第302話 ばに禁 その3
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
Bちゃん DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当
【シチュエーション】
三期生年明け公式コラボ終了後。
速攻でずんだ宅に呼び出されたばにら――。
◇ ◇ ◇ ◇
ずんだ「聞いてないんだけれど(圧)」
ばにら「ご、ごめんなさい」
「これ極秘のプロジェクトだってBちゃんから言われて」
「美月さんにも話しちゃダメかなって、勝手に思ってて……」
ずんだ「Bちゃんに確認すればいいだけでしょ!」
『ずんだ先輩には話してもいいですか?』
「くらいは聞きなさいよ!(圧)」
ばにら「…………(滝汗)」
「すみません、ばにらの配慮が足りませんでした」
ずんだ「…………ハァ(クソデカ溜息)」
「まぁ、いいけどさ」
「お仕事だからね」
「会社の命令で出張行くと思えばいいだけの話ね」
「それで、いつから海外に行くの?」
「シンガポールは良いところだけれど、アンタ英語喋れ……」
ばにら「あ、そうだ、日付も言うの忘れてました」
「実は明日からなんですよ」
ずんだ「ファーーーーーーーッ⁉(絶叫)」
ばにら「そんな驚かなくてもいいじゃないバニですか……」
ずんだ「明日からって! アンタ、何も配信で告知してなかったじゃない!」
「え? もしかしてTwitterで呟いたってこと?」
「ないよね? 私、そっちもちゃんと《《監視》》してるもん!」
「まさか複アカとか作った?」
「TwitchとかMildomで配信したりした?」
ばにら「いや、してないですし、そもそも言ってないですよ?」
ずんだ「なんでよ!」
「海外ロケ行くんでしょ⁉」
「だったら、普通はお休み告知するじゃない!」
「一週間も海外なんだよ⁉」
ばにら「いや、スマホがあれば、どこでも配信できるな……って」
ずんだ「…………(絶句)」
「もしかして、ロケ中も配信するつもりだったの、アンタ?」
ばにら「するつもりでしたけど?(真顔)」
ずんだ「なにバカなこと言ってるのよ!」
「海外の回線使ったら、どれだけ通信量かかると思ってるの!」
「ていうか! それならなんでここに来てるのよ!」
「明日の準備大丈夫なの!」
ばにら「だって美月さんが、すぐに来いって言うからァ……(しょんぼり)」
ずんだ「あぁもう!!!! ちくしょうかわいいなァ!!!!(吐血)」
「とにかく! 事情は分かったから!」
「アンタはすぐに家に戻って、明日のフライトの準備をしなさい!」
「シンガポールはいいところだけれど」
「絶対に日本食が恋しくなるから」
「インスタントご飯とお味噌汁は持っていくのよ!」
ばにら「はいっ!!!!(いい返事)」
「あ、そうだ、美月さん……」
「お土産はなにがいいですか(無邪気)」
ずんだ「元気で帰ってきてくれればそれでいいから!」
「気をつけていってらっしゃい!」
◇ ◇ ◇ ◇
――ずんだの家から、ばにらが去ってからしばらく。
ずんだ(うぅん、もうスケジュール組まれてたから止められなかったけど)
(花楓を海外に行かせるなんて不安だわ)
(今から私も旅行に……)
(いや、配信に穴を開けるワケにはいかないし)
(けどそもそもその前に……)
ずんだ「私、これから、花楓なしで一週間生活しなくちゃいけないの?」
「耐えられる気がしないんだけれど……」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
出張命令は突然に。
突如として離ればなれになってしまったばにらとずんだ。
会えない時間が愛を育むとはいいますが、はたしてずんだは耐えられるのか。
ここでタイトル回収。ずんだの禁ばに生活はじまります。
まぁ、ここ最近ベタベタだったから、バランス取らなくちゃ……ネ?
ずんだとばにらのいちゃいちゃを見に来てるのに、離ればなれにするとはなにごとかとご立腹の皆さまは、思いの丈をレビューや感想などで呟いていただけると、たいへん助かります。m(__)m




