第603話 ごりらの墓 その4
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【登場人物】
種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
津軽りんご DStars特待生 きまぐれ僕っ娘
八丈島うみ DStars3期生 センシティブ委員長
東山ごりら DStars4期生 幸薄そうな清楚少女だった(過去形)
【シチュエーション】
ごりら凸待ち失敗。
ずんりんで後輩たちにまずはお説教。
◇ ◇ ◇ ◇
りんご「まあ、うみちゃんの考えていることもよく分かる」
「Bちゃんに問い合わせて教えてもらったけれど」
「ごりらちゃんとうみちゃんは、元々リアルで親交があったんだよね?」
「そんな相手がデビューするとなれば、応援してあげたくなって当たり前さ」
う み「はい。ごりらには、幸せになってもらいたくて」
「うみのような苦労は彼女にはさせたくなくて」
「それで、はりきっちゃいました……」
「すみませんでした! りんご先輩!」
ごりら「うみ! うみが謝るようなことなんかじゃないよ!」
「うみは僕なんかのために、本当によくしてくれたよ!」
「りんご先輩! 悪いのはこんなことを望んだ、僕の方なんです!」
「叱るなら僕を叱ってください! お願いします!」
りんご「うんうん、お互いにお互いをかばい合う」
「君たちの間にある友情が紛れもなく本物だということは」
「僕にもよく伝わったよ……」
ずんだ「それは、さっきりんごを庇わなかった」
「私への当てつけと考えていいかしら?」
「何度も言うけれど、百合営業相手を……!」
りんご「そんなこと言ってないだろずんさん!」
「もう、君ってば本当にばにらちゃんのことになると」
「途端に自制心がなくなっちゃうんだからさ!」
かりん(ずんばにって、元営業相手とバチギスになるレベルだったんだ)
(かりん的にはガチ派だと思ってたけど、ここまでとは思わなかった)
(ばにらちゃんとは仲良くなりたいけど)
(ずんさんとバチギスになるのは、ちょっと面倒くさそうだなぁ……)
りんご「とりあえず、ずんさんのことは置いておいて」
「今はうみちゃん、そしてごりらちゃんについてだ」
「二人の互いを想い合う気持ちはよく分かった」
「けれどね? 先輩と後輩、適切な距離感ってのも大事なんだよ?」
う み「適切な距離感ですか……!」
「前職がおじさん先輩&上司との距離感バグってて」
「ナチュラルセクハラパラダイスだったうみには」
「とても理解しづらい感覚ですね」
ごりら「すみません、本当にうみはそういう職場で働いておりまして」
「けっしてボケて言ってるわけじゃないんです」
「許してあげてくださいりんご先輩」
りんご「大丈夫だよ、ごりらちゃん。僕もそれなりに人生経験はあるから」
「そういう職場があるよねってことは、知識としては理解しているさ」
「そうだね。自分と同じ苦労をさせたくないと」
「そう思って後輩に手を差し伸べるのは」
「人間の美徳だと僕は思うよ」
「けど、時に人間には『自分で経験しないと納得できない』」
「『知識だけでは理解し得ない』部分があると思うんだ」
「だから、うみちゃんがいくら世話を焼いても」
「それが完全にごりらちゃんの力になるかは」
「分からない……」
「世話を焼くのはいいけれど、そういう所も考えないといけないよ」
う み「『自分と経験しないと納得できない』ですか」
「まさに目から鱗なお話しでした」
「りんご先輩、ありがとうございます」
「けど、ちょっと待ってください?」
「そうすると委員長が嗜んでいるBL本の内容というのは」
「作者が経験したことがないのに、なんであんなにも真に迫る……!」
ごりら「うみ! 今、そういう話をしてるんじゃないから!」
「フィクションと現実を一緒にするな!」
「というか、経験できないことを経験したように書けるのが」
「そういう作家のすごいところなんだから!」
「そうですよね! りんご先輩! BLってそういうことですよね!」
りんご「え? あ? うん? そういう……ことなのかなぁ……?(///)」
「ごめんね、BLはちょっと僕の興味の範囲外だから」
「よくわかんないかもしれないや…………(小声)」
ごりら「これ、知らん奴の反応や!!!!」
「DStarsのセクハラ女王なのに、知らん奴の反応や!!!!」
「あれだけセンシティブ発言繰り返しておいて」
「BLでこんなに照れるって!!!!」
「ギャップでまた拗らせるリスナーが増えてまうぞ!!!!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
DStarsのセクハラ女王。うみをも上回るセンシティブ。
それが津軽りんごの持ち味……なのだが、意外にBL方面については無知。
まあ、年頃の娘さんもおらっしゃいますし、あまり過激なファンタジーの方向には、手を出さないように気をつけていらっしゃるのかもしれませんね。
だったら、普段の配信での発言も気をつけてくれ。
次回! お説教回と思わせて、思わぬうみからの反撃が、守備範囲が微妙に狭かったりんごたやを襲う! 大事な人の娘を育てながら、唯一無二のセンシティブキャラとして生きていたネッコが、無様に恥じらうことになる! 助けてくれちまき! やはりDStarsの清楚()がいないとこの場は収まらないぜ! もうなんだかしっちゃかめっちゃかですが――年末も年末ですので、ぜひぜひ評価・フォロー・応援よろしくお願いいたします!m(__)m




