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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 アヒル・ラプソディ ~ママ、どうして……~
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第280話 限界社畜OLお局ちゃん! その4

【登場人物】

八丈島うみ  DStars3期生 センシティブ委員長

お局ちゃん  ニコ生配信者 地方のドライブインで働くOLさん

さおり    ニコ生配信者 お局ちゃんの相方 握力が50kgある

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber


【シチュエーション】

ずんだの家で、現会社畜OLお局ちゃんの過去配信を視聴中。


◇ ◇ ◇ ◇


ずんだ「うみ、酒癖が悪くない?(困惑)」


   「引退配信で飲酒するとか、割と正気の沙汰じゃない気がするけど?」


ばにら「そうですか? お局ちゃんらしくていいと思いますけど?」


ずんだ「今も時々、晩酌配信しては暴れてるけれど」


   「酒乱の気はこの頃からあったのね……」


ばにら「いやぁ~、企業勢になってから、だいぶ落ち着いたと思いますよ」


   「この頃は、ここからの絡み酒のウザさがヤバかったですからw」


◇ ◇ ◇ ◇


お 局「まぁ、はい、ぶっちゃけるとですねぇ」


   「今流行りのVTuberですか?」


   「あれのオーディションに合格しちゃいましたぁ♪ いぇ~い♪」


さおり「よっ! お局ちゃん! 流石はできる限界社畜!」



―――――――

コメ欄

―――――――


:ま?


:お局ちゃん、VTuberになるの?


:企業勢になるから、個人のチャンネル畳むってことか


:なるほど納得


:最近、こういう流れ多いよね


:多い多い


:有名配信者が、どんどん企業のVとしてバ美肉していく


:お局ちゃんもバ美肉を選んじゃったか


:まぁ、たしかにそろそろお肌も曲がり角


:二次元だったらそういうの気にしなくていいもんね


―――――――



お 局「おい! 誰のお肌が曲がり角じゃい!」


   「お局ちゃんの肌色成分を摂取しにきてるくせに!」



   「とはいえ、もう生身を晒せないのは残念ですね……」



さおり「まぁ、こればっかりはしゃーないて、お局ちゃん」


   「言うてほんま、アンタのお肌も曲がり角やでな」


お 局「あぁん?(ブチギレ)」


   「なんだ、やんのかさおり?」


   「こちとら引退配信だぞ?」


   「もうなにしても関係ないんだぞ?」


さおり「冗談やがな冗談! ほんまにキレる奴があるかいな!」



   「まぁ、とは言っておりますがね」


   「お局ちゃんがちょっと不健康なのは、隣で見てる私がよく知ってます」


   「ドライブインの勤務で相当疲れが溜まっていて」


   「正直、このままあの仕事と配信を続けるのは難しい――」



   「そういうこともあって、今回のVTuberの話に踏み切ったんだよね?」



お 局「あぁ、はい。さおりがフォローしてくれた通りです」


   「正直――」



   「会社から課長にならないかって打診されまして」


   「いや、課長って言っても、ウチって小さなドライブインですよ」


   「実質仕事の内容は変わらないのに、残業がつけられなくなるんですよね」


   「そんな『社畜の極み』みたいな存在になるくらいなら」


   「いっそ夢のある仕事にチャレンジしとこうかなって」



   「年齢的にも、これが転職の最後の機会だと思いますし……」



―――――――

コメ欄

―――――――


:あー、よくある奴だ


:プレイングマネージャーって奴ね


:ブラック企業特有の


:役員になったのに、逆に給料が下がっちゃう現象


:俺もそれだから分かるわ。名ばかり管理職。


:管理職とは?


:役員にすることで実質無制限で残業させほうだい(笑)


:笑いごとじゃねーんだわ


:法の抜け穴よなぁ はよなんとかして欲しいわ


:そらやめて正解よ


:正直、お局ちゃんならVTuberでもやってけると思う


:夢を追うのに年齢なんて関係ないよ


:VTuberになっても絶対に見つけて応援するよ


:頑張って!


:一緒にこの限界の時代を生き延びよう!


:お局ちゃんの新たな出発を祝して――三三七拍子!


―――――――



お 局「みなさん……!」


   「ありがとうございます」


   「そう言っていただけて、お局ちゃんは幸せです」



   「私は本当に、いいリスナーさんに恵まれました」


◇ ◇ ◇ ◇


ずんだ「あらやだ、泣かせてくれるじゃないの」


ばにら「私も、リアルタイムで見てましたけど」


   「思わずほろりと来ちゃいましたね」



   「この後すぐに、三期生の顔合わせがあって」


   「ビビり散らかしたのはいい思いでですw」



ずんだ「…………」


   「そりゃ、びっくりするわ(納得)」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



いいリスナー&いい相方に見守られたお局ちゃん。

長くVTuberを見てると、お別れ配信に立ち会うこともありますが、こういう感じで笑ってバイバイできるのが、やっぱりいいですよね。


寂しいものはありますが、配信者さんやVTuberにも人生がある。

別れの果てに彼らの幸せがあることを願って、送り出してあげたいものです。


もしよければカクヨムコン開催中なので、評価をいただけると幸いです。m(__)m


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