第623話 通りすがりの配信者 その4
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【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
横須賀らむね DStars4期生 アメリカンネイビーガール
高峯 愛 女探偵 できる女の匂いがするが……?
【シチュエーション】
謎の女バイカーとのチェイスを繰り広げるばにらと愛。
しかし、バイカーの正体は四期生の横須賀らむねであった。
◇ ◇ ◇ ◇
一二三「みんな、ちゃんとカレーは食べたね、えらいぞ~!」
「好き嫌いせずに食べて、健やかに、のびのびと、育つんだぞ!」
御 旗「いや、カレーが嫌いな男の子はいないでしょw」
鏡 「どんなに辛くてもカレーなら食べられますからねぇ」
躑躅館「まあ、なんだかんだで食べちゃうよね」
大 洗「え? マジ?」
「俺、甘口以外はちょっと無理なんだけれど……?」
全 員「舌がお子ちゃま!!!!」
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「うーん、まさかお母さん絡みの話だったとは」
「これは私も聞かないわけにはいかないというか」
「けど、そんなたいそうなことやってたんです?」
「たかがオンラインゲームのギルドでしょう?」
らむね「たかがオンラインゲーム」
「されどオンラインゲーム」
「ばにらさんはゲーム系VTuberなのに」
「その辺りの認識が甘いデスネェ~~~~!」
ばにら「そんなこと言われても、分からないものは分からないですよ」
高 峯「終わりの宝剣ラグナロック……!」
「それの所在についてのお話しですかね?」
二 人「⁉」
らむね「おや、おやおや、おやおやおや?」
「探偵さんもご存じでしたか?」
「んー、これはワンポイントとられちゃいましたネェ~!」
ばにら「なんですか、高峯さん?」
「その絶妙に中二病っぽくて、欲しくない名前の剣は!」
「だいたい、ラグナロク自体が終わりを意味してるじゃないですか」
「わざわざ終わりを強調する必要あります?」
高 峯「まあ、ネーミングセンスはともかくとして」
「その剣は、一度振るわれればすべてのゲームバランスを破壊し」
「ありとあらゆるゲーム内の均衡を破壊しかねない」
「とあるオンラインゲームでそう呼ばれている、チート装備品です」
「ただし、運営側はそのアイテムを一つしか作りませんでした」
「そしてその所在は――登場して以降、誰も把握していない」
「行方知れずの謎多きアイテムなんです」
ばにら「おぉ、なんか出来までしっかり中二病してる……!」
らむね「ネット上では、ラグナロックを求めて」
「多くのプレイヤーが賞金をかけました」
「歴史上はじめてのNFTアイテムとまで言われています」
ばにら「それで、まさかとは思うのだけれど……」
「それを聖十字護竜騎士団が保持していると?」
らむね「あくまで可能性ですがね!」
「けれども、彼らの規模のギルドなら」
「持っていても不思議ではない……」
「そう、思いませんか高峯さん?」
高 峯「…………」
「さあ、私は四阿さんの雇われ探偵ですから」
「オンラインゲームについては、必要以上の情報を持っていません」
「けれどもたしかに、音に聞こえた聖十字護竜騎士団ならば」
「そんな伝説のアイテムを持っていても、不思議ではないかもしれませんね」
ばにら(はぇ~! らむねちゃんも、高峯さんも知ってるなんて!)
(絶対にただの恥ずかしい黒歴史活動だと思っていたのに……!)
(けど、ちょっと待てよ?)
高 峯「もしそれを、Mr.天狗が持っているとして」
「いったい、それがらむねさんにとって、なんだって言うんですか?」
「どうしてそのアイテムが欲しいんです?」
「たかがゲームのアイテムですよね?」
ばにら「それ! それが気になったんです!」
「らむねちゃん、なんでそんなアイテムのことが気になってるの?」
「もしかして、高額転売しようとか……考えているの?」
らむね「ノンノンノン! そんなちんけな目的じゃありません!」
「私にはインポッシブルで、ダイハードなミッションが」
「実はあるんデスねぇ~~~~!」
「そのためにVTuberになったと言ってもいい!」
「もちろん、VTuberの文化自体も、大好きですけれど!」
◇ ◇ ◇ ◇
一二三「さて、ここで問題です」
「さきほどみなさんに食べていただいたカレーには」
「隠し味がそれぞれ入っておりました」
「いったいなんでしょうか!」
御 旗「ハイッ!」
一二三「はい、御旗くんはやかった! お答えをどうぞ!」
御 旗「一二三さんちの畑に生えてた雑草!!!!」
一二三「ふふふ、入れてやってもいいだぞ、御旗ァ?」
鏡 「なんでしょうか」
「一二三さんは、エキセントリックな見た目と」
「言動に反して、やることは良識人ですからね」
「変なものは入れないと思うんですが」
一二三「いやいや! 僕が入れたとは言ってないよ!」
「入れたのはスタッフだから! とんでもないの入ってるかも!」
大 洗「はい!」
一二三「おぉ、元気だね、大洗くん!」
「さぁ、じゃあ張り切ってお答えをどうぞ!」
大 洗「マカ!!!!(キメ顔)」
全 員「入っててたまるか!w いろいろ問題になるわ!w」
躑躅館「くっそ~! なんだよ、一二三さんが作ってないのか~!」
「一二三さんの愛とか、ベタな面白で返したかったのになぁ~!」
一二三「躑躅館さぁ?」
「普通の面白ネタで悩んでるムーブしながら」
「絶対にそのネタ美味しいと思ってるだろぉ~?」
躑躅館「思ってなきゃ、一二三さんを番組に呼んだりしませんよ」
「いつもありがとうございます!」
一二三「こいつ~! そういうところまで普通なんだから~!」
「取り返しのつかないところまで行っちゃっても、知らないよぉ~?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
らむねが探しているネットゲームのアイテム「終わりの宝剣ラグナロック」。
いったい、なんのオンラインゲームのアイテムなんでしょうね。
そしてそれを手に入れなければいけない、彼女の事情とはなんなのか。
次回、配信者MAKIの業があきらかになる! ネットゲームのアイテムは、いったい彼女の人生にどう関与しているのか! 気になる方は――ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m




