第165話 なぞなぞマスク その5
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
青葉ずんだ DStars特待生 グループ最恐VTuber
生駒すず DStars1期生 JKお狐VTuber
【シチュエーション】
なぞなぞマスクの切り抜き視聴中。
今回はばにらの配信回。
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「あ、今度は私の配信ですね」
「この時は、すず先輩から急にボイチャが来て」
「めちゃくちゃ焦りました……」
ずんだ「ありえないくらいキョドってたものねアンタ」
「何回か共演してるんだし、もうちょっと慣れたら?」
ばにら「いやー、まだまだ私はコラボ配信苦手です」
「美月さんや三期生とは上手くやれるんですけど」
ずんだ「そういう所を心配して、すずも凸ってくれたんだと思うわよ」
「また今度でいいから、お礼を言っておきなさいね」
ばにら「配信終わってすぐにしましたよ」
『すず先輩、今日は絡んでくれてありがとうございました……』
「って!」
ずんだ「この配信終わったのって、たしか深夜よね……」
ばにら「あれ? なんで知ってるんですか?」
◇ ◇ ◇ ◇
???「はーっはっはは! はーっははは!」
「私の名前はなぞなぞマスク!」
「久しぶりだね! ばにらちゃん!」
ばにら「あ、どうも。その節はお世話になりましたバニ」
「お元気でしたバニか?」
???「普通に返されても困るんだが!(困惑)」
「キミもVTuberなら、もっと映えるリアクションしないと!」
「生駒も困っちゃうよ!」
ばにら「ところで、生駒先輩に似ているようで、別人のなぞなぞマスクさん」
「今日はなんの用バニか?」
「ばに~らはTTT(天空トラップタワー)の建造に忙しいバニよ」
???「まぁまぁまぁ」
「ちょっとくらいお時間いただいてもいいじゃない」
「ということで……ナゾナゾ対決だばにらちゃん!」
「もしも間違えたら、キミの大切なアイテムを譲ってもらうよ」
「えるふちゃん謹製の『逆バニ刀』とかね!」
ばにら「おっと! これは譲れないバニ!」
「けれど、VTuberとして勝負を挑まれたからには」
「逃げる訳にはいかないバニな!」
「いざ尋常に決闘!!!!」
???「あひるちゃんとのコラボ、まだ引きずってます?」
「まぁいいや。気をとりなおして……」
「童話『うさぎとかめ』というのはご存じですね?」
「あの試合のあとすぐに、うさぎさんが待ったをかけました!」
「再試合の結果、またしてもうさぎさんは寝てしまいました」
「さて、どうしてでしょう?」
ばにら「…………」
「え、ちょっと難しすぎるんじゃないバニですか?」
「これ、ノーヒントで答えられる人いるバニですかね?」
???「まぁまぁ、なぞなぞだから」
「あまり深く考えないでどうぞ!」
ばにら「いや、こっちはえるふのプレゼントがかかってるバニよ」
「うーん……」
「普通に眠たかったから?」
???「おーっと! いい所に気がついたぞばにらちゃん!」
「ほぼ正解だ! けど、どうして眠たかったのかな?」
ばにら「マラソンして疲れてたから……」
「いや、それだけじゃ弱い気も……」
???「だよねだよね。それだけじゃ眠る理由にならないよね」
「けどさ、理由がなくても眠たくなる『時』ってあるよね」
ばにら「…………あ!」
「わかったバニ!」
「答えは『夜だったからバニ!』」
???「ピンポンピンポン大正解!」
「昼寝をして試合に負けたうさぎさん!」
「そして、えっちらおっちら歩いてゴールした亀さん!」
「当然、決着は夜――」
「ということで、眠気に逆らえなかったんだね!」
ばにら「ちょっと無理のある答えじゃないバニか?」
???「勝ち負けまでは言ってないからね」
「なぜ寝てしまったのかを問うているわけだから」
「これが正解でいいのだ!(どやぁ)」
◇ ◇ ◇ ◇
ばにら「…………」
「このなぞなぞって、全部すず先輩が考えているんですかね?」
ずんだ「考えてると思うわよ」
「あの娘、こういうのに妥協しない性格だから」
ばにら「普通に配信して、問題も作って、タフですよね」
「本当に四人いるのでは?」
☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆
なぞなぞって本当に才能だと思うんです。
僕もこれ書いてて思いました。(しんどい)
こんな凸もして、配信もして、裏でゲームもして、コラボもしてラジオもする……いったいすずちゃんの体力はどうなっているんだ。やはり四人いるのか……。
やはりオキツネ人を化かすのがうまい! しかし、この箱にはもう一人、キツネに匹敵する厄介なのがいるのだ……! と、ちょっとオチへの伏線を張りつつ、次に出てくるのが誰なのか楽しみな方は、ぜひぜひ評価・応援・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m




