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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第318話 歌ヘタ養成学校 その6

【登場人物】

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


津軽りんご  DStars特待生 きまぐれ僕っ娘

出雲うさぎ  DStars3期生 妹系巫女さん

Bちゃん   DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当


石清水しのぎ DStars3期生 おっぱい侍太郎

五十鈴えるふ DStars3期生 和風エルフ


【シチュエーション】

 歌みたが苦手なメンバーのトレーニング。

 鬼のような猛特訓がはじまる……!


◇ ◇ ◇ ◇



りんご「うさぎちゃん。この発声練習は、マジで喉を潰すよ」


   「おじさん、うさぎちゃんの喉が心配……(息切れ)」


うさぎ「なに言ってるんですか」


   「これくらいの高音と低音を交互に出せないと」


   「歌を完コピして歌いきれないですよ」


   「声の幅は武器です! りんごさんもVなら分かりますよね?」


りんご「それはたしかに、そうなんだけれど……」


   「おじさんは、歌に声を合せるタイプじゃなくて」


   「声に歌を合せるタイプなんだよ……」



ばにら「…………」


   「なに言ってるんですか、りんご先輩は?(ハァって顔)」


ずんだ「間違ったことは言ってないわよ」


   「原曲のキーで歌うか、自分の歌いやすいキーで歌うか」


   「それだけのことよね」


   「まぁ、個人でそこは決めればいいと思うけれど」


ばにら「自分の歌いやすいキーで歌うか?」


   「はにゃん?(分かってない顔)」


ずんだ「ばにら、カラオケあんまり行ったことないのね」


   「そこそこカラオケしてる人なら、伝わると思うんだけど」



   「ほら、ピアノ見てもらえば分かるけれど」


   「ドレミファソラシドも幾つかあるでしょ……」



うさぎ「なに言ってるんですが、りんご先輩!」


   「原曲へのリスペクトがあるなら!」


   「原曲のキーで歌うのが筋じゃないですか!」



   「どれだけ原作に寄せられるかが、歌みたには大事なんですよ!」



りんご「うさぎちゃん、それは違うよ……!(論破!)」


   「もちろん、原曲へのリスペクトを忘れてはいけないけれど」


   「それ以上に、歌い手の色をのせてあげることが大事なんだ」



   「原曲と歌い手が融合することで生まれるシナジーこそ」


   「歌みたの醍醐味なんだ!!!!」



うさぎ「原曲こそ至高!!!!」


りんご「いいや、シナジーが大事なんだ!!!!」



ばにら「…………」


   「なんか熱く語りますね、りんご先輩」


   「こんなに熱弁してるのは、ちょっとはじめて見るかも」


ずんだ「まぁ、話の筋は通っているけれど――」



   「単に楽な歌い方がしたいだけだから」


   「真に受けちゃだめよ」



ばにら「はいッ!!!!(いい返事)」



Bちゃ「いや、りんごさんはもっと、原曲に寄せてもらえます?」


   「というか、自分の声質にあった曲ばっかり歌ってますよね?」



   「さりげなくサボるのやめてもらえますか?」



りんご「違うBちゃん! 僕は本当に、そう信じて……!」


Bちゃ「やめてもらえます?(圧)」


りんご「……スミマセン、モウ、サボリマセン」



ばにら「Bちゃんが入って決着したみたいバニですな」


ずんだ「そうね」


   「流石のりんごも、Bちゃんの目は誤魔化せないわ」


   「さて……」


ばにら「残すはしのぎとえるふですな……」



えるふ「しのぎ、そんなに気負わなくていいんだよ」


   「もっと自由に、自分の好きなように歌えばいいから」


しのぎ「そうは言うけど、えるふ」



   「やっぱり隊長、歌に自信がない太郎だよ……」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



のらりくらりと歌みたで楽しようとする泥棒猫。

そして、それを許さぬ裏方さん。流石はBちゃん、ようみとる。


大人になってくると、いかにサボるかって大事な仕事(生存)スキルなんですが、こういう人がいるとなかなかうまくいかないですよね……。

りんごみたいな柔軟な発想も時には大事。


さていよいよ本丸。歌にあんまり自信がないしのぎと、三期生の中ではトップクラスに歌がうまいえるふのお話。歌に抵抗感がある彼女ですが、そんな彼女にえるふはパートナーとしてどんな言葉をかけるのか――気になる方はぜひぜひ評価・フォローなどよろしくお願いいたします! m(__)m


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