第652話 かりんちゃん初配信、反省会会場 その1
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【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
【シチュエーション】
さっそくの反省会。かりんちゃんをどうすれば人気者にできたのか。
ばにら、かりん、そしてずんさん(会場主)で話し合いの巻き。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「ということで」
「第一回、かりんちゃん初配信、反省会をはじめます」
「いったいなにがダメだったんでしょうか……?」
かりん「かりんがいけなかったんだよ、ばにらちゃん」
「先輩たちがこんなに一生懸命」
「いろいろ考えてくれていたっていうのに」
「それをだいなしにしちゃったから……!」
「罠だと分かっていても、進まなくちゃいけない時がある!」
「VTuberは撮れ高から逃げちゃいけないんだよね!」
ばにら「いや、逃げてくれた方がこっちとしては嬉しいバニなんですけれども」
「なんだったら、そっちの方をリスナーは望んでいるんですけれども」
かりん「VTuberむずかしいよ。ぴえん」
ずんだ「客観的にかりんちゃんのチャンネル登録者数の伸びを見ると」
「そんなに悪い配信じゃなかった思うわ」
「もうすでに銀盾――10万人が見えてるんだもの」
「新人VTuberの初配信としては高得点なんじゃないかしら」
ばにら「そうそう! かりんちゃんはなにも悪くない!」
「ちゃんと頑張ってたから、そこは胸を張って!」
かりん「……ばにらちゃん! ずんだ先輩!」
ばにら「ダメだったのは、台本通りに話を回せなかったばにら」
ずんだ「そして、その台本を知らずにぶち壊してしまった」
「空気の読めない私よ…………」
「ほんと、ごめんね二人とも」
二 人「(どんより)」
かりん「そんな! なんで二人が落ち込んじゃうの!」
「二人はかりんのことを思ってやってくれたんでしょ!」
「だったら、かりんには感謝しかないよ!」
ばにら「かりんちゃん、ほんまにええこや」
ずんだ「えぇ、私のような汚れた心のVTuberには」
「眩しすぎて正視することができないわ……」
「絶対に吸血鬼じゃなくて天使ね、これ」
かりん「おおげさだって、二人とも!(///)」
「もうっ、かりんのことそんな風にからかわないで!(///)」
「はずかしいぢゃん……!(///)」
ばにら(ちくしょう、かわいいかよ)
ずんだ(ちくしょう、かわいいかよ)
りんご「やれやれ、まだまだだねかりんたや」
「そんな風に自分のかわいいを安売りするだなんて」
「その調子じゃあっという間に」
「DStarsのかわいい枠に収まっちまうぜ」
ばにら「出たな、妖怪いつのまにかいるネッコ!!!!」
りんご「りんご? 今日は貴方のこと呼んでないんだけれど?」
「話し合いの邪魔をするつもりなら帰ってくれる?」
りんご「つれないこと言うなよ、ばにらちゃん、ずんさん」
「僕も《《妹》》の配信に責任を感じてるのさ……」
ばにら「妹?」
ずんだ「妹って、いったいどういうことよ?」
「え? たしか、アンタ、一人娘だって……!」
りんご「もちろん、かりんたやのことに決まっているさ」
「なあ、かりんたや! さあ、りんごお姉ちゃんって言ってごらん!」
ばにら「え……そ、そんなッ⁉」
ずんだ「まさか、かりんちゃんがりんごの妹⁉」
かりん「え、知らない……なんの話?」
「急に姉とかちょっと怖いんだけれど……?」
二 人「ちがうんじゃねーか!!!!」
りんご「なにを言っているんだかりんたや! 忘れたのかかりんたや!」
「二人で一緒に、スーパーマリ○ブラザーズで遊んだだろう!」
「僕がマリ○で、かりんたやがルイー○!」
「あの頃の記憶を、思い出すんだかりんたや!」
かりん「いや、本当に誰?」
りんご「バカな! どういうことだ!」
「たしかに僕は、かりんたやのお姉ちゃんなのに!」
「じゃあ、この存在しない記憶はいったい……!」
二 人「な~んだ、いつもの発作かw」
かりん「いつもなのこれ⁉」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
いつもなんですこれ。(げっそり)
登場人物一覧にいなくても、唐突に現れては場を引っかき回すネッコ。
もうみなさんも、この展開にも慣れてきたころかもしれませんね。
隙を見せるとすぐに誰かのお姉ちゃんになろうとしてしまう。
困ったVTuber――津軽りんごさん。
これは愛想をつかされて当然では?
退け、僕はお姉ちゃんだぞ! かわいいVTuberを見ると、お姉ちゃんにならずにはいられない、とてつもない業を背負ってしまったネッコ――津軽りんご! さらに、ばにらちゃんにはそれ以上の重たい感情を抱いているわけで……こんな特級呪物を抱えて、はたしこの百合ストーリーは今後も大丈夫なのか! なあに、これくらい頭のネジが飛んだ百合の方が、ちょうどいいという百合猛者の読者がいらっしゃいましたら、ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m
ちなみに、筆者はそろそろりんごさんのキャラを、元のシリアス路線に戻してあげないと、かわいそうかなとか思ってます!(ごめんよ、りんごさん。だって貴方、便利すぎるんだもの……ッ!)




