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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第667話 四阿遍史郎のささやかな誠意 その3

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【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

高峯 愛   女探偵 できる女の匂いがするが……?

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber



【シチュエーション】

再び、ばにらの前に姿を現した高峯愛。

どうやらまた四阿に頼まれ事をされているみたいだが……?


◇ ◇ ◇ ◇



高 峯「美月さん! いらしたんですか!」


   「まいったな、これは想定外なことになったぞ……!」



ずんだ「なにが想定外よ、わざわざ事務所の中に乗り込んでおいて」


   「なんだか花楓の様子が最近おかしいと思ってみれば」


   「アンタ達が裏で暗躍してたってワケね……!」


ばにら「美月さん! まさか気がついていたなんて!」


ずんだ「なにを吹き込んだのか分からないけれどね!」


   「この子は純粋なの! 言われたことを全部信じるんだから!」



   「あんなどぐされ《《パピィ》》なんかに会わせないでくれる!!!!」



ばにら(…………パピィ?)



高 峯「そんな! それはいくらなんでも言い過ぎではないですか!」


   「四阿さんだって、あのような立場になければこのようなことは!」


ずんだ「立場立場って、そんなに歌舞伎の名跡が大事なのかしら!」


   「そういう古臭いのが嫌で、しきたりに邪魔されて」


   「アメリカまで逃げて行ったくせに……」



   「《《パパ》》のそういうダブルスタンダードなところが」


   「私はどうしても気に食わないの!!!!」



ばにら(…………パパ?)



高 峯「大人になってください、美月さん!」


   「時には自分の身を切るようなことも」


   「大人には必要なんですよ!」


ずんだ「なにが大人よ! 大人になりきれなかった子供のくせに!」


   「いつまでもいつまでも、くだらないことばっかり執着して!」


   「なのに、お母さんのことは放ったらかしにして……!」



   「《《ダディ》》なんて大っ嫌い! 顔も見たくないわ!」



ばにら(ダ、ダディ……⁉)



   (なんでバニかね⁉ 罵られているはずなのに⁉)


   (妙にずんさんの四阿さん像がへにょへにょしていくのは⁉)



高 峯「ばにらさん、今ちょっと美月さんのイメージが崩れたでしょう」


   「なんでこの人、嫌いなはずの四阿さんを、そんな親しげに呼ぶんだ……?」


   「って、きっと思いましたね?」



ばにら「あ、はい。思いましたバニです」


   「実際、なにがあったんですかね、これ? どういうことバニなんですか?」


ずんだ「説明しよう! 青葉ずんだは四阿遍史郎がアメリカにいたころ!」


   「彼にくっついて渡米していた時期があるのだ!」


   「そう、幼い頃についてしまった習性が抜けきらない……ッ!」



   「お父さんは、パピィ、パパ、ダディ!」


   「お母さんは、マミィ、ママ、マム!」


   「ついそう呼んでしまう癖があるのだ!」



ばにら「な、なんだって、バニぃいいいいいッ⁉」



高 峯「そういうことなんですよ」


   「だから、ばにらさんの前で美月さんは」


   「家族の話を避けていたんですよ」



ばにら「けどちょっと待ってください!」


   「美月さんはたしか、留守がちだった両親に変わって」


   「仙台でお団子屋さんやってるお婆ちゃんに育てられたって……!」



ずんだ「それも事実!」


   「パピィとマミィが、とある理由で日本に帰ってきてから」


   「ずんだはばっちゃの家に預けられることになったんよ」



   「おかげで、英語と東北訛りが混ざってえらいこっちゃだでな!!!!」



ばにら「いやそれ、東北訛りなんですか?」


   「なんかどこでも聞いたことがない訛りのような?」


   「すくなくともぽめら先輩とは違いますよね?」



ずんだ「ぽめぽめのは秋田訛りだからまた違うべや」



ばにら「とってつけたように語尾を変えるじゃないですか!!!!」


   「シリアスなのかボケなのかどっちかにしてくださいよ!!!!」



ずんだ「ほら見なさい! こんなしょうもない小ネタひとつで大騒ぎよ!」


   「あんなパピィに引き合わせたら、どんなことになっちゃうか!」


   「とにかく、今後は絶対に近づかないようにしてよね!」



   「花楓も街で見かけても近づかないのよ!」


   「アイツは本当の本当にろくでなしなんだから……!」



ばにら「なんか思ってた嫌ってるのベクトルと違う……」


高 峯「遅れてきた反抗期って感じですよねw」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



ずんさんと四阿遍史郎の数奇なる因縁。

親子でありながら反目し合う二人に気を揉んでいたばにら。

なぜ、自分も迫害された側だというのに、娘に対して同じようなことをするのか。

そしてそんな父から逃れるように生きているのか……。


ぶっちぎりにシリアスな入りだった割りには呼び方で台無しな件について。

さては言うほどこれ仲が悪くないんじゃないか?

いやけど、四阿さんはなんか悪い人っぽかったしなぁ……?


さて、それはそれとしてちっともシリアスの謎は解けていない件について。ずんさんのお母さんが行方不明とはこれいかに。もしかして、滅びの宝剣ラグナロックとかと、なにか関係があるのかしら? シリアスもシリアスのどシリアスに突入する前にここはいったん箸休め。怒濤の展開がこれから待っているやも知れぬ――と、戦々恐々とされている読者の方々は、安心してください、そんなことにはなりませんので、ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m

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