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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第588話 かりんちゃんは今日も部屋の中 その3

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【登場人物】

種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意


【シチュエーション】

同期のフォローでメンタル復活したかりんちゃん。

そこに、先輩のばにらから電話がかかってきて。


◇ ◇ ◇ ◇



かりん「も、もしもし、ばにらちゃん……?」



ばにら「ア、ドウモ、バニラチャンデス……」


かりん「ア、ア、ア、ドウモ」


ばにら「ソチラ、カリンチャン、ノ、ケータイデ」


   「マチガイナイデスカ?」


かりん「ア、ハイ、カリンチャンデス……」


ばにら「ホホホ、ホンジツハ、オヒガラモ……」



かりん「いや、いつまで続けるねんこのくだり!!!!」


   「陰キャカタコト挨拶て!!!!」


   「篠原健○先生の漫画か!!!!」


ばにら「仕方ないバニじゃないですか!」

 

   「ばに~らのコミュ障を舐めてもらっちゃ困るバニですよ!」


   「後輩に電話するだけで、胸がどっきんどっきん!」


   「胃がばっくんばっくんバニですよ!」


かりん「胃はばっくんばっくんはおかしいやろ!」


   「どないなっとんねん、ばにらちゃんの胃ぃッ!」


ばにら「かりんちゃん、ツッコミもできるバニな」


   「陰キャのくせに……生意気バニよ!!!!」


かりん「いまそこキレるところですかぁッ⁉」


   「しゃーないですやん! 先輩がこんな電話かけて来たら!」


   「ずっとこんなお通夜みたいな空気で」


   「お話する方がムリムリムリですわ!」


ばにら「…………ふはははw」


かりん「…………えへへへw」


ばにら「ごめん、かりんちゃん。いきなり陰キャムーブしちゃって」


   「ばに~ら、あんなことがあったから」


   「どうやって話しかけたらいいか考えてて」


   「緊張してしまっていたバニですよ」


かりん「ううん、こちらこそごめんなさい」


   「昨日、ゲーム切断して逃げちゃったのもだけど」


   「ばにらちゃんもいろいろ考えてくれてるのに」


ばにら「いや、アレは事故だったバニよ」


   「まさかKMTさんが、かりんちゃんだとはつゆ知らず」


   「本当にすまんかったバニ……」


かりん「ばにらちゃん……!」


ばにら「突発デビューさせてしまった責任はとるバニ!」


   「かりんちゃん、今度あらためてコラボしような!」


かりん「え……いいの?」


ばにら「もちろんバニよ!」


   「ばに~らは、かりんちゃんのお世話役バニだから!」


   「かりんちゃんがデビューしやすいように」


   「サポートするのもばに~らのお仕事ってワケ!」


かりん「…………お仕事、かぁ」


ばにら「バニ? どうかしたバニか?」


かりん「う、ううん、なんでもないよ!」



   「分かった! コラボしようよ!」


   「なにする? やっぱりFPSがいい?」


   「ばにらちゃんCODとかL4Dとか、ちょい古めのなら」


   「ぜんぜんやれるんだよね?」



ばにら「いや、かりんちゃん! FPSもいいけれど!」


   「時代はやっぱりマイクラバニよ!」


かりん「ま、マイクラ?」


   「かりん……あんまり、マイクラって得意じゃないんだけど?」


   「あのゲームって、いかに綺麗な建物を作って」



   「俺の技術力を見ろ!!!!」



   「みたいな『陽キャマウントゲー』みたいなところあるじゃん?」



ばにら「それは流石に偏見がすぎるバニですよかりちゃん……!」


   「マイクラは建築だけやない!」


   「冒険! バトル! トラップ! 装置! 爆発!」


   「なんでもできる、サンドボックスの決定版バニ!」



   「つまり……配信者としての力量が、真に試される場所ってコト!」



かりん「な、なるほど……! 流石、ばにらちゃん!」


ばにら「それはそれで納得されると、チョロすぎて怖いバニよ」


   「まあけど! マイクラを制するものがVTuber界隈を制す!」


   「今これができることが、大きなアドになるバニ!」



   「だからばに~らが、かりんちゃんにマイクラのイロハを」


   「徹底的に仕込んだるわ!」


   「マイクラマスターにかりんちゃんはなるバニよ!」



かりん「ばにらちゃん? なにか企んでない?」


ばにら「…………ぎくり」



   「ナ、ナニモ、タクランデナンテ、ナイヨー」


   「ホントホント、ホントバニー」



かりん(これ、なんか絶対に企んでるな?)


   (マグマトラップで全ロスとか、そういう奴だ)


   (ばにらちゃんてこういうの本当に分かりやすいよなぁ……!)


ばにら「とにかく! マイクラ! マイクラコラボしようバニな!」


   「さっさと予定を詰めちゃうバニよ!」


   「デビュー配信もあるだろうから、そのあとくらいで……!」


かりん(強引に話しをまとめようとする)


   (これは絶対に罠だな……!)



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



罠にはめる前からバレバレのばにら。

だって仕方ないじゃない陰キャなんだもの。

そして、罠にかける相手が自分の熱心なファンなんだもの。


けれども惜しいかりんちゃん。

今回のドッキリ企画の裏には、彼女も想像もしない巨大な存在がいる。

まさか、いま先輩まで巻き込んでいるとは、かりんちゃんも思わないのだった……!


次回、罠と知りつつばにらとのコラボを承諾したかりんちゃん。そして迫るデビューの日。はたして彼女は、どんな感じでVTuberをやっていくのか。かりんちゃんの今後の活躍が気になる方は――ぜひぜひ評価・応援・コメントよろしくお願いいたします。m(__)m

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