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遅すぎた救い
気付いた時には手遅れだった
貴女の身体も心も
すべてボロボロになってしまって
誰の助けも受け付けなかった
僕は許せなかった
どうしてこうなる前に止められなかったのだろう
どうして僕は逃がしてしまったのだろう
僕は門番だったのに
君のことを守らなければならなかったのに
僕にはもう
君を助けることも出来ないのだろうか
その時のことだった
僕の目の前に
一人の女性が現れたのだ
それはまるで女神のようで
それはまるで聖母のようで
僕は縋り付いて泣いた
ただその場に泣き崩れた
女神は受け入れてくれた
そして僕に力をくれた
それは誰かを救う力
一度だけ結末を変える力
僕はその力を使って君を助ける
女神よありがとう
これでやっと救うことが出来る
そして僕は
女神が僕に差し伸べてくれたように
君の手を握り締めながらこう言った
「君を助けに来たよ」




