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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第281話 限界社畜OLお局ちゃん! その5

【登場人物】

八丈島うみ  DStars3期生 センシティブ委員長

お局ちゃん  ニコ生配信者 地方のドライブインで働くOLさん

さおり    ニコ生配信者 お局ちゃんの相方 握力が50kgある

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


【シチュエーション】

ずんだの家で、現会社畜OLお局ちゃんの過去配信を視聴中。


◇ ◇ ◇ ◇


ばにら「ということで、お仕事がたいへんになってきて」


   「転職も兼ねてVTuberになったんですよ」



   「DStarsのオーディションに受かってなかったら」


   「今頃、ドライブインで初の女課長になってたかも……」


   「って、よく三期生の飲み会なんかでぼやいてますよw」



ずんだ「そっか、企業勢になる前提でVTuberになったのね」


   「そういう所は、いかにもうみらしいというか」


   「社畜らしいというか……」


ばにら「ですよねw」


   「発想がやっぱり『まともな社会人』って感じですよね」


   「ほんと、うみはしっかりしてる」


ずんだ「そういうアンタは、どうして配信者をやめてVTuberに?」


ばにら「…………」


   「私はその、やっぱり配信者として、諦めがつかなくて」


   「どんどんと若い子や、VTuberなんかが出てくる中で」


   「生き残るにはどうするべきか考えに考えて」



   「一人でやってもダメなんだから、誰かと組んでやらないとダメだ」


   「どこかの事務所に入って、そこでいろいろ教えてもらおう」



   「そんなノリでしたねw」



ずんだ「花楓もたいがい『まとも』だと思うわよ?」



   「不思議なもんね」


   「そんな『まとも』な二人が、今やDStarsのトップ2だなんて」


   「こういうのって、不真面目なお調子者がなるもんだと思うけれど……」



ばにら「そうは言うけど、美月さんだってたいがい真面目ですよね……」



ずんだ「うん? なんか言った?」


ばにら「いえ、なんにも(すっとぼけ)」



◇ ◇ ◇ ◇



お 局「ということで、お局ちゃんはとある企業のVTuberになります」


   「そちらの活動に専念いたしますので、このチャンネルでの活動は」


   「本日をもって終了とさせていただきます」


さおり「今まで、本当にいろいろありがとうね、お局ちゃん」


   「VTuberでの活躍、期待してるよ!」


お 局「さおり! ありがとう!」


   「お前とは本当にいろいろあったよな……!」



   「深夜テンションで、胸でゴムパッチンしようとしたり」


   「酔った勢いで、乳首当てゲームをしようとしたり」


   「洒落で買った豊胸マシーンで、一ヶ月育乳させたり」



さおり「全部お前、もうBANされて見られへん奴やんけ!」


   「今さら言うことか!」



―――――――

コメ欄

―――――――


:あったなそんな配信


:さおりちゃんも、お局ちゃんによくつきあってたよ


:さおりちゃんのおかげで、このチャンネルは伸びたと言っていい


:大○洋にとっての安田○みたいなもんよね


:そこはミスターじゃないの?


:二人の絡みは見てて面白かった


:そっか、さおりちゃんともこれでお別れなんだな


:寂しくなっちゃうな……


―――――――



さおり「あ、ハイ」


   「僕はあくまで、お局ちゃんの友人兼アシスタントなんで」


   「お局ちゃんが配信をやめちゃうなら」


   「一緒に引退かなって思ってます……」



   「ぶっちゃけ、お局ちゃんの会社に一緒に雇ってもらえると」


   「よかったんですけれどねぇw」



お 局「ごめんな、さおり!」


   「お局ちゃんだけ、企業勢VTuberになっちまって!」


   「お前と一緒に、ニコニコ動画の天下獲ろうなって、約束したのに!」



さおり「いいって、いいって」


   「気にすんなよそんなこと……」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



別れるのはなにもリスナーだけじゃない。

長く一緒に配信をしてきた、仲間とも別れなくちゃいけない。

笑顔で送り出したいと、前の話では言いましたが……こういうのはやっぱり見ていて寂しいものがありますね。特に一緒にグループを盛り上げたメンバーと別れるのは、この歳でも心に来るものがあります。


ということで、そろそろこの番外編の本質が分かってきたのではないでしょうか。

いよいよここから、話の核心に触れていこうと思います。


もしよければカクヨムコン開催中なので、評価をいただけると幸いです。m(__)m

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