第237話 絶対に笑ってはいけないDStars学園24時 その10(ラスト)
【登場人物】
トキワいま DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV
黒門だいあ DStars1期生 大阪系ファンキーVTuber
羽曳野あひる DStars2期生 雑談配信が得意
津軽りんご DStars特待生 きまぐれ僕っ娘
八丈島うみ DStars3期生 センシティブ委員長
Bちゃん DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当
大内山みるく 羽曳野あひるのママ(絵師さん)
清水K介 だいさんじ所属VTuber アラフォー独身おじたん
【シチュエーション】
締めの月亭方正いじり。
檻に入れられてたみるく先生が登場し――。
◇ ◇ ◇ ◇
みるく「本当なんです! 私はただ娘の様子を見に来ただけで!」
「高性能メイドロボットを破壊なんてしてません!」
K 介「では、その娘とやらが誰か、紹介してもらおうじゃないか」
みるく「それは……(じっとあひるの方を見る)」
あひる「…………(無言で顔を逸らす)」
K 介「うん?」
「貴様、ロリ小学生大人気イラストレーターVTuberから」
「咄嗟に視線を逸らしたな?」
「さてはお前が、こいつの娘だな?」
あひる「…………違います(大嘘)」
四 人「あっひゃっひゃっひゃ!!!!wwww」
※ 既に笑いましたが、あひるタイキックまでお待ちください
K 介「嘘つけ!」
「よく見たら顔が同じじゃないか!」
「3Dモデルも! 同じパパにつくってもらっただろ!」
あひる「そういうメタい話はいいから!」
「おじおじ! 知ってて小ネタ挟むの卑怯だよ!」
K 介「なんだったら、ボーンの配置で」
「同じパパが作った3Dモデルか調べてもいいんだぞ!」
あひる「マニアック過ぎるよおじおじ!」
みるく「あひる、マイ・ドーター……!(ダミ声)」
あひる「かーちゃんもォッ!」
「一番有名な、方正さんネタをぶっ込まないで!」
「ていうか二人とも、ノリノリじゃないか!」
「ハメやがって! ちくしょ~ッ!」
K 介「あっはっはっはw」
「まぁ、あひる嬢がやらなくちゃ」
「誰が月亭方正師匠をやるんだって話だよね」
「ということで、本場タイキックといきたい所ですが――」
「流石にムエタイVTuberに心当たりがなかったので」
「こちらの方をお呼びしておきました」
ずんだ「あらよー!(元気いっぱい)」
あひる「ずんだぁああああああッ!!!!(絶叫)」
K 介「青葉ずんだ嬢です!」
「いや~、なんでも健康のために、ジムに通ってらっしゃるとか」
「キックボクシングもされてると聞きましたが?」
ずんだ「そうだでな」
「やっぱり、VTuberは身体が資本」
「トレーニングしておくに越したことないでなぁ」
「こう!(シュッと脚を蹴り上げる)」
「いつでも!(さらに蹴り上げる)」
「しばきあげられるように!(さらにさらに)」
「しっかり仕上げてあるでなぁ~!(満面の笑顔)」
あひる「VTuberにいらない!」
「キックのキレなんていらないッ!」
K 介「それでは、そろそろ番組のケツも迫ってきておりますし」
「あひる嬢のケツで締めましょうか!」
「これ、台本に書いてありましたけど、僕が言って大丈夫ですかね(汗)」
す ず「大丈夫だよK介くん! 今さらだよ!」
K 介「おっと、一般通過オキツネが!」
「彼女が言うなら大丈夫ですね!」
「それじゃ――」
「スパーンといっちゃってください!」
ずんだ「あひるちゃん?」
「最近、ばにらちゃんと仲がいいよね?(圧)」
「りんごとも、仲良しさんだよね?(圧)」
あひる「ちょっと待って! ずんだ! 弁明させて!」
「ていうか、仲良しなのはいいことじゃん!」
「DStarsは仲良しアイドルグループ!」
「そういうことでどうかひとつ!」
ずんだ「人の大事なものを奪う悪い子は――」
「おしおきだでな!!!!」
あひるの尻『スパーン!!!!!!!!』
あひる「痛ぁぁあああああああい!!!!」
Bちゃ「はい、ということで」
「除夜の鐘ならぬ、あひるの鐘が鳴ったところで」
「絶対に笑ってはいけないDStars学園24時」
「お開きでございます」
「来年も、みなさんにとって良い年でありますように」
「それではよいお年を~~♪」
あひる「こんなのってないよ! あんまりだよ!」
「うわぁ~~ん!」
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「いや~」
「大晦日特番、あひる先輩たいへんバニな」
ずんだ「手加減したんだけれどね」
「あの娘、身体よわよわだから」
「それでもあんなに騒ぐんだから、リアクション芸人よね」
「ちょっと尊敬したわ」
ばにら「まぁ、あの空気ではね……(白目)」
ずんだ「あ、除夜の鐘が鳴り始めた」
ばにら「今年も、もう終わりですね」
ずんだ「どうする? そろそろ年越し蕎麦でも作ろうか?」
「それとも、もうちょっと呑んじゃう?」
ばにら「年越し蕎麦を作りましょう」
「明日は、みんなで初日の出を見に行きますし」
「いつもみたいに深酒は厳禁ですよ」
ずんだ「…………むぅ」
「なんか普通に、花楓がみんなと仲良くなっちゃって」
「独占できる時間が減ってる気がする」
ばにら「そんなことないでしょ?」
「こうして、大晦日に二人で晩酌してますし……」
「まぁ、最近は飲み会になっちゃうことも多いですけど」
ずんだ「それよ!」
「本当なら、私と花楓だけの、特別な時間なのに!」
「アイツらったら、遠慮なしに入ってきて……!」
ばにら「あははは(苦笑い)」
「けど、なんか断っちゃったら、ガチ百合っぽくないですか?」
「結婚待ったなしみたいな……」
二 人(まぁ、それはそれで、悪くないけど)
ずんだ「はぁ……ほんと、百合営業って大変よね」
ばにら「ですね。来年も、無事にこの関係が続けられるといいんですが」
ずんだ「来年も、再来年も、その後も、続くわよ」
「だって、私たち最高のパートナーじゃない?」
ばにら「…………!」
「はい、そうですね!」
「これからも二人で、ビジネス百合を頑張って行きましょうバニ!」
スマホ『新年を告げるアラームの音』
二 人「あけまして、おめでとうございます」
「本年も、百合営業よろしくお願いいたします」
「にしししw」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
と、いうことで。
大晦日はもう過ぎちゃいましたが、ずんばにてえてえというオチでした。
なんだかんだで、グループ内にしっかり馴染んできたばにら。
これもずんだが先輩としてお世話をやいたおかげか。
けれど、それで独り占めができないのがちょっと寂しかったりもする。
百合って複雑でございますね。
けれども、二人がお互いにとって特別な存在なのは変わらない。
これからもずっとこんな感じで、まったり続いていくのでしょう。
え?
あひるのケツは大丈夫だったかって……?
それはずんさんに聞いてくれ……!
ということで、本年も「VTuberなんだけど百合営業することになった。」をどうぞご贔屓に。余裕ができ次第、第三部の方にはかからせていただきます。また、ここ一年、応援していただいた読者のみなさま、本当に感謝しております。 m(__)m




