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【二部完結】VTuberなんだけど百合営業することになった。  作者: kattern@GCN文庫さまより5/20新刊発売
番外編 ばに~らハウスへようこそ ~宮古島たるとが来た!~
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第213話 ばに~らハウスへようこそ その6

【登場人物】

出雲うさぎ  DStars3期生 妹系巫女さん

宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫

川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意


【シチュエーション】

収録スタジオの機材トラブルで、ばにらの家に避難したうさぎとたると。

重たいばにらのファンとして、たるとは家に上がるのを拒否するが――。


◇ ◇ ◇ ◇


ばにら「ふぁあぁ、優しい味バニぃ」


   「たるとちゃん、やっぱりお料理上手バニなぁ」


たると「そんなことないよ」


   「小麦粉と砂糖と卵とベーキングパウダーを」


   「混ぜてこねて揚げただけだからw」


ばにら「いや、この揚げ具合が絶妙だと、ばに~らは思うワケ!」


たると「ちょっとばにらちゃんw」


   「さっきから、配信の喋り方になってるw」


ばにら「バニ! まったく気がつかなかったバニ!」


たると(はぁ、いいなぁ、ばにらちゃん)


   (リスナーとして、聞いてた時にも親近感あったけど)


   (後輩として接しても親近感がある)



   (同じ地方で生まれてよかったさー!)



ばにら(たると先輩、めっちゃ話が分かるバニ!)


   (なにを言っても肯定してくれるし)


   (ばにーらの話を分かってくれる)



   (最高に甘やかしてくれる理想の先輩バニよ!)



たると「そういえばなんだけど」


   「ばにらちゃんは、どうしてVTuberになろうと思ったの?」


ばにら「どうしてって……」


   「ばに~らは、元々、ニコ生で配信者をやっていて」


   「人の前でゲームしたり、お話したりするのが好きで」


   「それでって感じバニですな」


たると「そっか、ニコ生やってたんだ」


   「すごいなぁ……」


ばにら「たると先輩は、何かしてなかったバニか?」


たると「私? 私はねぇ……」


   「元々は、うたみたをやってたんだよねぇ(てれてれ)」


ばにら「あぁ、なんか聞いたことあるバニ!」


   「島唄専門のうたみたをやってて、それで運営に拾われたとか!」


たると「えへへ」


   「実はね、それちょっと違ってて」


ばにら「はにゃん?」


たると「島唄のうたみたのチャンネル《《も》》やってたの」


   「一緒に『アニソン』のうたみたもやってたんだ」


   「水樹奈々ちゃんとか、桃井はるこさんとか、田村ゆかりさんとか」


   「女性アニソンシンガーの曲をいっぱい歌ってて」


   「そっちの動画を見て、事務所が声をかけてくれたの」


ばにら「えーっ! ぜんぜん知らなかったバニ!」


   「それじゃ、たると先輩も結構なオタ……むぐぐぐ!(口を抑えられる)」


たると「しーっ! これ、本当に秘密な奴だから!」


   「事務所からも『清楚のイメージ崩れるから言うな』って言われてるから!」



   「ばにらちゃんだから、教えてあげるんだよ?(///)」



ばにら「…………バニ」


   「たると先輩にそう言われると、もう黙るしかないバニなぁ」


   「そっか、ばにーらだから教えてくれるバニか」



二 …………



   (うーん、今の、なんだか百合っぽくねぇ?)



ばにら(ばに~らには、ずんさんという大切な百合営業のパートナーが)


   (ここに来て、たると先輩と百合百合してしまったら……)



   (厄介ファンが暴れそうな気がするバニ!)


   (あと、ずんさんも!)



たると(ど、どど、どうしよう!)


   (なんか勢いで、ムードのあること言っちゃったよ!)


   (私はただのばにらちゃんの先輩で! 百合営業相手じゃないのに!)



   (これじゃ、いまちゃんやずんだちゃんに怒られちゃう!)



ばにら「たると先輩」


   「ばに~らを信頼して、教えてくれたんですね」


   「ありがとうございます」


たると「ア、ウン」


   「ソ、ソウダヨー」


ばにら「だったらばにーらも、この秘密は墓まで持っていきますバニ!」


   「後輩として、オタク仲間として、ここに誓うバニ!」


たると「ア、アリガトー」


   「タ、タスカルヨー」


ばにら「たると先輩!」


   「ばに~らとたると先輩は、同じ時代を、同じ地方で暮らした仲間!」


   「オタク仲間――戦友として、これからもよろしくバニ!」


たると「ウ、ウン、ソウダネー! ソレガイイヨー!」


ばにら(これが無難な落としどころ!)


   (ということで、美月さん許してください!)


たると(オタク仲間!)


   (嬉しいし、誇らしいけれど……もう一声欲しかった!)


   (けど、これ以上を望むのは贅沢だよね……)



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



抱けっ!! 抱けーっ!! 抱けえっ!!(ノスタル爺)

ここまで来て「お友達」の線を引いちゃうのが、ばにらとたると――陰キャの限界。そこを踏み越えられるのはやっぱりずんさんだけなんですよ。たぶん。


というわけで、たるばにはありません安心してください!

これからも、ずっとずんばにやっていきます!


え……たるばにの方がよかった? そんなことを言っちゃう読者さんの前には、フルフェイスのバイクマスクを被った、綺麗なお姉さんが――という所で、オチはおわかりですよね?


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