第316話 歌ヘタ養成学校 その4
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
網走ゆき DStars零期生 よく炎上する
新潟おこめ DStars零期生 歌ってみた系サイコVTuber
【シチュエーション】
歌みたが苦手なメンバーのトレーニング。
鬼のような猛特訓がはじまる……!
◇ ◇ ◇ ◇
ゆ き「ていうかさ、私の声はこれで味があるわけ」
「おこめちゃんと違って、ガチの歌姫目指してるワケじゃないから」
「ゆきの『へにゃぁ~♪』って感じの歌声を」
「囚人たちも待ち望んでるってワケなのよ」
「だからおこめちゃんのアドバイスなんて不要なんだよね(ふんす)」
おこめ「誰もオメーのヘッタクソな歌を喜んで聞いてねえよ」
「珍獣だよ珍獣」
「歌を歌うチンパンジーくらいの気持ちで見てんだよ」
ゆ き「オメェーッ! それはいくらなんでも言い過ぎだろうがよ!」
「しばくぞおこめぇっ! ゆきの方が先輩だし、年上なんだからなぁ!」
おこめ「あぁん? なんだ?」
「やんのかオラァッ!!!!」
ばにら「……わわわわ(困惑)」
「近くで見ると、ゆき先輩とおこめちゃんのやりとり」
「心臓に悪いバニですねぇ……」
ずんだ「そう?(けろり)」
「テレビの現場で、もっと酷いの見てきたから」
「これくらいなんとも思わないわ」
ばにら「美月さん、頼もしすぎるバニですよ」
「ていうか、ほんとにおこめちゃん、ゆき先輩に懐いてるバニですかね?」
「普通に嫌ってるようにしか見えないバニですけど……」
ずんだ「だから、嫌いな相手には弱味なんて見せないって」
「おこめって、普段はメンバーに隙のない態度を取ってるでしょ」
「ゆきちにはそれがないじゃない」
「それだけ、なに言っても許されるって分かってるのよ」
ばにら「なるほどなぁ……」
おこめ「ほらっ! また音程外してる!」
「録音したからよく聞き直して!」
「ここ、最後は上がるの!」
「なんでこんな基本的なこともできないのよ!」
ゆ き「だって、だってゆきはネットラジオ出身だから……」
「歌みたとか、知らない文化だから……」
「いや、たしかにVの前に流行っていたけれど……」
「通って来なかった道だから……(べそかき)」
おこめ「つべこべ言ってんじゃねえ!」
「泣いたら許してもらえるような、甘い世界じゃないんだよ!」
「VTuberってのは、なんでもできなきゃダメなんだ!」
ゆ き「びぇえぇえぇ!」
「Bちゃん! おこめちゃんが! おこめちゃんが厳しい!」
「チェンジ~! 違う人にチェンジしてぇ~!」
おこめ「お前みたいな音痴の世話できる人間なんて」
「DStarsには私しかいないんだよ!」
「ほら、もう一回歌うよ! 今度は私に合わせて!」
ゆ き「どぅあってぇあてゃしりゅ~せぇい~♪(↑)」
おこめ「だあって、私、流星ぃ~♪(↓)」
おこめ「伸ばしすぎなんだよ! ちんたら歌うな!」
「あと、最後は音程下げるの!」
「何度も『個人練習』したのに、なんでコレなのよ!」
ゆ き「ごめん! ごめんて! おこめちゃん許して!」
ばにら「…………」
「『個人練習』するくらいには、仲良いんですね」
ずんだ「ね? 言った通りでしょう?」
「結局、あぁ見えておこめの方がゆきに甘えてるのよ……」
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ゆきおこめのビジネスてえてえ話。
ちょいちょい挟んでおりますが今回はプライベート回。
配信でもプライベートでも、まったく変わらない扱いは、信頼の証か、それとも舐められているのか。なんにしても、変な後輩に好かれるゆきちゃんなのだった。
ちょうどばにとずんだの逆関係みたいな感じですね。
ツンツン後輩を、ちょっと頼りない先輩がリードする。
これもまたバディものの王道ですよね……。(タイバニとか)
しかし、ゆきにはかっこいい見せ場はないのだった!
ゆきちゃんに救いの手を! 三部ではまた何か活躍してくれと思った方は――ぜひぜひ評価・フォローなどよろしくお願いいたします! m(__)m




