第144話 決闘しようぜ! その3
【登場人物】
川崎ばにら DStars3期生 ゲーム配信が得意
網走ゆき DStars零期生 よく炎上する
羽曳野あひる DStars2期生 雑談配信が得意
津軽りんご DStars特待生 きまぐれ僕っ娘
【シチュエーション】
あひる主宰の地獄配信。
◇ ◇ ◇ ◇
あひる「というわけで、さっそく一回戦!」
「ばにらVSゆきちだ~!」
ばにら「ゆき先輩、こうして戦うのは久しぶりバニですね」
ゆ き「ばにら……思い出すにぇ、出会ったばかりの頃を」
二 人「絶対にお前には負けねぇ!!!!」
あひる「おーっと! ゲーム開始前からバチバチだぁ!」
「流石はプロレス芸で知られたゆきばに!」
「熱い試合が見られそうだ!」
「さて、注目の試合内容は――『ボウリング』だぁっ!」
りんご「泥仕合なのに関係ないの出ちゃったね」
「この企画、やっぱり失敗なんじゃな~い?(煽り)」
あひる「りんご! うるさい!」
「種目が決まってたら面白くないだろ!」
「それに……」
「この二人はなにやらせても泥仕合を見せてくれるぐゎぁ!」
二 人「失礼な!!!!」
あひる「さぁ、それじゃ早速、決闘開始!」
◇ ◇ ◇ ◇
――ゆき、ばにら共にガーター連発。
――5フレーム目にして、まさかのスコア1桁。
あひる「……二人とも、大丈夫?」
「一回なかったことにして」
「バンパー(ガーター防止の柵)ありにして勝負する」
ゆ き「そんなお子ちゃま条件で勝負できるか!」
「こちとら実年齢【ピー】歳の大人やぞ!」
あひる「ゆきち! 落ち着いて!」
「VTuberがキレて実年齢公開はまずい!」
ばにら「ゆき先輩の言う通りバニ!」
「バンパーなんて使ったら、ばにーらたちの尊厳がなくなっちまう」
「それだけはやってはならないバニ……(白目)」
あひる「もう尊厳なんてないよ」
「いやぁ、分かっていたけれどここまで泥沼になるとは」
りんご「二人とも運動神経がないよね」
「体幹よわよわなのかなぁ~(煽り)」
ばにら「うっせぇっ! じゃあ、お前がやってみろや煽り猫が!」
ゆ き「そうだりんごん!」
「【ピー】歳越えた人間に、ジョイコンとはいえ」
「身体を動かすゲームは厳しいんだよォッ! ペヒャッ!(唾吐き音)」
あひる「はい、いいから二人とも続けてください」
「せめて、ガーターしないで真っ直ぐ転がるように頑張って」
「というか無理に力いっぱい投げなくていいから」
「なんだったら両手投げして」
二 人「VTuberがよう! そんな日和ったプレイができるか!」
あひる「口だけはいっちょ前なんだよなー」
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コメ欄
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:想定の範囲内
:まさか、オセロでもなく五目並べでもなく、ボウリングで苦戦するとは
:まじでバンパー出すべきでしょこんなの
:ゆきち、俺、恥ずかしいよ……
:ばにらも……
【スパチャ 5万円: ばにらちゃん、頑張って! 応援してるでな!】
:やっぱり現れたか、ずんさん!
【スパチャ 5千円: 失礼します! ばにらさん、ボウリングは奥のピンを無理に狙おうとせず、手前のマークを狙って投げるのがコツです! スピードもそれほど要りません! 姿勢を綺麗に保って投げるのがよろしいかと!】
:紫の芋の人も!
:だれか、ゆきちも応援してあげて。
【スパチャ 2百円: ゆきち、次でガーターしたら三連続じゃん。ウケんねw】
:おこめちゃん、なに煽ってんのwww
:誰か、ゆきちゃんを慰めてあげて! ゆきちゃんのライフポイントはゼロよ!
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パッション系ゲーム配信者だから、慣れるまで時間がかかるのよ。
その慣れていく過程を見守るのがリスナーたちは楽しいのよ。
ゲームうまうまが大正義って訳じゃない。VTuberは単純な仕事じゃない。
けど、これ、勝負なのよね。(名言感)
安定の泥仕合感を出すばにらとゆき。はたしてどちらが勝のか――どっちが勝っても悲しいことにしかなりませんが、せめて応援・評価・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m




