第186話 あかちゃんかつぜちゅ その4
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
生駒すず DStars1期生 JKお狐VTuber
【シチュエーション】
チャンネルを変えて生駒すずの番組。
◇ ◇ ◇ ◇
す ず「さて、最初の部屋を出ると、おどろおどろしい廊下になっておりまして」
「まずは入ってすぐの鍵の絵を撮影するんですね」
「そうすると、突き当たりの次の扉が開くんですが――」
「このとおり、同じ廊下なんですね」
「そして時間だけが進んでいる――っていうね」
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コメ欄
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:おぉ、怖い……
:ループモノってこと?
:ゲームシステムからして怖い
:よく見つけてきたなこんなゲーム
:けど、廊下自体は明るくてそんなに怖くない
:いやいや、こっからよ
:SAN値とかステータスに出る時点で察して欲しい
:どんどんと日常が崩壊していく怖さよ……
―――――――
す ず「あとは回廊の中に置かれている被写体を撮影していきます」
「被写体ごとに、時間を進めたり、幽霊を退治する力を増したり」
「いろいろな効果がありまして、これを必要に応じて集めていきます」
「フィルムを使い切ると最初の部屋に強制的に戻されて」
「撮影した写真から、どの効果を使うのかを吟味し」
「自分を強化して、再度回廊に挑む――」
「という流れですね」
―――――――
コメ欄
―――――――
:なるほど、わからんw
:ドラフトゲーやってるとすんなり分かるんだけどね
:カードブーストしたり、圧縮したりがミソよな
:相当バランスよく設計してある
:犯人当てはどうやるの?
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す ず「そう、犯人当てなんですが」
「『ヒント』のある時間がテーブルにまとめられていて」
「その時間まで移動し、『ヒント』を撮影すると」
「犯人もしくは被害者の名前が、一文字分かるんです」
「『ヒント』は複数の時間に設定されていて」
「それにより『犯人』『被害者』を特定」
「そこからさらに、犯行時の心理状況を読み解き……」
ばにら「プレイしながらリスナーと会話してる」
「滑舌もですけど、この余裕も羨ましいですね」
ずんだ「そうねぇ」
「ゲームしながらコメントを追うのは、配信者の必須スキルだけど」
「すずみたいに即レスできるVは」
「そういないわよね」
ばにら「はぁ~(クソでかため息)」
「どうやったら対話力って身につくんですか?」
「なにか特別な訓練でも受けたのかな?」
ずんだ「どんだけ無駄な訓練なのよ(苦笑い)」
「あ、けど……」
「そうそう! そうだ、思い出した!」
ばにら「ばに? 何を思い出したんですか、美月さん?」
ずんだ「すずとぱるけちゃんの共通点!」
「二人ともTRPGをやってるのよ!」
ばにら「TRPG?」
「はにゃん?(よく分かってない顔)」
ずんだ「花楓……?」
「アナタ、オタクなのにTRPGを知らないの?」
ばにら「RPGは普通にやりますけれど……」
「Tってなんですバニか? タクティクスとかですか?」
ずんだ(あ、これ本当に知らない反応だ……)
ばにら「よく分からないですけど」
「すず先輩とぱるけちゃんがやってるなら」
「そのTRPGっていうのに、滑舌つよつよの秘訣がありそうですね」
「今度一人でやってみます!!!!」
ずんだ「いや、一人じゃできないかな」
「あと、けっこう手間がかかるし」
「そっか……うん、そうだよね」
「オタクでもやらない人はやらないよね(遠く寂しい瞳)」
ばにら「ふぇ?」
ずんだ「なんでもない、気にしないで」
ばにら「そういう美月さんはやったことあるんですか?」
「そのTRPGって?」
ずんだ「……そうねぇ。まぁ、女優してたかしら(遠い目)」
ばにら(その割りには、青葉ずんだの滑舌はそこまでよくないんだよなぁ)
(女優時代の方がよかったというか)
(キャラを作ってるというか)
(あぁ、そっか)
(ゆき先輩と同じだ)
(滑舌がよすぎると、女優時代のことがバレちゃうから……)
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
ばにら、珍しく空気を読む。
ずんだの滑舌の悪さの理由を説明されずとも察するのだった。
まぁ、本当に身バレ対策は大変ですよね……。
バレちゃいけない昔の素性。VTuberとして、第二の人生を歩んでいるずんさんを応援してるよという方は、ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m




