第208話 ばに~らハウスへようこそ その1
【登場人物】
出雲うさぎ DStars3期生 妹系巫女さん
宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫
Bちゃん DStars裏方兼事務職員 広報配信を担当
【シチュエーション】
うさぎ&たるとの歌みた収録。
都内郊外にある貸しスタジオを借りた――のだが?
◇ ◇ ◇ ◇
うさぎ「えっ! 機材トラブルですか!」
Bちゃ『すみません、急にマイクが壊れたらしく』
『ついさっき事務所に連絡が来まして』
『スタジオのスケジュールは空いているので』
『数時間ほど、喫茶店で時間を潰していただけると助かります――』
『とのことです』
うさぎ「勘弁してよ! もう!」
「うさぎ、大学の講義を休んで来たんだよ!」
「夜も今日は配信あるんだから!」
Bちゃ『突発的なトラブルですから、こればかりは……』
『けど、今日を逃すと、たるとさんのスケジュール的に難しいですし』
うさぎ「それはそうだけど……(たるとの方を見る)」
たると「私なら大丈夫だよ、うさぎちゃん!」
「スタジオの機材が直るまで、いくらだって待つさー!(ふんす)」
うさぎ(う~、ここでうさぎが「帰る!」って言ったら)
(たるとちゃん先輩に迷惑がかかっちゃう!)
(けどやだなぁ……)
(たるとちゃん先輩は優しいけど)
(あんまり喋ったことないから、間がもたないよぉ)
Bちゃ『とにかく、そういうことですので』
『どこかで時間を潰してください』
『あ、お食事代は経費で落としますけど』
『調子に乗って高いものは頼まないように!』
『それじゃ、私はこれで……!』
うさぎ「あ、ちょっと、Bちゃん!」
「切れちゃった……もうっ!」
たると「どうするさー、うさぎちゃん?」
「マクドにする? それともスタバ?」
「私はどこでも大丈夫だよ?(大天使スマイル)」
うさぎ(うぅっ! たるとちゃん先輩の笑顔がまぶしい!)
(これが事務所公認&秘蔵の圧倒的清楚力!)
(こんなの正面から浴びせられたら、収録前にメンタル病んじゃう!)
(なんとかしてたるとちゃん先輩の清楚を受け流さなくちゃ――)
(なにか、なにかいい方法は……)
うさぎ「あっ!」
たると「うん?」
「どうしたさー、うさぎちゃん?」
「もしかして、どこか行きたいお店とかある?」
うさぎ「いやぁ~、やっぱりうさぎたちって有名人じゃないですか」
「だから、普通の喫茶店とかファーストフード店とか」
「入るとまずいと思うんですよね」
たると「あー、たしかに」
「けど、ひそひそ話してたら、バレないんじゃない?」
うさぎ「だめです! たると先輩!」
「そういう気の緩みがいけないんです!」
「VTuberもアイドルも一緒!」
「ちょっとの油断がスキャンダルに繋がるんです!」
たると(うさぎちゃん、年下なのにしっかりしてるさー)
うさぎ「ということで、近くに住んでるメンバーの家に避難しましょう!」
たると「近くに住んでるメンバー?」
「こんな都内の外れに、住んでる人がいるの?」
「へー、知らなかった」
うさぎ「今、ちょっとディスコで連絡を取りますから、待っててください――」
「もしもし、ばにら~? 今、暇だったりする~?」
たると「………………へ?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
OH! たるとさん! 後輩を天真爛漫にWATCH!
マバユイマバユイネ!(半年遅れのパモさん構文)
大天使にして大清楚、宮古島たるとが久々の登場。
うさぎと一緒にうたみた収録することになったのですが、ここでまさかの『推しの家へお邪魔する』というイベントが発生してしまう。
はたして、たるとは清楚を維持することができるのか……!
あと、何気にうさぎが話を動かすのは、番外編でははじめてかもですね。ちょっと生意気だけれど等身大の女の子として、大切に扱っていこう――と思っておりますので、よろしければ彼女も応援のほどよろしくおねがいします。m(__)m




