第676話 ずんばに同棲生活0日目 その5
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【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
Bちゃん DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当
社長 DStarsの社長 ときどき無茶ぶりするが敏腕
麦畑一二三 だいさんじ所属VTuber おかまのエルフ
【シチュエーション】
なんだか周囲の人々に猛烈にお祝いを受けるずんばに。
まんざらでもない様子だが問題はこれから。
二人は本当に同棲をやっていけるのか……?
◇ ◇ ◇ ◇
ずんだ「とりあえず、今日からばにらはうちで預かります」
「いままでありがとうございました、社長、Bちゃん」
ばにら「一二三さんは、ぶっちゃけそんなにお世話になってないから」
「お礼は大丈夫バニな」
一二三「ひどい! こんなに心配してたのに!」
「心配して、事務所も越えて駆けつけたっていうのに!」
「もう、ばにらママに言いつけちゃうんだから!」
ばにら「まじでそれは勘弁してくれですバニ」
ずんだ「あ、そっか。お義母さんにもご連絡しないと」
ばにら「ちょっとちょっとちょっと! まだ同棲バニですよね!」
「気が早くないですかずんだ先輩!」
「まあ、悪い気はしないですけれど……(///)」
Bちゃ「ヒューヒューッ! この、見せつけやがってーッ!」
社 長「百合営業じゃなかったのか? なにガチ百合見せつけてんだ!」
一二三「私も入れてよー!」
ばにら「冷やかさないでくださいよ、もうッ!」
「あぁけど、たしかにお母さんには連絡した方が」
「いいかもしれないなぁ」
「せっかくこっちにまだいるみたいだし」
「それに…………」
ずんだ「どうしたのばにらちゃん?」
ばにら(滅びの宝剣ラグナロックについて)
(お母さんはなにか知っているかもしれない)
(ずんさんのためにもアレを任されるようにならないと……!)
(うん、やっぱりお母さんと会おう)
(からかわれるのは分かっているけれど)
(それでも、これは私たちの未来に必要なことだわ)
ずんだ「ちょっと、なにを一人で深刻な顔をしているのよ」
ばにら「あ、すみません」
「ちょっと考え事をしていました」
ずんだ「へぇ、私に打ち明けられない悩みがあるってわけ」
「同棲するって決まっても、まだ打ち明けられないような……(圧)」
ばにら「そ、そんなこと言ってないバニですじゃん!」
「もう、ずんさんてばからかわないでくださいよぉ~!」
ずんだ「…………まぁ、なに考えてるのか知らないけれど」
「そんな隠し事、同棲したからにはもうできないんだからね」
「陰キャバニーの悩み事なんて、この私がすぐに解決してやるわ」
「私と同棲したこと、後悔と共に感謝させてみせるわ!」
ばにら「あは、あははは……お手柔らかに頼むバニ」
ずんだ「さて、それじゃさっそく帰りましょうか」
「楽しくも愉快な我が家に…………」
ばにら「あ、けど、配信機材とかは事務所の方が整ってるので」
「しばらくはこっちで配信とかのお仕事はしますね」
ずんだ「ファーーーーーーッ⁉」
「ちょっ、ちょっ、ちょっと待つでなばにらちゃん⁉」
「うちにも配信機材はあるでしょうよ⁉」
「なんで⁉ うちで配信すればいいじゃない⁉」
「わざわざ事務所に来て配信する意味あります⁉」
ばにら「いや、だから配信機材こっちの方がしっかりしてるから」
「あと、コラボでもないのにずんさんの声とか拾っちゃったら」
「リスナーさんに同棲してるってバレちゃうから(正論パンチ)」
ずんだ「ぎゅふぅッ……! そ、それはそうだけれどもぉ……ッ!」
ばにら「防音設備がしっかり整って、お互いの配信に干渉しない」
「そういう環境ができあがってから、本格的にずんさんの家で」
「配信はするバニよ!」
「VTuberにはリスクマネジメントが大事!」
「ばに~らも、ずんさんに指導されて、少しは危機感を持つように」
「なったってことバニね! バニバニバニ!」
ずんだ「そ、そう、バニね」
「け、けどね、ばにらちゃん?」
「せっかく同棲したばっかりなんだし、二人の時間を……!」
ばにら「これからはずんだ先輩を養うつもりで」
「じゃんじゃんバリバリ仕事をとっていくバニよ!」
「社長、Bちゃん、よろしくバニ!!!!」
社 長「おっと、これは……!」
Bちゃ「なんともばにらさんらしいというか……!」
一二三「VTuberは空気を読まないもの」
「空気を操ってこそってことよねぇ……!」
ずんだ「ちくしょう! こんなことならVTuberなんて……!」
「VTuberなんてなるんじゃなかったでなぁ!!!!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
同棲したのに実質別居な件について。(ほろり)
結婚にしてもそうですけど、せっかく一緒の家に棲むのだから、一緒の時間が多いに越したことはないですよね。なまじ好き合って一緒にいることを選んだのですから。
しかし、この幸運うさぎ、まったくそういう機微など理解していないのである。
哀れずんだ、こんな天然女に惚れたのが運の尽き。
これからもこんな感じで振り回されるのでしょうね。
さてさて、これにて二人の同棲路線は確固たるものになったわけでございますが、相手が鈍感バニーだとこうもうまく話が回らないか。ずんだの今後の苦労が忍ばれます。そんな彼女に、ちょっと同情してしまったという読者の方は――応援・評価・フォローポチーッとよろしくお願いいたします。m(__)m




