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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第718話 トマト料理を食べに行こう その11

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【登場人物】

鏡      だいさんじ所属VTuber 社長系VTuber

御旗楯無   だいさんじ所属VTuber DKVTuber

大洗湊斗   だいさんじ所属VTuber 天然ホストVTuber

躑躅館咲   だいさんじ所属VTuber トマトが苦手

御城たてる  だいさんじのお疲れサラリーマン 良心の男性V

麦畑一二三  だいさんじ所属VTuber おかまのエルフ

桃山五両   だいさんじ所属VTuber おきつね遊び人


【シチュエーション】

躑躅館憎し……ということはないけれど、VTuberの中のVTuberは妥協というものはしない。同じグループのメンバーだからと言って、容赦なんてかけてはいけないのだ。ということでトマトジャムという奇手で躑躅館を追い詰める御旗。


やはりだいさんじを初期から支えた男だ、やることが違う。

はたして躑躅館はこれを食べることができるのか……!


◇ ◇ ◇ ◇



躑躅館「さあ、僕が作ったのはこちら!」


   「トマト嫌いでも食べられる、みんなが大好きな煮込み料理!」


   「ハヤシライスだぞ~~~~~~☆」



御 城「…………あれっ⁉ なんか思ってたのと違う⁉」


   「てっきり復讐に、めっちゃゲテモノ用意してくると思ってたのに⁉」


   「普通にしっかり作られたハヤシライスだ⁉」


桃 山「いい匂いがするッスねぇ~! これは絶対に美味しい奴!」


   「ハヤシライスって、けっこう手間のかかる料理ッスから!」


   「これは得点高いッスよぉ~!」



一二三「待て! みんな! 匂いに騙されるな!」


   「これは躑躅館が仕込んだ巧妙な罠だ!」


   「きっとなにか、とんでもないネタが仕組まれているに……」



???「あれ~? みなさんどうしたんですか~?」


   「こんなところでお料理なんかして~?」



全 員「お、お前は……八百比丘尼セレン!!!!」



―――――――

VTuber 八百比丘尼セレン

―――――――


だいさんじが誇る【真・清楚】VTuberである。

物腰柔らかでおしとやか、甘いボイスにちょっと天然ボケ。

まさに男の理想を描いたような女性キャラで男性人気ダントツ。

あのお頭をして――。


「本物と私を並べないでください! 浄化されてしまう!」


と、言わしめたほどの天然物の清楚である。

なお、本人は「普通にしてるだけだけどなぁ……?」と、清楚扱いが不服の模様。

一二三も「清楚清楚うるさい! そんなわけないだろ!」と否定的。


はたして彼女が清楚でないなら、いったい誰が清楚なのだろうか……ッ!


―――――――



セレン「あ、一二三さ~ん」


   「あっちでLLさんとドラちゃんが探してたよぉ~」


   「せっかくK介さんの畑にきたんだから~」


   「なんか植えて帰ろうよ~」



一二三「なんていうことだ、ここでセレンが登場だと……⁉」


   「これはいったいどういう運命の悪戯だ……⁉」


躑躅館「ちょうどよかったセレンさん!」


   「僕、ハヤシライスを作ったんですよ!」


   「せっかくだから食べていただけませんか?」


セレン「え~? いいんですかぁ~? やったぁ~!」


   「それじゃさっそく、いただきま~~~~す!」



   「ん~、おいし~~~~~い♥(スペシャルスマイル)」



御 城「セレンさんのこの反応! そしてこの笑顔!」


   「間違いない、これは普通のハヤシライス……ッ!」


桃 山「なんの仕込みもナシってことッスかね!」


   「じゃあこっちも、安心して食べることができるッスね!」


御 旗「なんだよ、ちょとくらいなんか仕込んでおけや!」


   「そうやってなにされても普通のことしかしないから」


   「メンバーからも舐められるんだよ!」


   「僕はね、君のそういうところが、本当に心配だよ!」


 鏡 「まあ、それが躑躅館さんのいいところでもあり」


   「悪いところでもあるということで」


   「もう時間もそんなにありませんし」


   「大人しくハヤシライスをいただいておきましょう」


大 洗「俺ね、こう見えてもカレーとか、ハヤシライスとか」


   「ご飯にかけて食べる系の料理、大好きなんですよね」


   「それじゃ、俺もさっそくいただきや~~~~す」



全 員「辛ッッッッ!!!!」


   「これ、ハヤシライスじゃねえッ!!!!」


   「カレーライスだッ!!!!」



一二三「そうか、忘れていた! 八百比丘尼セレンは辛いのが得意!」


   「彼女の舌は激辛に順応している――ッ!!!!」


セレン「いや~、ほどよい辛みがいいですねぇ~」


   「スパイスにはなにを入れたんですか~?」



躑躅館「ジョロキアとデスソースを少々……!(暗黒微笑)」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



やられたらやり返す! 躑躅館くんも聖人君子ではないのだ!

ということで、見事にリベンジを果たした彼でしたが……セレンさんが来てなかったらどうなっていたんでしょうね? 彼女の清楚に助けられた感はあります。


そしてまんまと騙されるアホな男ども……!

かわいい顔をした女の子の言うことが、すべて真実とは限りませんよ!

もっと疑いの目でいろんなものを見なければ……!


というところで、トマト料理を食べに行こう変はここにてお開き! 本編の方に戻ろうと思っておりますが、筆者の筆のノリが悪ければ、また番外編かもしれません! どうなるかは気分次第、ムラッ気の多い作者を許してくれる人のいい読者さんは――ついでに応援コメント・評価・フォローなどよろしくお願いいたします。m(__)m

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