第281話 限界社畜OLお局ちゃん! その5
【登場人物】
八丈島うみ DStars3期生 センシティブ委員長
お局ちゃん ニコ生配信者 地方のドライブインで働くOLさん
さおり ニコ生配信者 お局ちゃんの相方 握力が50kgある
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
【シチュエーション】
ずんだの家で、現会社畜OLお局ちゃんの過去配信を視聴中。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「ということで、お仕事がたいへんになってきて」
「転職も兼ねてVTuberになったんですよ」
「DStarsのオーディションに受かってなかったら」
「今頃、ドライブインで初の女課長になってたかも……」
「って、よく三期生の飲み会なんかでぼやいてますよw」
ずんだ「そっか、企業勢になる前提でVTuberになったのね」
「そういう所は、いかにもうみらしいというか」
「社畜らしいというか……」
ばにら「ですよねw」
「発想がやっぱり『まともな社会人』って感じですよね」
「ほんと、うみはしっかりしてる」
ずんだ「そういうアンタは、どうして配信者をやめてVTuberに?」
ばにら「…………」
「私はその、やっぱり配信者として、諦めがつかなくて」
「どんどんと若い子や、VTuberなんかが出てくる中で」
「生き残るにはどうするべきか考えに考えて」
「一人でやってもダメなんだから、誰かと組んでやらないとダメだ」
「どこかの事務所に入って、そこでいろいろ教えてもらおう」
「そんなノリでしたねw」
ずんだ「花楓もたいがい『まとも』だと思うわよ?」
「不思議なもんね」
「そんな『まとも』な二人が、今やDStarsのトップ2だなんて」
「こういうのって、不真面目なお調子者がなるもんだと思うけれど……」
ばにら「そうは言うけど、美月さんだってたいがい真面目ですよね……」
ずんだ「うん? なんか言った?」
ばにら「いえ、なんにも(すっとぼけ)」
◇ ◇ ◇ ◇
お 局「ということで、お局ちゃんはとある企業のVTuberになります」
「そちらの活動に専念いたしますので、このチャンネルでの活動は」
「本日をもって終了とさせていただきます」
さおり「今まで、本当にいろいろありがとうね、お局ちゃん」
「VTuberでの活躍、期待してるよ!」
お 局「さおり! ありがとう!」
「お前とは本当にいろいろあったよな……!」
「深夜テンションで、胸でゴムパッチンしようとしたり」
「酔った勢いで、乳首当てゲームをしようとしたり」
「洒落で買った豊胸マシーンで、一ヶ月育乳させたり」
さおり「全部お前、もうBANされて見られへん奴やんけ!」
「今さら言うことか!」
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コメ欄
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:あったなそんな配信
:さおりちゃんも、お局ちゃんによくつきあってたよ
:さおりちゃんのおかげで、このチャンネルは伸びたと言っていい
:大○洋にとっての安田○みたいなもんよね
:そこはミスターじゃないの?
:二人の絡みは見てて面白かった
:そっか、さおりちゃんともこれでお別れなんだな
:寂しくなっちゃうな……
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さおり「あ、ハイ」
「僕はあくまで、お局ちゃんの友人兼アシスタントなんで」
「お局ちゃんが配信をやめちゃうなら」
「一緒に引退かなって思ってます……」
「ぶっちゃけ、お局ちゃんの会社に一緒に雇ってもらえると」
「よかったんですけれどねぇw」
お 局「ごめんな、さおり!」
「お局ちゃんだけ、企業勢VTuberになっちまって!」
「お前と一緒に、ニコニコ動画の天下獲ろうなって、約束したのに!」
さおり「いいって、いいって」
「気にすんなよそんなこと……」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
別れるのはなにもリスナーだけじゃない。
長く一緒に配信をしてきた、仲間とも別れなくちゃいけない。
笑顔で送り出したいと、前の話では言いましたが……こういうのはやっぱり見ていて寂しいものがありますね。特に一緒にグループを盛り上げたメンバーと別れるのは、この歳でも心に来るものがあります。
ということで、そろそろこの番外編の本質が分かってきたのではないでしょうか。
いよいよここから、話の核心に触れていこうと思います。
もしよければカクヨムコン開催中なので、評価をいただけると幸いです。m(__)m




