第588話 かりんちゃんは今日も部屋の中 その3
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【登場人物】
種子島かりん DStars4期生 FPSつよつよ陰キャV
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
【シチュエーション】
同期のフォローでメンタル復活したかりんちゃん。
そこに、先輩のばにらから電話がかかってきて。
◇ ◇ ◇ ◇
かりん「も、もしもし、ばにらちゃん……?」
ばにら「ア、ドウモ、バニラチャンデス……」
かりん「ア、ア、ア、ドウモ」
ばにら「ソチラ、カリンチャン、ノ、ケータイデ」
「マチガイナイデスカ?」
かりん「ア、ハイ、カリンチャンデス……」
ばにら「ホホホ、ホンジツハ、オヒガラモ……」
かりん「いや、いつまで続けるねんこのくだり!!!!」
「陰キャカタコト挨拶て!!!!」
「篠原健○先生の漫画か!!!!」
ばにら「仕方ないバニじゃないですか!」
「ばに~らのコミュ障を舐めてもらっちゃ困るバニですよ!」
「後輩に電話するだけで、胸がどっきんどっきん!」
「胃がばっくんばっくんバニですよ!」
かりん「胃はばっくんばっくんはおかしいやろ!」
「どないなっとんねん、ばにらちゃんの胃ぃッ!」
ばにら「かりんちゃん、ツッコミもできるバニな」
「陰キャのくせに……生意気バニよ!!!!」
かりん「いまそこキレるところですかぁッ⁉」
「しゃーないですやん! 先輩がこんな電話かけて来たら!」
「ずっとこんなお通夜みたいな空気で」
「お話する方がムリムリムリですわ!」
ばにら「…………ふはははw」
かりん「…………えへへへw」
ばにら「ごめん、かりんちゃん。いきなり陰キャムーブしちゃって」
「ばに~ら、あんなことがあったから」
「どうやって話しかけたらいいか考えてて」
「緊張してしまっていたバニですよ」
かりん「ううん、こちらこそごめんなさい」
「昨日、ゲーム切断して逃げちゃったのもだけど」
「ばにらちゃんもいろいろ考えてくれてるのに」
ばにら「いや、アレは事故だったバニよ」
「まさかKMTさんが、かりんちゃんだとはつゆ知らず」
「本当にすまんかったバニ……」
かりん「ばにらちゃん……!」
ばにら「突発デビューさせてしまった責任はとるバニ!」
「かりんちゃん、今度あらためてコラボしような!」
かりん「え……いいの?」
ばにら「もちろんバニよ!」
「ばに~らは、かりんちゃんのお世話役バニだから!」
「かりんちゃんがデビューしやすいように」
「サポートするのもばに~らのお仕事ってワケ!」
かりん「…………お仕事、かぁ」
ばにら「バニ? どうかしたバニか?」
かりん「う、ううん、なんでもないよ!」
「分かった! コラボしようよ!」
「なにする? やっぱりFPSがいい?」
「ばにらちゃんCODとかL4Dとか、ちょい古めのなら」
「ぜんぜんやれるんだよね?」
ばにら「いや、かりんちゃん! FPSもいいけれど!」
「時代はやっぱりマイクラバニよ!」
かりん「ま、マイクラ?」
「かりん……あんまり、マイクラって得意じゃないんだけど?」
「あのゲームって、いかに綺麗な建物を作って」
「俺の技術力を見ろ!!!!」
「みたいな『陽キャマウントゲー』みたいなところあるじゃん?」
ばにら「それは流石に偏見がすぎるバニですよかりちゃん……!」
「マイクラは建築だけやない!」
「冒険! バトル! トラップ! 装置! 爆発!」
「なんでもできる、サンドボックスの決定版バニ!」
「つまり……配信者としての力量が、真に試される場所ってコト!」
かりん「な、なるほど……! 流石、ばにらちゃん!」
ばにら「それはそれで納得されると、チョロすぎて怖いバニよ」
「まあけど! マイクラを制するものがVTuber界隈を制す!」
「今これができることが、大きなアドになるバニ!」
「だからばに~らが、かりんちゃんにマイクラのイロハを」
「徹底的に仕込んだるわ!」
「マイクラマスターにかりんちゃんはなるバニよ!」
かりん「ばにらちゃん? なにか企んでない?」
ばにら「…………ぎくり」
「ナ、ナニモ、タクランデナンテ、ナイヨー」
「ホントホント、ホントバニー」
かりん(これ、なんか絶対に企んでるな?)
(マグマトラップで全ロスとか、そういう奴だ)
(ばにらちゃんてこういうの本当に分かりやすいよなぁ……!)
ばにら「とにかく! マイクラ! マイクラコラボしようバニな!」
「さっさと予定を詰めちゃうバニよ!」
「デビュー配信もあるだろうから、そのあとくらいで……!」
かりん(強引に話しをまとめようとする)
(これは絶対に罠だな……!)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
罠にはめる前からバレバレのばにら。
だって仕方ないじゃない陰キャなんだもの。
そして、罠にかける相手が自分の熱心なファンなんだもの。
けれども惜しいかりんちゃん。
今回のドッキリ企画の裏には、彼女も想像もしない巨大な存在がいる。
まさか、いま先輩まで巻き込んでいるとは、かりんちゃんも思わないのだった……!
次回、罠と知りつつばにらとのコラボを承諾したかりんちゃん。そして迫るデビューの日。はたして彼女は、どんな感じでVTuberをやっていくのか。かりんちゃんの今後の活躍が気になる方は――ぜひぜひ評価・応援・コメントよろしくお願いいたします。m(__)m




