第210話 ばに~らハウスへようこそ その3
【登場人物】
出雲うさぎ DStars3期生 妹系巫女さん
宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
【シチュエーション】
郊外にあるスタジオに音源収録にきたうさぎとたると。
しかし、スタジオの機材トラブルで、待ちぼうけをくらってしまい……。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「まぁ、立ち話もなんですから、はやく入ってくださいバニ」
うさぎ「そうそう」
「こんなボロアパートに遠慮なんてしなくていいですよ」
「もう土足で上がっちゃって」
ばにら「オメーはもうちょっと遠慮しろ、うーちゃん!」
うさぎ「ばにらー、何かおかしないー?」
「私、お昼抜いてきたから、腹ぺこでさー」
ばにら「あるわけねえだろ!」
「ばに~らハウスの冷蔵庫には、牛乳と大豆バーしかないよ!」
「コンビニ(ばに~らハウスから15分)行ってこい!」
うさぎ「え~、めんどくさぁ~い」
「ばにら買って来てよ~! 私、フルーツサンドねぇ~?」
ばにら「家主以上にくつろぐんじゃないバニ!」
たると「…………(玄関で直立不動を崩さぬファン)」
二 人「…………(どうしていいか分からぬ後輩)」
ばにら「あ、あの、たると先輩」
「流石に、ばに~らたちも、冗談でやってるわけで」
「たると先輩にくつろいでもらおうかなって」
「そう思ってふざけているわけで」
うさぎ「そうだよ! たると先輩!」
「このあと収録が控えてるのに、ずっと立ってたらしんどいよ!」
「ばにらもこう言ってるんだし、上がってくださいよ!」
たると「いや……」
「(尊すぎて)足の踏み場がなくて」
うさぎ「ばにら! ちゃんと掃除しておけよ!」
「だからこんなボロアパート、はやく引っ越せって言ったんだよ!」
ばにら「その言い草はないバニじゃん!」
「けど! たると先輩が困ってるの見ると、言い訳できねえ!」
「ごめんなさいたると先輩、こんな(汚い)家で!」
※ばに~らハウスはおんぼろですが、けっして汚くはありません。ばにらさんが、かなり丁寧に使っていますし、こまめに掃除などもしています。大家さんも「あんなボロアパートを、綺麗に使ってくれるいい娘だよ……」と太鼓判を押すほどです。
たると「違うのばにらちゃん! これは私の問題さー!」
「私が……私に(推しの家に上がる)勇気がないばっかりに!」
ばにら「勇気が要るような家で、本当にごめんなさいバニ!」
「あの……よかったらこれ! 使ってください!」
「オンラインクレーンゲームでコラボした『ばにらのクッション』バニ!」
「サンプルでもらって、使ってなかった新品だから綺麗バニ!」
たると「(失礼過ぎて)座れるわけないさー! そんなの!」
ばにら「ごめんなさいバニ!」
「普段から来客用の座布団を用意しておくべきだったバニ!」
「だから、どうか許してください!(半泣き)」
たると「…………はぁはぁはぁ(疲労困憊)」
ばにら「…………ぜぇぜぇぜぇ(満身創痍)」
たると(どうするさー、宮古島たると!)
(推しの家にお邪魔するなんて、ファンとして千載一遇のチャンス!)
(けど――あくまでこれは仕事で訪れただけ!)
(職権乱用なんて許されるわけない!)
ばにら(たると先輩、そんなにばにーらハウスに入るのがいやバニか?)
(前に楽屋で話した時、いい人だなって思ったのに……)
(ちょっとショックバニ)
たると「とにかく、ばにらちゃんの家で待たせてもらうのは悪いわ」
「うさぎちゃん、ここは違うお店に……!」
うさぎ「…………zzz」
「…………うーん、みんな、今日もスパチャありがとう」
「…………もっとうさぎに貢げ☆」
二 人
(爆睡しとるやんけ)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
さんざん煽り散らかしておいて、すっかりばにらの家になじんでいるうさぎ。
変に片付いてる家より、ちょっと汚いくらいが落ち着けることってありますよね。
え、ない?
そうですか……おかしいな……?(白目)
筆者が男性なので、こういう細かい女性の家の描写とか苦手! けど、まぁ、ずんだの家とかそれなりに頑張ってるつもり! 一方で、こういうばにらみたいな女の子もいるよね――と思った方は、ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしく!m(__)m




