第284話 限界社畜OLお局ちゃん! その8
【登場人物】
八丈島うみ DStars3期生 センシティブ委員長
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
東山ごりら DStars4期生 幸薄そうな清楚少女
種子島かりん DStars4期生 マイペース少女
【シチュエーション】
ばにら、事務所で打ち合わせ。
その帰りに、たまたまうみを見つけるが――。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「あれ、うみ?」
「やっほー! どうしたの? うみももしかして打ち合わせ?」
う み「ばにら。なんだ奇遇だな」
「そうそう、ちょっと社長と仕事について話したいことがあって」
「あと――」
ごりら「こんにちは、ばにら先輩」
ばにら「…………(ばにら思考中)」
「あっ、あっ、えっと、四期生の(ばにら困惑中)」
ごりら「東山ごりらです」
「顔合わせ以来になりますね」
う み「こいつの付き添い」
「いやー、車椅子だと何かと不便じゃんか」
「ちょっと心配でさ。まぁ、なんていうか、これも先輩のお仕事だよね」
ばにら「はぁー、すごいバニな」
「ばに~らはまだ、かりんちゃんとろくにお話もしてないバニよ」
う み「いや、そこはしときなさいよ!」
「こういうのは先輩から声をかけないとダメでしょ!」
「ほんとお前ってば、陰キャがキマっちまってやがるなぁ!」
ばにら「ほんと申し訳ないバニ……」
ごりら「…………(きょとんとした顔)」
ばにら「バニ?」
「どうかしたバニか、ごりらちゃん?」
「ていうか、ごりらちゃんって呼び方も酷いバニな……」
「東山ちゃんって呼んでいいバニか?」
ごりら「いえいえ! 全然大丈夫です!」
「僕なんてゴリラ呼びで充分ですから!」
「それより……」
ばにら「それより?」
ごりら「ばにら先輩って……」
「なんだか配信と印象違うんですね?」
「もっと騒がしい方だと思ってました」
う み「そうなんよ。こいつ、典型的な岡村タイプのVTuberなんだよね」
「配信の時だけハイテンションで、オフでは完全に陰キャちゃんなの」
「ほんともうテンションの高低差に疲れるワ……」
ばにら「あははは、ズバリ言うバニな」
「けど、事実だから何も言い返せないバニよ」
「ごりらちゃん、もしかしてがっかりさせちゃったバニ?」
ごりら「ぜんぜん! そんなことありませんよ!」
「あの……いつも配信見させていただいてます」
「ファンというほどではないですけれど」
「VTuberとして尊敬してます」
ばにら(うん? ごりらちゃん、めっちゃ良い娘なのでは?)
(陰キャコミュ障のばに~らをこんなに褒めてくれるなんて!)
注) 川崎ばにらは、現在世界一のVTuberです
ごりら「これから四期生として、活動させていただきますけど」
「ばにら先輩や、うみの脚を引っ張らないように」
「精一杯努力しますね」
ばにら「そんな気負うようなことじゃないバニよ」
「もっと気楽に、楽しんでやればいいと思うバニ」
「ね……うみ?」
う み「ばにらの言う通りなんだワ。ごりらはちょっと真面目過ぎ」
「昔からそうだけど、もうちょっと肩の力抜いて生きないと」
「そんなんじゃ疲れて早死にしちゃうぞ?」
ごりら「もぉー、それは、うみにだけは言われたくないよw」
ばにら「ほんとそれバニな」
三 人「あっはっはっはっはw」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
番外編初登場の東山ごりら。
名前のいかつさに反して、薄幸の美少女感が溢れる女の子。
さらに軽妙なトークであのばに~らを立ててくる。
なんてアシスト能力の高い娘なんだ――。
さて、お気づきになられただろうか?
ごりらちゃんのやけにうみとの親密な空気に。
そして、どこかで見たことがあるようなやり取りに。
ここからもうちょっと、彼女の内面を掘り下げるお話が続きます。
もしよければカクヨムコン開催中なので、評価をいただけると幸いです。m(__)m




