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第139話 紫の芋の人 その7

【登場人物】


川崎ばにら  DStars3期生 ゲーム配信が得意

青葉ずんだ  DStars特待生 グループ最恐VTuber

トキワいま  DStars零期生 事務所発足の切っ掛けになったV

宮古島たると DStars零期生 事務所の絶対的清楚歌姫


【シチュエーション】


たるととばにら、事務所で3D撮影の楽屋待ち。


◇ ◇ ◇ ◇


ばにら(よく分からないけど、たると先輩って思い込み激しいんだなぁ)


   (配信のイメージどおり、清楚で大人しい人だと思ってた……)


たると(ばにらちゃんの前でなにやってるさー!)


   (こんな限界ファンみたいなことになって!)


   (アイドルとしてもオタクとしても、こんなの失格だよぉ!)


   (うぅっ、穴があったら入りたい……)



   (そもそも私のような、歌がうまいだけのオタクの女の子が)


   (アイドルVTuberなんて無理無理の無理だったさー)



―――――――

補足 宮古島たるとの来歴と才能

―――――――


沖縄生まれの沖縄育ち。好きな音楽はBEGINとアニソン。

そんな彼女は今時の少女らしく、YouTubeで弾き語りとかしていた。

その音域豊かな歌唱力は本物。すぐ目をつけられ、VTuberのガワでデビューすることになったのだが――本人は自己肯定感の低いジメジメ系女子。


つまり、ばにらとあんまり変わらないタイプの、無自覚天才VTuberである。


―――――――



ばにら(たると先輩、たぶん収録で疲れてるんだな)


   (ここはちょっと空気を読んで、席を外すバニ……)


たると(だめよたると! こんなことでくじけちゃいけないさ!)


   (うちなーに残してきて家族に顔向けできないさー!)


   (ここは席を外してメンタルリセット……)



二 人「あ……(同時に立ち上がる)」



ばにら(なんで立ち上がるバニか、たると先輩!!!!)


   (これじゃばにーら、席を外せないバニよ!!!!)


たると(なんでばにらちゃんも一緒に立つの!!!!)


   (やだ、もしかして――私たちって息ピッタリ⁉)


   (もしかして相性いいのかしら……)



   (これは結婚するしかない⁉(おめめぐるぐる))



ばにら「た、たると先輩? どこか行くバニか?」


   「それだったら、ばにーら楽屋で休んでるバニから」


   「行ってきて大丈夫バニよ」


たると「うぅん、大丈夫だよばにらちゃん!」


   「それより、何か大事な用事があるんじゃないの?」


   「私が残るから、遠慮せずに行って来なよ!」


ばにら「いやいや、ばにーらが残るバニ」


たると「いやいや、私が」


ばにら「いやいや、ばにーらが」


たると「いやいや、私が……」



二 人「どうぞどうぞ!」



   「って、ダチョウ倶楽部かーい!」



ばにら(…………)


   (息ぴったりでボケがあっちまったバニ!)



   (ミラクルだけれど……ちっとも嬉しくないバニ!)



たると(…………)


   (っはぁ~~~~~~~!!!!)



   (推しとダチョウ倶楽部コントたまんねーなぁ!!!!)



ばにら「…………」


   「あの、すみません、たると先輩」


   「やっぱりばにーら、ちょっとお手洗いに行ってくるんで」


   「残ってもらっていいバニですか?」


たると「いいよいいよ! ぜんぜん!」


   「ゆっくりしていってね!(霊夢)」


ばにら(なんでゆっくり実況のものまねするバニか)


   (今日のたると先輩、よく分かんないバニ……)



   (けど、思ってたより面白い人バニな)


   (事務所の方針が変わったら、コラボしてみたいバニ)



   (……なんてね(楽屋から出て行く))


たると「…………ふぅ」


   「どうやら、うまく誤魔化せたみたいさ」


   「もう少しで、私がカメコだってバレる所だったさー」



   「さぁ、ここいらで気持ちを切り替えて」


   「もう一本の収録に向けて、英気を養う――」



視 線【机の上に置かれた、ばにらの飲みかけペットボトル】



たると「ほっ、ほぁあああああああっ!!!!」



たると(ば、ばにらちゃんの飲みかけのペットボトルが目の前に⁉)


   (いや……だめよたるきち正気に戻って!)


   (いくらなんでも、それは越えちゃいけない一線)



   (ファンとしても、先輩としても、間接キッスはいけないわ!)



たると「…………(そっと立ち上がりペットボトルに近づく)」


   「…………(ペットボトルを手に取る)」


   「…………(キャップを外す)」



たると(てぇええええええええっ!!!!)


   (なにをナチュラルにペットボトルの蓋を開けてるのぉ!)


   (ダメよだめ駄目! ばにらちゃんの唇を汚すなんて!)


   (まだ誰にも汚されていない、純真無垢なばにらちゃんの唇――)



   (いや、誰かに奪われる前に、私が守護した方がいいのでは?)



   (ずんだちゃんや、ゆきちゃんと、しれっと間接キスするのでは?)



たると「…………」


   「私が! 私がばにらちゃんを守護らねば!」


   「DStarsの清楚の化身! 宮古島たるとが!」


   「ばにらちゃんの唇を守護らねば!」



   「というわけで! イッタダキマース!(満面の笑顔)」



い ま「たるきち~? なにしてるのかなぁ~?(暗黒微笑)」



たると「ピァアアアアアアアアアアアッ!!!!(絶叫&赤面)」



☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆



ほんと、なにしてるんですかねたるとさん。

ボロボロと清楚の仮面が崩れ落ちていくこの有様よ。

これがDStarsの歌姫。絶対的清楚枠の正体。


だめだ、もうすっかり暗黒面に落ちておられる……。(諦め)


氷の女王(溺愛)&紫の芋の人(清楚)に囲まれたばにらはいったいどうなってしまうの! ちなみに、たるとちゃんはDStars内では特殊な立ち位置なので、本編で絡めるのはだいぶ先だぞ――ということで、番外編だけでどんどん濃いキャラを極めていこうと思うので、たるとちゃんイイねという方は、ぜひとも応援・評価・フォローよろしくお願いいたします!m(__)m

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