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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第626話 通りすがりの配信者 その7

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【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

横須賀らむね DStars4期生 アメリカンネイビーガール

高峯 愛   女探偵 できる女の匂いがするが……?


【シチュエーション】

謎の女バイカーとのチェイスを繰り広げるばにらと愛。

しかし、バイカーの正体は四期生の横須賀らむねであった。


◇ ◇ ◇ ◇


一二三「とにかく、そういうことだから」


   「Mr.天狗が許可しない限り」


   「滅びの宝剣ラグナロックには触れられない」


   「どうしても欲しいというのなら」


   「彼に『本当の意味で信頼されること』ね」



   「きっとばにらちゃんなら」


   「彼もそれを渡してくれると思うわ」



ばにら「………………」



   「いや、なんで私なんですか?(困惑)」


   「欲しがってるのはらむねちゃんですよね」



らむね「そうです!」


   「なんで私はダメで、ばにらパイセンはOKなんですか!」


   「副団長の娘だからって、えこひいきはNOデ~~ス!」



一二三「副団長の娘というよりも……」


天 狗「おっと! そこまでにしてもらおうかゲンガン!」



全 員「天狗! 生きとったんか、ワレぇ!」



天 狗「Mr.歌舞伎との戦いは死闘であった」


   「しかし、そこは私も音に聞こえしMr.天狗よ」


   「奴のバーニング連獅子を弱パンチで相殺したところで」


   「コナ○コマンドをキメてくれたわ……!」


ばにら「もう、オメーはいったいなんのキャラなんだよ」


 愛 「無事でよかったです、Mr.天狗」


   「しかし、四阿一門に目をつけられたら最後」


   「地獄の果てまで追いかけられます」



   「可及的速やかに、姿を隠されるのがよろしいかと」



ばにら「そうバニよ、天狗!」


   「まだお母さんは東京にいるだろうから」


   「今から匿ってもらえないか交渉するバニ!」


   「流石に元ギルドメンバーを無碍にはしないバニよ!」



天 狗「いや、流石に麗蘭れいらさん(ばにらの母)に」


   「これ以上の迷惑と心配はおかけできない」



   「大丈夫だ! 高尾の山は天狗のテリトリー!」


   「あそこに逃げ込めば、四阿の連中もそうそう手出しはできない!」



 愛 「なるほど高尾山ですね、お伝えしておきます」



天 狗「ちょっと待ってくれたまえ!」


   「流石にそこは聞かなかったフリをしてくれないと!」


 愛 「生憎と私もお仕事でございますので」


   「それと、天狗さんにはなんの義理もございませんから」


ばにら(そうだった、愛さんは今回は私につき合ってくれてるけど)


   (本当は四阿さん側の人間だったんだ……!)



   (天狗さん、本当に大丈夫かな?)


   (あれ、けど…………?)



らむね「ヘイ! Mr.天狗!」


   「ここで会ったがサウザンドイヤーデス!」


   「さっきの私たちの話、その様子だと聞いていたでしょう?」



   「だったら、さっさとラグナロックを渡してくださぁ~い!」



天 狗「断る!!!!(圧)」



全 員「!!!!」



天 狗「滅びの宝剣ラグナロックは」


   「仮想世界の均衡を壊してしまうものだ」


   「バーチャルな世界とはいえ、そこにたしかに人はいるんだ」


   「その営みを、その平和を、脅かすようなものを」


   「私は信頼できない人に渡すつもりはない!」



   「たとえそれが、ばにらちゃんでも……!」



ばにら「…………あッ!」



らむね「むむむむむ、これは手強いことになりました!」


   「流石は天狗! さす天! 一筋縄じゃいかなそうデース!」



   「けど、絶対に私がラグナロックは手に入れてみせます」


   「そして事件の真相に、リーチしてみせますからネ!」



天 狗「ふふふ! 威勢のいいガールだ!」


   「気に入った! チャンネル登録してやる!」


一二三「銃なんか捨ててかかって来い! ベ○ット!」


躑躅館「やろう、ぶっ○してやる!!!!」


 鏡 「あぁっ! それは私が言いたかった! ずるい躑躅館さん!」


御 旗「こいつって、本当にこういうところが抜け目ないよね」


大 洗「本当になぁ~」


らむね「わかりました、ここはチャンネル登録者数+1で手を打ちます」


   「けれども忘れないでくださいね……」



   「誰もがあの事件を忘れることで」


   「前に進めるわけじゃないってことを!」



天 狗「…………あぁ!」


   「それはもとより承知している!」


一二三「私たちも、それは覚悟の上でやってるわ」


   「それでも挑んでくるというのなら」


   「こっちも正面から挑ませていただくわよ……!」



ばにら「らむねちゃん、やっぱり貴方、事件の関係者じゃ……?」


らむね「ナンのことですかねぇ~!」


   「私はただ、真実が知りたいだけの」


   「ただのスモールシチズンですYO!」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



本当に関係ないのからむねちゃん。

なんだかとてもそんなふうには思えない口ぶりだけれども。

そして、やっぱり渡す気がないんだな天狗。

なぜそこまで頑なにラグナロックを渡さないのか。

それはそれでお前、しんどいんじゃないのか……!


想像以上に頑固というか芯のあるところが垣間見える回でしたね。

普段はあんなにちゃらんぽらんだというのに。ばにらのことといいラグナロックのことといい、天狗の責任感はいったいどこから来るのやら。


もっとふわっと生きればいいじゃ~ん!(そんなこたーない)


というわけで、そろそろ壮大な寄り道はおしまい。いよいよ、かりんちゃんの初配信へと話は進み出します。とはいえ、結構なイベントをぶち込まれてしまったばにら。彼女のメンタルは、はたして初コラボまでに整うのか。大丈夫か、これからはじまるのは……大惨事マイク○大戦だぞ! そんなわけで、かりんちゃんのデビュー配信が気になるという方は――ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m

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