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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第284話 限界社畜OLお局ちゃん! その8

【登場人物】

八丈島うみ  DStars3期生 センシティブ委員長

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

東山ごりら  DStars4期生 幸薄そうな清楚少女

種子島かりん DStars4期生 マイペース少女


【シチュエーション】

ばにら、事務所で打ち合わせ。

その帰りに、たまたまうみを見つけるが――。


◇ ◇ ◇ ◇


ばにら「あれ、うみ?」


   「やっほー! どうしたの? うみももしかして打ち合わせ?」


う み「ばにら。なんだ奇遇だな」


   「そうそう、ちょっと社長と仕事について話したいことがあって」


   「あと――」


ごりら「こんにちは、ばにら先輩」


ばにら「…………(ばにら思考中)」


   「あっ、あっ、えっと、四期生の(ばにら困惑中)」


ごりら「東山ごりらです」


   「顔合わせ以来になりますね」


う み「こいつの付き添い」


   「いやー、車椅子だと何かと不便じゃんか」


   「ちょっと心配でさ。まぁ、なんていうか、これも先輩のお仕事だよね」


ばにら「はぁー、すごいバニな」


   「ばに~らはまだ、かりんちゃんとろくにお話もしてないバニよ」


う み「いや、そこはしときなさいよ!」


   「こういうのは先輩から声をかけないとダメでしょ!」


   「ほんとお前ってば、陰キャがキマっちまってやがるなぁ!」


ばにら「ほんと申し訳ないバニ……」


ごりら「…………(きょとんとした顔)」


ばにら「バニ?」


   「どうかしたバニか、ごりらちゃん?」


   「ていうか、ごりらちゃんって呼び方も酷いバニな……」


   「東山ちゃんって呼んでいいバニか?」


ごりら「いえいえ! 全然大丈夫です!」


   「僕なんてゴリラ呼びで充分ですから!」


   「それより……」


ばにら「それより?」


ごりら「ばにら先輩って……」



   「なんだか配信と印象違うんですね?」


   「もっと騒がしい方だと思ってました」



う み「そうなんよ。こいつ、典型的な岡村タイプのVTuberなんだよね」


   「配信の時だけハイテンションで、オフでは完全に陰キャちゃんなの」


   「ほんともうテンションの高低差に疲れるワ……」


ばにら「あははは、ズバリ言うバニな」


   「けど、事実だから何も言い返せないバニよ」


   「ごりらちゃん、もしかしてがっかりさせちゃったバニ?」


ごりら「ぜんぜん! そんなことありませんよ!」



   「あの……いつも配信見させていただいてます」


   「ファンというほどではないですけれど」


   「VTuberとして尊敬してます」



ばにら(うん? ごりらちゃん、めっちゃ良い娘なのでは?)


   (陰キャコミュ障のばに~らをこんなに褒めてくれるなんて!)



注) 川崎ばにらは、現在世界一のVTuberです



ごりら「これから四期生として、活動させていただきますけど」


   「ばにら先輩や、うみの脚を引っ張らないように」


   「精一杯努力しますね」


ばにら「そんな気負うようなことじゃないバニよ」


   「もっと気楽に、楽しんでやればいいと思うバニ」


   「ね……うみ?」


う み「ばにらの言う通りなんだワ。ごりらはちょっと真面目過ぎ」


   「昔からそうだけど、もうちょっと肩の力抜いて生きないと」



   「そんなんじゃ疲れて早死にしちゃうぞ?」



ごりら「もぉー、それは、うみにだけは言われたくないよw」


ばにら「ほんとそれバニな」


三 人「あっはっはっはっはw」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



番外編初登場の東山ごりら。

名前のいかつさに反して、薄幸の美少女感が溢れる女の子。

さらに軽妙なトークであのばに~らを立ててくる。

なんてアシスト能力の高い娘なんだ――。


さて、お気づきになられただろうか?

ごりらちゃんのやけにうみとの親密な空気に。

そして、どこかで見たことがあるようなやり取りに。


ここからもうちょっと、彼女の内面を掘り下げるお話が続きます。


もしよければカクヨムコン開催中なので、評価をいただけると幸いです。m(__)m

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