第190話 あかちゃんかつぜちゅ その8(ラスト)
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
網走ゆき DStars零期生 よく炎上する
【シチュエーション】
ばにら、滑舌について勉強中。
最後に悪い例として、ゆきちの配信を見ることに……。
◇ ◇ ◇ ◇
ゆきち「おめーら! いつもゆきのかつぜちゅがあかたんあかたんって!」
「こちとら【ピー】歳の、大人やじょ!」
「たしかに、ゆきも言えてないにゃって思うときもあるけど!」
「あたかんはいいしゅぎだろーがよぉ! おい!」
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コメ欄
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:もうこの言い訳からして言えてないんよ
:感情がそのまま声に乗る女
:落ち着いて話してもろて
:会社でボイトレとか受けてこなかったの?
:なに言ってるかわがんない
:↑いつものこと
:この滑舌で事務所に入れたことが奇跡
:滑舌よわよわなのはいい 赤たんなのもいい けど八つ当たりはやめよう
:義務教育の敗北
:小学校からやり直すべきか
:いや、幼稚園では?
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ゆ き「でゅまれ!!!! ペヒャッ!!!!(唾を吐く音)」
「ゆきはちゃんと小学校も中学校も卒業してます~!」
「高校は……まぁ、ちょっといろいろありましたけど」
「とにかく! ちゃんと義務教育受けてますから!」
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コメ欄
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:受けてこのレベルかァ
:漢字の読み間違いも多いしな
:実況者としてそれはどうなのって感じよね
:美少女ゲーマニアって言ってるけど、ちゃんとシナリオ読めてるの?
:いや、美少女ゲーは心で感じるものだから
:CLANNADはよいぞ
:ワイは名雪ちゃんやね
:僕は初音ちゃん!
:↑おいこら
:企業Vのチャンネルで何を言ってんねん
:吸血殲鬼ヴェドゴニアというのがあってですね
:待て、それは泣きゲーじゃない
:たしかに名作だけれどもw
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ばにら「…………」
「滑舌よくするのも難しいですけど」
「悪くするのも難しいですよね」
ずんだ「そうよね」
「ゆきもこのスタイルにたどり着くのに苦労したみたいよ」
「個人勢時代に、二・三回は転生して」
「今のスタイルに落ち着いたらしいわ」
ばにら「二・三回転生って……!」
「その度に、ガワとか配信用のアイテム揃えてたら」
「めちゃくちゃお金かかっちゃうじゃないですか!」
ずんだ「あ、大丈夫」
「ゆきは私たちより世代が上じゃない」
「ニコ生とかよりもうちょっと前」
「たしかインターネットラジオの時代に転生はしたそうよ」
「声だけだから、そういうのは一切かからない」
「むしろ、『どうやって、別人の声に仕上げるか……?』」
「みたいなことに躍起になってたみたい」
「大変よね~(他人事感)」
ばにら「ひぇっ……」
「ゆき先輩も苦労してるんですね」
ずんだ「若い頃は『声優』を目指してたとか言ってたわ」
「芽が出なくて、地元のエロゲショップに就職して」
「趣味でネットラジオ、ニコ生、VTuberと転々とするうちに」
「気がついたらここまで来てたんだって……さ」
「だから、この程度ガイガイ言われたくらいじゃなんともない」
「むしろもっと騒げ、もっと認知しろ……って」
「ほんと強いわよね~(他人事感・二度目)」
ばにら「ゆき先輩……」
「けど、炎上芸はどうかと思うバニですよ(真顔)」
ゆ き「きゅうけちゅせんきべどごにゃあ!」
「ふぁーっ、また懐かしいの引っ張りだして来たにぇ~!」
「まどマギの虚淵先生が企画・脚本やってる作品じゃねーの!」
「ゆきもやりましたよ、子供の頃に……」
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コメ欄
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:あ
:はい、アウト
:子供が美少女ゲーしちゃダメでしょ
:いや、もしかしたら一般向けかも
:ニトロプラスでも初期の初期の作品ぞ
:沙耶の唄の前といえば……察していただけるよな?
:今はすっかり一般ゲーというか、別分野の会社だよね、ニトロ
:まぁ、こういう懐かしいオタ話ができるのはゆきちゃんのチャンネルだけよ
:とはいえ、これはまた謹慎かな?
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ゆ き「違う違う! 違うの! 昔やったって意味なの!」
「誤解しないでぇ! 許して、メディ倫しゃぁん!」
ばにら「…………」
「これも計算してやってるんですかね?」
ずんだ「残念ながら、これは普通にPONだと思うわ」
「古のオタクも大変よね……」
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吸血殲鬼ヴェドゴニアをコメント欄で出せるのは、網走ゆきのチャンネルだけ!
いや、それはそれでどうなのよ……。(また謹慎だにぇ……)
めげないしょげないへこたれない、滑舌よわよわキャラだけど、それでも頑張る網走ゆきを今後ともどうぞよろしく! たぶん三部では、ちょっとくらいは出番あります!(たぶん)




