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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第586話 (ひさしぶりに)会社いく 4

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【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

渋谷いく   DStars2期生 陰キャオタ女系VTuber

Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当

社長     DStarsの社長 ときどき無茶ぶりするが敏腕


【シチュエーション】

FPSゲー界隈では有名人のKMTにいくちゃん反応する。

彼女もかなりのガチ勢だが……はたして二人はこれからどうなるのか?


◇ ◇ ◇ ◇



い く「分かった。いろいろ聞かせてくれてありがとう、Bちゃん」


Bちゃ「いえ、これもお仕事ですから……」



ばにら「ギスってる! ギスってるバニよ!(小声)」


   「いま先輩、この空気どうしたらいいバニですか⁉(小声)」


い ま「うーん、Bちゃんの頑固は今にはじまったことじゃないけど(小声)」


   「いくちゃんがこんなに頑なだとは思わなかったなぁ……(小声)」



   「いくちゃん、本当は自分が大会に出たかったんだろうな(小声)」



ばにら「それはそうバニですよ(小声)」


   「自分から交渉してるくらいバニですし(小声)」


   「けど、かりんちゃんを軸にメンバー組むなら……(小声)」


い ま「そうだよね、いくちゃんじゃちょっと頼りないかも(小声)」


   「お互いに陰キャだから、コミュニケーション成立しなさそう(小声)」



   「その点、ちまきちゃんは気配りができる子だし(小声)」


   「ひじりちゃんはフリーダムな娘だけど(小声)」


   「その分さっぱりしていて、後腐れなく組めるかも(小声)」



ばにら「ばにぃ……(小声)」


   「運営の人選もあながち間違ってはないからタチが悪いバニ(小声)」



い く「ごめん、収録までまだ時間があるよね?」


   「ちょっとスタジオ入る前に、発声練習してくる」


Bちゃ「どうぞ。時間になったらスタジオに来てくださいね」


ばにら「あっ! いく先輩!」


い ま「ばにらちゃん、追いかけてあげて!」


   「Bちゃんの方は、私がフォローしてみるから!」


ばにら「わ、わかりましたバニ!」



◇ ◇ ◇ ◇



ばにら(発声の練習って言ってたけど)


   (いったいどこでやるつもりバニだろう)


   (やっぱりここはベタに屋上だったりするバニかな……)



   (って、本当にいた⁉)



い く「はぁ……」


   「大会、出たかったなぁ……」



   「チームワークとかコミュニケーションとか」


   「そういうのどうでもよくなるくらい」


   「個人戦闘能力を高めてきたつもりだったけど」



   「そうだよね」


   「ガチガチのガチの配信を見たいリスナーなんて少ないから」


   「そういうのきっと需要ないんだろうなぁ……」



ばにら「い、いく先輩……」



い く「あれ? ばにらちゃん? どうしてここに?」


   「まさか、心配して追いかけてきてくれたの?」



   「あてぃしのこと、好きすぎぃ?」



ばにら「いや! そんな小ボケいらないバニですから!」


   「あんなシリアスな退場しておいて、それを言うんですか!」


い く「あははは、ごめんごめん。ごめんね……」


   「なんかちょっと、そう言わないと、しんどくってさ」


ばにら「いく先輩……!」



い く「ばにらちゃんはさ?」


   「どうしてこの会社に入ったの?」


   「うぅん……」



   「なんでVTuberになってみようと思ったの?」



ばにら「なんでって、それは……」



   「昔からゲームが好きで」


   「ゲームでご飯が食べられたらなって思ってて」


   「けど、プロゲーマーするほどの腕前はなくって」


   「それでもニコ動とかで配信をするとばに~らの動画を見てくれて」


   「これや! って、思ったバニですからかねぇ?」



い く「めちゃくちゃ具体的に語るじゃん!!!!」


   「そこはさぁ! ちょっと黙って、先輩に譲る奴でしょ!」



   「むしろ聞く振りをして、こっちが語りたい感じの奴でしょ!」


   「そこんところくらい察してよ!」



ばにら「いく先輩! アンタも陰キャなら分かるやろ!」


   「陰キャに常識やお約束は通じないんや!」


   「ばに~らに重めの相談をした、いく先輩が悪い!」


い く「…………」


   「ぷっ! あはっ! あはははははっ!」


ばにら「…………」


   「えへっ! えへへへっ……!」


い く「ほんと、陰キャって面倒くさいよね」


   「なんでこんな性格してるのに、配信者なんてやってるんだろ」


ばにら「本当バニよ」


   「けど、陽キャとか陰キャとか関係なく」


   「やりてえって思っちまったんだから、仕方ないバニな……!」


い く「そうだよね。仕方ないよね。やりたいものはやりたいんだから」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



先輩陰キャVS後輩陰キャ。

二期生の陰キャ筆頭のいくたんと、三期生の陰キャ筆頭ばにーら。

お互いに性格が近いからこそわかり合える部分がある。

だからこそ無自覚に惹かれあい絡んできた。

二人には見えない絆がたしかにあるのだ。


そして、それがずんだとたるとを嫉妬に狂わせる!

やめるんだばにら! いくたん! 絡みすぎると危険だぞ!


なんか青春漫画っぽい展開をみせるいくばに。ばにらの前で、弱音をポロリしてしまったいくたんは、これからさらに何を語るのか。二人の会話の行方が気になる方、そしてAPEXの大会の行方が気になる方は、ぜひぜひ評価・応援・コメントよろしくお願いいたします。m(__)m

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