第625話 通りすがりの配信者 その6
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【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
横須賀らむね DStars4期生 アメリカンネイビーガール
高峯 愛 女探偵 できる女の匂いがするが……?
【シチュエーション】
謎の女バイカーとのチェイスを繰り広げるばにらと愛。
しかし、バイカーの正体は四期生の横須賀らむねであった。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「そんな、悲惨な事件を追っていたなんて……!」
「らむねちゃん! そういうのは警察にまかせた方がいいですよ!」
「私ら一般人の手には、とてもじゃないけど負えない話だよ!」
らむね「教団の中には、日本政府の高官や、政治団体の家族」
「いろいろな人が含まれていました」
「犯人を捕まえただけでミッションはコンプリート」
「あとは藪蛇《バッシュ&スネーク》って奴ですね」
愛 「実際、あまりに多くの人が関わりすぎた事件です」
「警察としても手の入れ方が分からないんですよ」
「この事件は多くの謎を抱えたまま」
「犯人の逮捕と、獄中自殺という結末に終わりました」
ばにら「ちょっと待って⁉ 教祖は自殺してるの⁉」
「だったら、それこそ事件の真相は闇の中じゃん⁉」
らむね「だからこそのラグナロックなんですよ!」
「このユニークアイテムを作ったのは」
「十中八九、教祖――犯人だと思われています」
「だとしたら……!」
愛 「バランスブレイカーな性能は」
「そのアイテムが誰かの手に渡るのを恐れてのこと」
「そして、ゲームを無茶苦茶にするのは」
「ありとあらゆる制限を回避する」
「チートコードを内包しているから……!」
「滅びの宝剣ラグナロックの正体は」
「ゲーム内の情報を閲覧するためのパスワード」
らむね「あの事件の真実にタッチするためには!」
「あの日、あの時、エニシングがあったのか!」
「はっきりさせるためには!」
「ラグナロックをキャッチミーする必要があるんです!」
ばにら「…………けど」
「なんでそんなアイテムを、天狗やお母さんたちが持ってるの?」
「しかも周りにその存在を隠しているだなんて」
「そんなのおかしいよ」
「すぐに警察に相談するべきなのに……!!!!」
一二三「ばにらちゃん、そう簡単な話じゃないのよ、このお話しは」
三 人「うわぁっ⁉ いきなり横から入り込んでこないでくださいよ!」
「びっくりしたなぁもう!」
一二三「だって仕方ないじゃない!」
「大事な副団長の娘さんが、ヤバい話に首を突っ込もうとしてるんだもの!」
「そんなの見ちゃったら、止めに出しゃばるのがオカマ心ってものよ!」
鏡 「一二三さん、貴方って人は……!(ほろり)」
御 旗「なんか大変そうっすね。よく分かんないですけれど」
大 洗「立ち聞きとはいえ、ヤベー話を聞いちまったぜ」
「安心してくれ! 同じVTuberとして力になるぜ!」
「たぶん! きっと! 少しくらいは!」
躑躅館「頼りがいのない返事だなぁ!!!!」
「湊斗の兄貴はともかく」
「なんだか本当に大変な話になりましたね……」
「聖十字護竜騎士団が、滅びの宝剣ラグナロックを持っている」
「本当なんですか一二三さん?」
全 員「聞いちゃったよ、この人! 一番、聞いちゃダメな奴じゃない!」
「ほんと、なんでそういうことを平気でできるかなぁ!」
一二三「持ってるわよぉ~! Mr.天狗がどこかに隠してるけど!」
全 員「で、こっちも答えちゃったよ!」
「いいの⁉ そんな簡単に持ってることをばらしちゃってさぁ!」
一二三「ここまで迫られたら、もうあとは時間の問題よ」
「だったら、こっちからアプローチしちゃった方がいいわ」
「けどね、これだけは覚えておいて……」
「聖十字護竜騎士団は」
「滅びの宝剣ラグナロックが」
「悪人に渡らないようにするために活動している面があるわ」
「ギルマスである、Mr.天狗がそれを誰かに託すことは」
「よほどその相手を信頼していない限り」
「ないと思ってくれて構わない……」
ばにら「Mr.天狗…………!」
「あんなちゃらんぽらんなように見えて」
「意外にちゃんと考えているんだなぁ」
愛 「救われておいてそういうこと言っちゃいます?」
「まあ、ちゃらんぽらんなのは認めますけれど」
「もうちょっと普段からシャンとして欲しいですよね」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
天狗しっかりしなさい!!!!(昔の名作アニメのノリで)
完全に悪ふざけしているギルドと思わせて、実は世界の平和というか、危うい均衡を保っていた聖十字護竜騎士団。守っていたのは、竜ではなく宝剣だったとは。そこも含めてフェイクということだったのかもしれないですね。
そして、スキャンダルな情報を含むからこそ、下手な人の手に渡ってはいけない。
滅びの宝剣ラグナロック。実際、もしそれが、ゲームのチートコードを持った、ゲームのプロテクトをすべて破壊するアイテムだとしたら、それでゲーム内でなにが起こったのか、迫ることができるかもしれない。
かつてネットの世界で起きた大厄災。
その真相とはなんなのか。
そして、それに関わる物品を、天狗はなぜ守っているのか。
なぞはいよいよ深まるばかり! 四阿さんもだけれど、天狗もなんだかきな臭くなってきたぞ! そんなわけで、天狗のプロフィールがもっと気になるという方は――ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m




