第622話 通りすがりの配信者 その3
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【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
横須賀らむね DStars4期生 アメリカンネイビーガール
高峯 愛 女探偵 できる女の匂いがするが……?
【シチュエーション】
謎の女バイカーとのチェイスを繰り広げるばにらと愛。
しかし、バイカーの正体は四期生の横須賀らむねであった。
◇ ◇ ◇ ◇
一二三「まあ、普通に横須賀海軍カレーは食べるんだけれどね!」
全 員「食べるんかい!!!!」
一二三「はい、それじゃこちらが」
「発明された当初――明治時代のレシピに忠実に作られた」
「横須賀カレーになります」
躑躅館「…………ちょっと! ちょっと待ってください一二三さん!」
「なんだか僕のカレーだけ色が赤くないですか⁉」
三 人(ほんとだ……!)
躑躅館「気のせいだよ、躑躅館く~ん。心配症だなぁ~」
「それにほら、思い出してごらんよぉ~」
「前にドッキリをしないドッキリをしかけた時も」
「赤かったけれど辛くなかっただろ~?」
躑躅館「そっか、それなら安心……!」
「って、できるか! 今度は絶対に辛い奴だろ!」
「むしろこれで辛くなかったら、なんなんだよって話になるじゃん!」
鏡 「ちょっと待ってください、躑躅館さん! 一二三さん!」
三 人「ど、どうしたんですか、社長!(真剣)」
鏡 「…………見てください、私のカレーを」
【どこからどう見てもグリーンカレー】
三 人「海軍カレーじゃないじゃん!」
一二三「いやぁ~、鏡にはヘタなものを食べさせられないと思ってね」
「ネタで作った海軍カレーじゃなくて、本場のグリーンカレーを」
「インド料理屋さんに作ってもらったんだよ」
「僕のイメージカラーと一緒だよ!」
「ほら、ほらほら、グリーンバックに反応して透過されちゃう!」
らむね「夜中だってのに、ノイジーなレストランですねぇ」
「これが眠らねえ街! ドントスリープYOKOSUKA!」
ばにら「どんなノリなのらむねちゃん……!」
愛 「まあ、たしかにちょっと騒がしいですね」
「ロケでもやっているんでしょうか……?」
らむね「けど、これくらいうるさい方が」
「シークレットな話をするには、丁度いいんですけどネ!」
ばにら「そうだった」
「らむねちゃん、助けてくれてどうもありがとう」
「けど……いったいどうして、ばにらたちを助けてくれたの?」
らむね「んふふ~? どうしてだと思います~?」
「ばに~ら先輩の弱味を握って、脅そうとかしてるように」
「この私が見えますかねぇ~?」
「まぁ、横須賀らむねはネイビーガールですかラ!」
「そんな風に見られちゃっても、オーフコース問題なしですよ!」
ばにら「いや、らむねちゃんはいい人でしょ」
「MAKIさんの頃の配信もずっと見てたけど」
「こんなかわいいい女性なのに、男気があってすごいと思ってましたよ」
「まあ、だからこそなんでこんなことをしたのか」
「わけがわかんないんですけど……?」
「ばに~ら、なにか悪いことをしました?」
愛 「それか、もしかして四阿さんをパパラッチしようとしています?」
「今回については、私は公平を期すためにばにらさんにつきましたけれど」
「基本的には四阿陣営の人間だと思ってもらっていいですよ」
「これ以上、四阿一門にちょっかいをかけるようなら」
「貴方の個人情報を、用心棒の連中に売るくらいのことはさせてもらいます」
らむね「NONO~! 違います! 誤解デスよぉ~!」
「私が追っていたのは、アクターの方じゃないデース!」
「逆逆ゥ! あのレッドマスク! Mr.天狗デース!」
ばにら「Mr.天狗を追っている?」
「あの天狗、なにかやらかしたんですか?」
「もし、MAKIさんに危害を加えたのだとしたら……!」
「社長に言ってしょっぴいてもらいますよ!」
「あの二人、古い知り合いみたいですから!」
らむね「はい、そうデスネー! 二人はすごく仲良し!」
「随分と古い付き合いみたいです!」
「ばにらパイセンのお母さんとも、仲良しなんでしょう……?」
ばにら「あれ? もしかしてこれって?」
「お母さんのやってるのあのギルド絡みのお話し?」
愛 「みたいですね……w」
躑躅館「やっぱり辛いじゃねえか、一二三ッ!」
「てめぇっ! 辛くないんじゃなかったのかよっ!」
「辛いなら辛いって、最初に言っておいてくれよ!」
一二三「どっちか分からないから面白いんじゃない」
「もう、ツッコミまで普通じゃない」
「ほら、おおっちを見習って……」
大 洗「これは……辛い? いや、甘い? 中辛?」
「わかんねえなぁ……? もっかい食べていいかな?」
御 旗「いいわけねえだろw」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
なにやら訳知りのご様子の横須賀らむねが合流。
どうも天狗にまつわるお話――ばにらのお母さんたちがやっている、ゲームのギルドについて、思う所があるようですが? はたしてなにをしようとしているのか?
そもそも、現状で不満がないくらい稼いでいるのに、なぜVTuberに転生しようと思ったのか。謎多い彼女は、これからどんな風に本作に絡んでいくのか……!
そして、一向にはじまる気配のないかりんちゃんの配信! いい加減進めてさしあげろよ! ばにらと彼女がいったいどんな初配信を織りなすのか、はやく気になる方は――ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m




