第182話 絶叫配信 その8(ラスト)
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
秋田ぽめら DStars特待生 みんなのママ
【シチュエーション】
後日、ずんだ宅で宅呑み反省会。
◇ ◇ ◇ ◇
ずんだ「どう、ちゃんとできてたでしょ!」
「ホラゲがなんだって言うのよ!」
「私だって、その気になればできるんだから!」
ばにら「いやいや、めっちゃ絶叫してましたやん」
「正直、深夜帯にやる配信じゃないですよ」
「Twitterでも『絶対寝ちゃいけない時に見る動画』って」
「言われてますよ」
ずんだ「はっはっはっは! 私の配信で寝る奴がいけないのよ!」
ばにら(……すごい言い草だ)
(けど、美月さんっぽいなぁ)
ずんだ「まぁ、たしかに配信中にはいっぱい叫んじゃったし」
「リスナーの鼓膜を破りまくったけど」
「それはみんなも望んでるわけだし――」
「ノーカンって話よね♪」
ばにら「なんでも自分に都合良く解釈できる」
「その胆力は流石です、美月さん……」
ずんだ「なによ、なにか文句あるわけ?」
ばにら「普通にありますバニですけど?(真顔)」
「なんでばに~らじゃなくて、ぽめら先輩を呼んだんですか?」
「呼ばれたらすぐに駆けつけたし(圧)」
「なんだったらサポートしたのに(圧)」
ずんだ「そ、それはほら……」
「動画の最初にも言ったでしょ」
「もう、DStarsのメンバーはみんなやっちゃってて」
「ぽめしゃくらいしか、初見の人は残っていなかったって」
ばにら「本当の理由は?(さらに圧)」
ずんだ「そ、そんなの……ないってば!」
「ゲーム実況は初見でやるからこそ映えるんじゃない!」
「見守り配信なんて面白くならないわ!」
「本当にそれだけ! そのおかげで面白い配信になったでしょ!」
ばにら「…………まぁ」
「めったにホラゲーをやらないぽめら先輩と」
「同じく、久しぶりにホラゲーをした美月さんのコラボで」
「トップクラスの再生数になってますけど」
ずんだ「ほらね? だから狙い通り!」
「これも全て――再生数を叩き出すための私の作戦ってわけ!」
「まだまだ、花楓は配信業のなんたるかを分かってないね」
ばにら(……私の見守り配信でも、そこそこ数字出たと思うけどな)
(まぁ、美月さんがそう言うなら、そういうことにしておくか)
ずんだ(危ない危ない)
(花楓の圧に負けて、うっかり喋りそうだった)
(後輩にギャーギャー騒いでる姿を見せたくなくて)
(ぽめしゃを頼ったなんて……)
(この秘密は、墓まで持っていくわよ! 絶対に!)
ばにら「それじゃずんだ先輩」
「今度のチラズの新作は、私と一緒にコラボしましょうね?」
ずんだ「…………(顔面蒼白)」
「か、かんがえて、おくね」
◇ ◇ ◇ ◇
【シチュエーション】
配信直後。ぽめら、先生の運転で自宅に帰宅中。
先 生「それにしても、ずんださんがオフコラボなんて珍しいね」
「しかも君を名指しで頼ってくるなんて」
ぽめら「あー、それねー」
「ずんだってかっこつけだからさぁ」
「ギャアギャア騒ぐところを、ばにらに見せたくなかったのよ」
先 生「そうなの?」
ぽめら「ウチの勘だけどね」
「けど……」
「家でも外でもお母さんやってたら」
「子供の考えてることなんて、顔を見たらすぐ分かるよ」
先 生「それで、苦手なのに引き受けちゃったのか……」
ぽめら「甘えられると断れないからなぁ」
「はぁ、ウチは別にお母さんになりたくて」
「VTuberになったわけじゃないんだけれど」
「ただでさえ、ウチには赤ちゃんが二人もいるのに(先生を見ながら)」
先 生「ほんと、いつも迷惑かけてごめんね……」
ぽめら「……まぁ、今日は一緒に寝てくれるから、許してあげる」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
というわけで、アフタートークでございました。
すべて察している大人なぽめらさん。本人はやる気はないのに、周りに頼られてお世話役になっちゃう……そんな優しい彼女に幸あれ。
そして、ずんさん。今度はもう逃げられないぞ?
次回、ホラゲ回があるかどうかは分かりませんが……その時は、ばにらとずんだの絶叫配信になるかと思われます。w
今回はちょっと変わった組み合わせ&変わった内容。ぽめらとずんだのうろたえる様に、何か新しい扉を開いてしまった――という方は、ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m




