第721話 コラボ禁止! 緊急対策会議! その3
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【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
網走ゆき Dstars零期生 よく炎上する
五十鈴えるふ DStars3期生 和風エルフ
種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV
高円寺ラム DStars4期生 悪くない陽キャ
【シチュエーション】
コラボを封じられたけれどもそれはそれ。
自分たちがいまできることをやるしかない。
あらためて、ゆきちに諭されたDStarsメンバーたち。
そんな中、ぺいぺい羊がやりたいことがあると言い出して……?
◇ ◇ ◇ ◇
ラ ム「あのね……こんなこと言っちゃうと怒られるかもだけど」
「ラムが本当にやりたいことは配信者じゃないんだ」
全 員「…………え?」
えるふ「ちょっとちょっとラムちゃん!」
「なにその話? 私、聞いてないけれど?」
「お世話役の私にも隠さなくちゃいけない話なの?」
ゆ き「ぺえぺえ。素直にゲロった度胸は認めてやる」
「しかしのう、VTuber大手事務所のDStarsに入りながら」
「本当にやりてえのはVTuberじゃねえってのは」
「ちょ~~~~っと、聞き捨てならねえなぁ!」
ずんだ「事と次第によっちゃあ、お白州の上にしょっぴかなくちゃならねえ」
「さあ、言ってみなぁ! ぺえの! おっぺえか! おっぺえが目的か!」
ばにら(なんでノリノリで取り調べを始めるバニか、この二人……)
(あ、けど、ラムちゃんがやりたいことって、もしかして)
ラ ム「私ね、本当は歌い手になりたかったの!」
「ううん……歌手になりたくって、この世界に飛び込んだの!」
「ほら、おこめちゃんとか、たるとちゃんとか!」
「VTuberなのに、歌手として活動している人もいっぱいいるよね!」
「私もそうなりたくって……DStarsのオーディションを受けたんだ!」
ゆ き「なっ、なにぃっ! おこめに憧れてだとぉッ!」
「お前、それは、やめておけ……」
「アイツは、はっきりいってサイ……」
スマホ【Prrrrr♪】
ゆ き「…………もしもし? なんだお? 今、大事な話中だお?」
「え、おこめちゃんのことをディスってる気配がした?」
「……………………なにをバカな(辺りを見回しつつ)」
全 員(怖ァ……おこめちゃん、怖ァ……!)
スマホ【ピポン♪(切断音)】
ゆ き「まあ、おこめちゃんのことはともかくとして」
「なるほどぺえの字! おめえ、歌い手志望だったのか?」
「とすると、やってみたいことっていうのは……!」
ラ ム「歌みたやってみたい!」
「歌いたい曲もだいたい目星をつけてる!」
「運営さんに許可もらって、さっそく挑戦してみる!」
ばにら「なるほど歌みた! それならたしかにコラボ関係なくやれる!」
「しかも、たしかラムちゃんはいくたんの仮歌を歌ってたバニ!」
「きっとすごいう歌みたができるバニよ!」
ラ ム「私、VTuberを頑張らなくちゃって」
「みんながやれることをやれるようにならなくちゃって」
「そう考えてた……」
「けど、違ったんだ! 本当にやらなくちゃいけないことは!」
「自分にしかできないこと! 自分がやりたいことなんだって!」
「今回の一件でしみじみ思ったの!」
えるふ「ラムちゃん……!」
「ごめんね、私が貴方の本当にやりたいことに気づいてれば」
「あんなカオスな配信をさせることもなかったのに……!」
ラ ム「あれはあれで楽しかったペイ!」
「えるふちゃんと、すずちゃんと、ともこちゃんと遊ぶのは!」
「素直に童心に戻れて面白いペイ! ペイペイ! もっとやりたいペイ!」
「さらにどさくさにまぎれて、みんなのペエを」
「みんな立派なものを持ってるぺ~イ!」
全 員「この羊、少しも懲りてねぇ……!」
ゆ き「ふむ、なんとふてぶてしい羊だ」
「しかし、その意気やよし! それくらいでよし!」
「VTuberはそれくらい神経ごんぶとでこそ!」
「高円寺ラム! 歌みたの都合はゆきがつけてやる!」
「ついでにおこめちゃんにも話を通してやるにぇ!」
「アイツもゆきの言うことなら、きっと聞くにぇ!」
「…………たぶん!」
全 員(絶対、聞かないと思うけどなぁ……!)
かりん(すごいな、ラム。ちゃんとやりたいことがあるんだ)
(かりんには、そんなのなにもない……)
(あ、けど。ひとつだけあった)
(私にもVTuberになってやりたいことが)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いつもふざけている陽キャ羊。しかし彼女にも、胸に秘めた思いがあった。
歌い手になりたい。自分の歌を多くの人に届けたい。そして元気づけたい。
こんなネタ事務所にやってくるにはもったいない羊である。
たるとちゃん、おこめちゃん、どうか彼女を導いてやってくれ――。
さて、そんな彼女に当てられる形で、自分のやりたいことを思い出したかりんちゃん。はたして、彼女がやりたいこととはなんなのか……。
やりたいこととやれることは違う。それは自分もだし先輩もだ。川崎ばにらが種子島かりんをサポートできることには限度がある。さあ、はたしてばにらちゃんは、かりんちゃんからの無茶ぶりにどう応えるのか。頑張れ先輩! ばにらを応援するよという方は――ぜひぜひ応援コメントなどよろしくお願いいたします。m(__)m




