第88話 朝活配信 その4
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
先斗町さきゅ ぽんこつ妹系サキュバス
【シチュエーション】
ずんだ家でDStarsメンバーの朝活配信を視聴中。
◇ ◇ ◇ ◇
さきゅ『きゃっ! ごめんなさい! 道に迷っちゃって……!』
『あれ? もしかして……お兄ちゃん?』
『うそ、同じ学校だったの!』
『わぁー! すごい! また会えるなんて!』
『ねぇ、さきゅのこと、覚えてる――?』
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コメント欄
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:ぐぅいい声
:たまらん
:っぱ、さきゅちゃんなんよ!
:おい! 教室なんだが!
:事務所なんだが!
:嫁と子供の前なんだが!
【スパチャ 5万円: もちろん、おぼえてるよ、さきゅちゃん】
【スパチャ 5万円: さきゅちゃんは、誰が本当のお兄ちゃんか分かる?】
【スパチャ 5万円: お兄ちゃんを名乗る不審者が多いからね】
【スパチャ 5万円: 兄ちゃんが炭を売って満額スパチャしてやるからな】
:炭○郎といい○相といい、今朝はジャンプネタが豊富なんよ
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さきゅ「どうだったかなー? 今日のさきゅドラマは?」
「みんな満足してくれたー?」
「私も久しぶりにお気にのシチュでドラマやれて満足!」
「それじゃ、今日もみんな元気に行ってらっしゃーい!」
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コメント欄
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:乙さきゅ
:さきゅちゃんのおかげで今日も頑張れる
:年下の幼馴染もええやん
:せやろ
:分かったか令和ボーイ、これが妹萌えやで
:マウントとるほどのことじゃないだろ
:さきゅちゃん芸達者で助かる
:けど、こういう古いノリ知ってるってことは……
:やめろ! Vの実年齢を考えるのは禁忌ぞ!
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◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「いやー、なかなか聞きごたえのある寸劇でしたね」
「さきゅ先輩、ほんとエンターテイナーですわ」
ずんだ「流行のASMRじゃないけれど」
「リスナーの要望に応えたいいラジオドラマだったわね」
「この手探り感! これぞ配信って感じよね……!」
ばにら「分かります!」
「リスナーと一緒に楽しもうって気持ちが伝わって!」
「流石はDStars1期生の清楚&良心ですよ……」
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補足 DStars1期生の清楚&良心
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曲者揃いのDStars1期生。
廃人ゲーマーオタ芸狐の生駒すず。
ぱんちゅ何色が挨拶代わり、大清楚(偽)祇園ちまき。
良心だが酒が入ると制御不能になる安芸もみじ。
どこへ行った当初の王道V路線、黒門だいあ。
そんな中で、「妹系サキュバス」という「エッ……」枠にもかかわらず、結果として清楚(真)と良心を担うことになった――天然VTuber先斗町さきゅ。
清楚は、やはり何をやっても清楚になるから清楚なのだ……!
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ばにら「まぁ、天然にはちょっと困る時もありますけど」
ずんだ「それよね」
「珍回答、謎イラスト、オチを置いてきぼりにした話」
「絡むのが怖い先輩ではあるのよね」
「それはそれで面白いからさらに困るんだけど」
ばにら「流石の天才サキュバス(サキュのあだ名)ですね」
「まぁ、美月さんも時々、そんな所ありますけど」
ずんだ「どんな時よ、まったく」
「私はいつだって完璧に、青葉ずんだというキャラを演じてるでしょ」
「我を失って制御不能になったりなんかしないわ……」
ばにら(3期生企画に乱入したこと完全に忘れてる……)
ずんだ「さきゅ先輩みたいな、天才のマネをしようとしても無駄」
「やっぱりこういうのは、地道に努力している人を参考にしなきゃ」
「という訳で――」
「見ますか。あひるの朝活配信を」
ばにら「DStarsいちの努力家ですものね、あひる先輩ってば」
ずんだ「そもそもあの娘ってば、前世で配信してなかったからね」
「素人からのVTuberだから、そりゃ苦労したわよ」
「それが――今はDStarsきってのトークの達人」
ばにら「私もあひる先輩との現場は楽です」
「ネタを向こうから振ってくれるし、こっちのネタも拾ってくれる」
「どこであんなトーク技術みにつけたんですかね」
ずんだ「朝活配信を見ればそんなの一目瞭然じゃない……」
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VTuberって、長くやればやるほど地が出てくるというか、キャラクター性に深みがでてくるというか――初期コンセプトを守るのって大変ですよね。
初期コンセプトからしてバグってる人とかもいますけど。(白目)
続いては二部でも大暴れしたあひるの朝活配信。あの活発娘に、学ぶ所などあるのだろうか――心当たりのある方は、ぜひぜひ応援&評価よろしくお願いいたします!




