第174話 青葉ずんだの知らない世界 その6
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
網走ゆき DStars零期生 よく炎上する
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
八丈島うみ DStars3期生 センシティブ委員長
【シチュエーション】
ゆ俺恥ブームに傷ついたゆきを慰めるオフ(ゆきち宅)会。
◇ ◇ ◇ ◇
う み「ふーむ」
「いったいなにを隠しているんだ?」
「ここまで話して、まだ隠すことってありゅ?」
ばにら「も、もういいじゃんかこの話は!」
「私とゆき先輩が意気投合した理由は分かったでしょ!」
「いやぁ~! やっぱり葉鍵は最高ですよねぇ~!」
ゆ き「うんうん、だよねぇ」
「今でこそ成人向けから撤退したけど」
「一枚絵に独特の良さがあって、それがまた……」
ばにら「ゆき先輩ッ!!!!(顔面蒼白)」
う み「……あっ、その反応」
「なるほど、そういうことか(察した)」
ずんだ(なになに?)
(いったいどういうこと?)
(さっきから三人の話に追いつけない……)
う み「ばにら~?」
「さてはお前、やったなぁ~?」
ばにら「な、なんのことバニか?」
「ばに~らは健全VTuber。キッズチャンネルの主」
「そんな、ばに~らがやるわけないバニじゃん……(目を逸らしつつ)」
う み「恥ずかしがるなって!」
「委員長だって、配信でバンバンBL話とかしてるし!」
「私らも年頃の女の子――いや、いい大人なんだから」
「そういうのに興味があるもんでしょ?」
ばにら「おめーのBLと一緒にすな!」
「というか、さすがにこれは話が違うと言うか」
「男性向けのゲーム、だから、ね……(顔真っ赤)」
う み「あはは! 照れちゃってかわいいんだから!」
「そういう表情すると、もっと虐めたくなっちゃうぞー?」
ばにら「やーめーろー!」
「ふざけんなバニ!」
ずんだ(……どういうことなの?)
(男性向けのゲームだから恥ずかしい?)
(まずそこから分からん)
(ゲームなんて半分以上が男性向けでしょ?)
(なのに――なにを恥ずかしがってるの?)
(むしろ、そんなこと言ったら、ゲーム配信できないじゃない?)
う み「まぁ、たしかにそういうところはあるよね」
「私もサクラ大戦のファンって言うの」
「なんだかんだで勇気が要ったし」
ばにら「……でしょ?」
う み「なるほど、それでゆきちか」
「ようやく話が繋がったわ」
ばにら「ゆき先輩が、初代PC版を持ってるって聞いて」
「ゲームからPCまで貸してもらって」
「ファンディスクまでお世話してもらってるうちに……」
「気づいたらズブズブの仲に(半笑い)」
ゆ き「私が、責任を持って、ばにらを沼に沈めました」
「やっぱり原典は大事」
「たとえそれがエ……男性向けゲームでも、名作ならやるべき」
「そう、私は思います(ドヤ)」
ばにら「いやぁ、やってよかったって思ってます」
「なんでユズハちゃんに娘が……とかずっと気にしてましたもん」
「その辺りが補完ができて、いっそう世界に浸ることができた」
「ゆき先輩には頭が上がりません」
ずんだ「ふーん、よく分かんないけれど、そんなにいいゲームなんだ」
「私もやってみようかなぁー」
三 人「う゛ぇ゛っ⁉」
ずんだ「なんでそんなに驚くのよ?」
「布教じみたことしておいて、その反応はないんじゃない?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
濃いオタクの群れの中に迷いこんでしまった一般人。
この「オタクサークルに、一般人が紛れ混んできた」感よ。
そして、「そんなに面白いなら、私も読もうかな……」展開よ。
ゼロ年代のヒロインかな?(白目)
はたしてずんさんは、ばにらに続いてゆきに沼に沈められてしまうのか。次回、番外編ラスト! ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m




