第577話 Bちゃんち2
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【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
トキワいま DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV
Bちゃん DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当
【シチュエーション】
ばにら無事に会社に保護される。
ずんさんハウスではなく、事務所という名のBちゃんちへ……。
◇ ◇ ◇ ◇
い ま「それにしても大変だったねばにらちゃん」
「私もBちゃんから聞いて飲んでたジュースこぼしちゃった」
ばにら「ご心配をおかけして申し訳ないバニ」
「いま先輩には本当に、なにからなにまで心配してもらって」
い ま「いいのいいの気にしないで。無事だったんだからOKだよ」
「ただまぁ……この話しは、あまりたるきちにはしないようにね?」
「彼女、ばにらちゃんのことをすごく大切に思ってるから」
ばにら「ばに~らのことを?」
「たるとちゃん、そんなにばにらに親近感を持っててくれたバニか」
「ばにらもそう思ってもらえて嬉しいバニよ!(無邪気)」
い ま「そうだね、だから私が紫の芋の人って話も」
「たるきちには内緒にしようね(暗黒微笑)」
ばにら「はい! バニ!」
Bちゃ「とりあえず、警察の方への説明は私と社長の方からしておきました」
「ばにらさんは暴漢の特徴だとか当時の状況だとか」
「そういうことをお話いただければ大丈夫ですよ」
ばにら「ごめんねBちゃん」
「本当はばにらがしっかり自分でやらなきゃいけないのに」
Bちゃ「まぁ、ばにらさんにそういう人間的な常識は」
「私も求めてませんから」
ばにら「それはちょっと発言としてどうバニなんですか?」
Bちゃ「まあ、冗談はともかくとして」
「タレントさんはご多忙ですから、それをサポートするのが」
「私たち会社員の仕事になります」
「困ったことがあったら、遠慮なく頼ってください」
「これが私の仕事ですから」
ばにら「Bちゃん……!」
い ま「とか言って澄ましてるけどね?」
「ばにらちゃんの話を聞いてから、事務所で大騒ぎしてたのよ?」
「Bちゃんもなんだかんだでかわいいところあるよねw」
Bちゃ「いまッ!!!!(赤面)」
ばにら「ごめん、Bちゃん。そんなに心配してもらってたなんて」
「ばに~らは、本当に果報者バニですよ……」
Bちゃ「まあ、はい。ばにらさんは、私たちの会社の希望ですから」
「もちろん、他のタレントのみなさんもですし」
「これからデビューされる四期生の方々もですけど」
ばにら「あ、そうだ! 四期生で思い出したバニ!」
「かりんちゃん! 回線切断したの忘れてた!」
い ま「あ~、あれはよくなかったねぇ!」
Bちゃ「勝手に先行デビューさせちゃったんですから」
「そこはちゃんとうまくフォローしてあげてくださいよ」
「頼みますよばにらさん、こっちも信頼して預けたんですから」
ばにら「いやいやいやいや! あんな陰キャの相手無理バニですよ!」
「陰キャと陰キャを掛け合わせれば陽キャになったりしませんから!」
「シナジーも発生しませんから!」
「なんでばに~らに、あんな難易度高いのを任せるバニか!」
「もっとごりらちゃんみたいな、素直な娘がよかったバニよ!」
い ま「ばにらちゃん(圧)」
「私が言うのもなんだけれど」
「自分に憧れてやってきた後輩を、そんな風に突き放すのは」
「絶対によくないと思うよ?」
ばにら「……い、いま先輩」
い ま「ずんだちゃんにばにらちゃんも」
「いろんなことを教えてもらったでしょ?」
「今度は、ばにらちゃんがずんだちゃんにしてもらったことを」
「かりんちゃんにしてあげる番なんだよ」
「そうやって、先輩・後輩っていうのは回っていくものなんだから」
ばにら「それはばに~らも、部活とかやってましたし」
「社会人経験もあるから、分かってはいるんですけど」
「けど、初手からあんなに怯えられてたんじゃ」
「こっちがどれだけ手を差し伸べても、逃げられちゃうんじゃ」
「もうどうしようもないって、思っちまうバニなんです」
い ま「……わかった」
「それなら私もかりんちゃんの教育に」
「ひと肌脱いであげるよ」
ばにら「いま先輩⁉」
Bちゃ「いま⁉」
い ま「後輩を育てるってことがどういうことか」
「VTuberのやりかたを、ばにらちゃんに教えてあげる」
「それなら、ばにらちゃんもかりんちゃんに向き合えるね?」
ばにら「…………はい! 頑張ってみるバニ!」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
DStars発足の立て役者にして、誰よりも多くの後輩を持っているVTuberのトキワいま。それだけに、後輩への思いは強いものがある……!
かりんちゃんの陰キャムーブに、もう無理とあきらめかけていたばにら。
そんな彼女に手を差し伸べたのは、誰よりも頼りになる先輩なのだった。
まぁ、オチは言うまでもないですね!(爆破!!!!)
次回。いろいろな書類仕事を終わらせて、事務所ことBちゃんちに到着。そこでばにらを待っていたのは、常軌を逸した社畜OLの晩飯事情であった。Bちゃんが普段、どんな食生活をしているのか――気になる方は、ぜひぜひ評価・フォロー・応援などよろしくお願いいたします。m(__)m




