中にコーラを入れておいた。


「こちらでよろしいですか?」


「てめえが持ってきたもんなんか飲まねえよ! あの姉ちゃんを早く呼んでこいよ!」


 まあ、そうなるよな。


「私では物足りないですか?」


「当然だろ! というか、何ニヤニヤしてやがる! キモいんだよ!」


 よし、今だ。

 鬼姫きき、あとは任せたよ。

 はいはい、分かったわよ。

 鬼の力を使えないあんたの代わりに、あたしがそれでなんとかしてあげるわよ。

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