第699話 横ッスカRadio その6
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【登場人物】
横須賀らむね DStars4期生 アメリカンネイビーガール
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
【シチュエーション】
ついにDStars運営動く。Bちゃんの機転でらむねの初配信は中断された。
かに思えたのだが――配信サイトはなにもY○uTubeだけではない。
歴戦の個人配信者に隙など微塵もないのだった……!
◇ ◇ ◇ ◇
らむね「いやぁ~危ない危ない!」
「Bちゃんってば、容赦なくチャンネルを止めにかかりましたネ~!」
「DStarsも大手事務所だけあって、交渉がお上手デ~ス!」
「けど、こちらの運営にはどれだけ顔が利きますかねぇ~?」
「あらためままして……オッハヨーゴジャイマース!!!!」
―――――――
コメント
―――――――
:ここまで予想して、Mild○mに垢作ってたのか
:Twi○chにもアカウントあるのいま確認した
:用意周到すぎるだろ
:これ想定して動いていたのかよ……!
:賢い通り越してもう狡猾だろこんなのさぁ……!
:これが横須賀らむねクオリティ! それでこそMAKI!
:配信慣れしてるってレベルじゃねえぞ!
:ぶっちゃけ、大丈夫なのこれ?
:↑やばいかもしんない
:↑せっかく大手事務所に入ったんだから、大人しくしようよ
:↑このままじゃ、運営に目をつけられちゃうよ?
:↑なにがそこまでらむねちゃんをさせるのか……?
―――――――
らむね「ん~~~~? どうやらみなさん不服のご様子ですネ~?」
「まあ、たしかにたしかにSAYINGわかります!」
「こんなことしてたら、運営さんに嫌われちゃいますね」
「BADB○Y! BADGI○L! ダメダメデ~ス!」
「けどね、私は配信者の未来を見ています」
「これから個人配信者は! VTuberは!」
「もっとも~っと大きな存在になっていく!」
「個人が全世界に対して、自分の意見を主張できる」
「社会に対して問題を提起できる」
「VTuberはそんな可能性を秘めた職業なんです……!」
「だからなにかに縛られるなんてナンセンス!」
「私は、私の、望むままの、VTuberを貫く!」
「そうみなさんにプロミスしま~~~~す!」
―――――――
コメント
―――――――
:いやいや、そんな、絶対に大変だって……!
:いかにもアメリカンな考え方だな! 気に入った!
:↑ウチに来てゲーム○ーイしていいぞ!
:フロンティア精神!
:そこまでVTuberに夢を見れるのも才能だよな……!
:どうなんだろう、そんな時代が本当に来るのかな?
:↑来るさ! きっと!
:らむねちゃんを信じて着いて行くぜ!
:彼女ならもしかしたらできるかもしれない……!
―――――――
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「いやいやいやいや、待って待って待って待って!」
「みんな、なにをそんな本気になってるの!」
「やってるのはルール違反もルール違反!」
「運営さんに反旗を翻してるんだよこれ!」
「こんなの褒めちゃダメだよ!」
「らむねちゃん! 私たちは企業所属のVTuberなんだから!」
「ちゃんと会社のルールを守らないと……!」
ずんだ「いや、さんざん私たちも破った後じゃない」
「四期生のデビュー配信の抜け穴を突きまくって」
「それで偉そうに『ルールを守れ』なんて、言えると思ってるの?」
ばにら「それは……!」
「ていうか、まさかそれを狙ってオーラスに⁉」
ずんだ「この様子だとあながち否定できないわね……」
「用意周到な初配信準備」
「挑発的なキャラクター」
「驚くほどのロケットスタート」
「そして、圧倒的なコンテンツ」
「こいつ、間違いなく取りに来ている」
「四期生トップだけじゃない、DStarsトップの座まで狙ってるわ」
かりん「え、そんな……?」
「なにかの間違いだよ! らむちはそんな子じゃないって!」
「短い付き合いだけど、悪い子じゃないって……かりん知ってるもん!」
ずんだ「けど、現実として、彼女はDStars運営に喧嘩を仕掛けたわ」
「身内だからって笑って済ませられない、大きな喧嘩をね……!」
◇ ◇ ◇ ◇
らむね「さあ、ということで、配信するサイトも変わったことだし」
「ちょっとまた箸休め的な録画番組を挟みましょうかネ~!」
「ということで、今度のコンテンツはこちら」
うさぎ『出雲うさぎの、大学英語講座ぁ~~~~~~♪』
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
横須賀らむね、完全に運営に対して喧嘩を売り始める。
いや、まあ、ロケットスタートを決めようとしただけなのですが。
キャラ的にこういうロックな子は、やっぱりいろいろ難しいですよね。
きっと理想に燃えているからこそ、そうしちゃうんでしょうけれど……。
けど、理想に燃えるだけではなにも成せない。
いろんな人を味方につけることができる、カリスマがあるから成立する芸。
彼女のひたむきさや、本気が伝わってくるからこそ、きっと周りも協力してくれる。
強いからこそ言えるのではない、言うからこそ強いのだ。
そういう強さってやっぱり憧れるものがありますよね。
僕も彼女のように強くなりたいものです。
さあ、ついに運営に面と向かって挑戦状を叩きつけた横須賀らむね! 彼女はこのままVTuberのトップに躍り出てしまうのか! その頂で待っているのは、この配信を見て大慌てしている陰キャうさぎだぞ! 予想外の所から繰り出された刺客に、ちょっと驚いてしまった読者の方は――ぜひぜひ、応援・評価・フォローよろしくお願いいたします。m(__)m




