第620話 通りすがりの配信者 その1
【宣伝】
「バイト先のネットカフェが、なぜかクラスの美少女たちの溜まり場になった件。」発売中です! 会社帰り・学校帰りにぜひぜひよろしくお願いいたします!m(__)m
○GCN文庫さま 商品ページ
https://gcnovels.jp/book/1872
○メロンブックスさま 通常版(SS付き)
https://www.melonbooks.co.jp/detail/detail.php?product_id=2905033
○ゲーマーズさま 通常版(SS付き)
https://www.gamers.co.jp/pn/pd/10794421/
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
高峯 愛 女探偵 できる女の匂いがするが……?
【シチュエーション】
命からがら四阿遍史郎の料亭から逃げ出したばにらたち。
天狗、お前の死は無駄にはしない……!
◇ ◇ ◇ ◇
高 峯「ふぅ、鍋島四姉妹がアホの娘で助かった」
「あれで四阿一門の頭脳を自称しているんだから」
「世も末ってもんですよね……!」
ばにら「頭脳の使い方が間違ってますよ……!」
「しかし、天狗は大丈夫かな?」
「流れに任せておいてきちゃったけれど……?」
高 峯「な~に! 大丈夫ですって!」
「あの天狗はふてぶてしいですから!」
「けろっとした顔で、またばにらさんの前に現れますよ!」
ばにら「だといいんですけど……」
「あれ? なんか後ろから、バイクが追いかけてきてません?」
【スポーツバイクに跨がったフルフェイスの女】
高 峯「…………本当だ。いつから尾行されていたんだろう?」
ばにら「ずんさんの愛車ではない」
「だったら、あれはいったい」
高 峯「ばにらさん、ちょっとおとなしくしていてください!」
「ニトロ使って全力で巻きますんで!」
【高峯、フロントパネルの赤ボタンを押す】
ばにら「きゃあっ⁉ ちょっ、高峯さん⁉」
高 峯「この高峯愛を尾行しようだなんて」
「いい度胸しているじゃないですか!」
「探偵は尾行はしてもされるな!」
「誰に喧嘩を売ったのか、後悔するがいい!」
【高峯、そのまま首都高にイン。神奈川方面へ向かう】
ばにら「あっ! 相手も首都高に入ってきましたよ!」
「ぜんぜん諦める気配がないです!」
高 峯「しつこいな? いったいなにが狙いだ?」
「ばにらさん? いや、もしかして……?」
「なんにしても、俄然こっちもやる気になるというもの!」
「どっちが速いか勝負だ、ラディカルグッドス……!」
ばにら「高峯さん! 隣! 隣!」
【完全に横付けしたスポーツバイク】
高 峯「バカな! 私がスロウリィ! 私が遅い!」
???「んー、悪くないドライビングテクニックでした」
「GTAなら警官撒けてたんじゃないデスかネェ~!」
ばにら「あれ、そのしゃべり方は……?」
???「そして、驚かしてソーリィ! ばにら先輩!」
「けど、二人とも急に出発しちゃうんだもの!」
「こっちも焦るのしょうがないデスよネェ~?」
【謎の女、フルフェイスを開ける】
ばにら「やっぱり! MAKIさんじゃないですか!」
らむね「NONO! 今は横須賀らむねデスよ!」
「おはよ~う、ございます! ばにらパイセン!」
ばにら「いま、真夜中だよ⁉ なに言ってるの⁉」
らむね「あれ? おかしいデスねぇ~?」
「日本ではモーニングでもイブニングでも」
「仕事先の同僚には」
「おはよ~う、ございます!」
「って言うと聞いてマシたけど?」
ばにら「たしかに! そういう慣習のある業界もありますけど!」
らむね「なるほどVTuberは新しいワーキング」
「そういうのはまだないってことデスねぇ!」
「わっかりましたァ~! アイ、コピーデス!」
「それより、遍史郎さん目当てのパパラッチが」
「私の後ろからチェイスしてきてますよ」
ばにら「⁉」
高 峯「なんですって!」
らむね「私が案内しますので、ここからちょっと飛ばしましょう」
「せっかくニトロ使ったところですしネ……?」
ばにら「MAKI……ううん、らむねちゃん?」
「あなた、いったい?」
らむね「それはもうちょっと落ち着いてから」
「それじゃ、ばにらパイセンをよろしくお願いしますね」
「《《腕利き探偵さん》》?」
【らむね後方に下がる。蛇行運転で後続車を妨害】
ばにら「……すげえ、映画みたいなチェイスしてる」
「なんでもできるんだな、らむねちゃんって」
「それに引き換え……!」
高 峯「バカな……! 尾行されただけじゃなく」
「尾行されていることにも気がつかなかった!」
「この私が! 高峯愛が!」
「そんなの間違っている! なにをやっているんだ、高峯愛!」
ばにら(あんまり言うと、追い込みそうだから)
(ちょっと黙っててあげよう……!)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
料亭から脱出したばにらと高峯。
そんな彼女たちを追跡していたのは、人気配信者のMAKIであった。
どうやら四阿関連のことについても把握しているようだが……?
はたして、横須賀らむねの目的やいかに?
そして、なぜパパラッチたちは四阿を尾行していたのか?
まだ五代目遍史郎の思惑が働いているというのか?
やはり芸能界の闇は深い……!
天狗を生け贄にして四阿のターンを強制終了! 夜の首都高を駆けてばにらたちが到着したのは、なんの因果か横須賀。海兵さんたちが休息する夜の街で、いったい彼女たちはなにを話すのか。そして、やけにややっこしい話に乱入してきた、横須賀らむねの思惑は? というか、そろそろ門限ヤバいんじゃないのか? Bちゃんに怒られるばにらの姿を幻視してしまった方は――ぜひぜひ応援・評価・フォローなどなどよろしくお願いいたします。m(__)m




