18の目
部屋に戻るとセディーが私のベッドで寝ていた。
安心した顔で眠っているセディーを起こすの可愛そうだと思い寝かせといたまま今日の晩御飯を作る。
ポケットから出てきたルルはベッドの中に入り何やらもぞもぞしてる。
何をやってるのかなぁー?とか思いながらよく見るとルルがニョロとベルを連れて布団から出てきた。
3匹は布団から出るとルルのかご毛布へ移動。
ご満悦の様子だ。
ベッドの所にいたせいか、はたまたルル達が動いた為かは知らないが後ろから引っ張られ私もベッドへダイブした。
いつもより強く抱きしめられる。
こういう時は大体が不安になってる証拠で私が抱き締め返してやらないと泣きそうな顔になる。
「どうしたの?」
「……今日あの女にあった。ピンクの女。あいつ気持ち悪い。少しぶつかっただけの初対面なのにお詫びとか言ってご飯とか、手料理とか、意味わかんない事言う。それを無視したら今度は腕掴んできて。すごい気持ち悪かった。」
頭を胸の所でスリスリするからくすぐったい。
セディーは人から物をもらう、作ってもらう=毒が入ってる。ってのが小さい頃からの常識だった。
私が最初にりんごをあげた時も警戒して食べなかったが私が一口かじって渡すと安心して食べてた。
今では私からのプレゼントは素直に貰ってくれるが初対面の人に言われるのは怖かったのだろう。
「私がいるから大丈夫だよセディー。今度もし会ってしまっても何度でもこうして抱きしめてあげるから心配しないで。助けが欲しかったらすぐに助けてあげるから我慢だけはしちゃダメだよ!」
多分あのピンク頭と二度と会わないことはないだろう。あの女は必ずある一定の男子といたがる。
前の発言からしてもセディーにもう一度会いに来るだろう。
それが私のいる時なら私が言い返せるがセディーだけだった場合きついのは目に見えている。
だからセディーには甘えられる我慢しなくて良い相手が必要なんだ。それがセディーにとって私であるならとことん甘やかせるのは当然だろう。
もっと甘えてくれても良いぐらいだ。
いつの間にか再度寝てしまったセディーの吐息を胸に感じながら私も見えていない目を閉じた。




